cーfilmsさんの映画レビュー・感想・評価

cーfilms

cーfilms

映画(1315)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

黒澤の「生きる」の英国リメイク。黒澤明と志村喬のあの映画だよね?いや確かにあの映画だ!深淵で、慎ましく、優美な、まるで初めからイギリスの物語であったかのような仕上がりになっているが、テーマはまさに生き>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

ボクシングという男社会で、聴覚障害のある女性が生きる物語ということで、嫌な思いをしないかな、危険な目に遭うんじゃないかな、と勝手に身構えて見ていたが、登場人物はみな優しい。彼女を自然に受け入れ、彼女の>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.8

どうしようもなく身に染みついたヤクザな性根と闘いながらも周囲の人たちに恵まれ、人生を立て直そうとする主人公。だが、チンピラをボコボコにしながら血まみれの口でニカっと笑う顔は、ゾッとするくらいこの問題の>>続きを読む

食神(1996年製作の映画)

3.6

鶏姐のインパクトが作品すべてをさらっていった!香港映画にこんな秘蔵の女優さんがいたんだ〜と感動していたら、まさかのカレンモク!ほんとうに気づかなかった。瀨尿牛丸の味と食感が気になる。

初恋(1997年製作の映画)

3.8

製作である王家衛の世界観が濃く漂うが、シュッとオシャレにまとまっている王作品よりも、さらにコテコテと実験的で面白い。

20.30.40の恋(2004年製作の映画)

3.6

人生のいろんな時期でもがきながらも、楽しくたくましく生きる女性たちの姿を描く。一番好きなシーンは、寝たきりで意識がない患者さんにペラペラと話しかけるシルヴィア・チャンが、よく見たら患者さんにパックまで>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.4

これは面白い!面白いだけでなく陰影ある画も素晴らしい。歴史上の史料に残る一文から、スケールの大きいミステリーを生み出しドラマティックに仕上げる、とても好みの作品だった。梟のような特徴ある目を持つ主人公>>続きを読む

私のちいさなお葬式(2017年製作の映画)

3.6

子供に迷惑をかけないように自分で終い支度をしておきたい、と思うのは万国共通のよう。私の周りでも、「お葬式代は取ってある」と安堵する人、結婚式の準備をするように斎場の見学に行きさまざまなプランを体験する>>続きを読む

たちあがる女(2018年製作の映画)

3.6

映画が始まった時点で、もうじゅうぶん立ち上がっていらっしゃいました!笑 双子が入れ替わるキテレツは好きだが、楽団とコーラスが度々出てくる演出はこの映画にあまり合ってない気も?

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

昨年末から京都シネマでは、ヴィム・ヴェンダース、アキ・カウリスマキ、ビクトル・エルセが次々とかかって、贅沢を味わわせてもらっている。どの新作も、巨匠然としているというより、より瑞々しく無垢に自身の世界>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.2

テレビシリーズは見ていなかったが、丁寧に暮らす優しい男性カップルの物語なんだろうな〜との先入観を持っていた。それもまったく間違いではないが、いい年のカップルは、当たり前のことながら親のこと、心身の衰え>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.2

原作を読んではいないが、テレビで見て大好きになったシリーズ。高橋一生も飯豊まりえも、この人以外にいないのではないかと思うほど役にぴったり。どこか昭和が漂いながらもモダンなところがいい。またルーブルへい>>続きを読む

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.8

あの空を覆わんばかりの香港のネオン、それがこんなにも消え失せているとは。しかも法律で禁じられているとは。失って初めて恋しくてたまらなくなる、当たり前にあった風景。悔しいのは自ら看板を下ろしたのではなく>>続きを読む

アンナ・マデリーナ(1998年製作の映画)

3.6

金城武の部屋からケリー・チャンの部屋へ、アーロン・クォックが引っ越してゆくのをアパートの外から俯瞰で追うシーン…切なかったな。なんやかんや言ってみんな優しく、3人の心の内を思うと胸がギュッとなる。また>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.6

19人の男女が絡む9つの恋愛物語。これだけの登場人物、恋愛模様を綴っていくとなると、どこかバタバタと強引な展開になりそうなものだが、余計な枝葉を取り除いて肝要な部分だけを紡ぎ、各カップルを濃縮して見せ>>続きを読む

イチケイのカラス(2023年製作の映画)

3.4

1時間でギュッと解決させるドラマの濃度の方が好きかなぁ。あまり舞台を広げず壮大でない方が、人物たちの面白みに目がいき、イチケイの世界観に合っている気が。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

お客さんが来るからお皿を1枚買う、その慎ましやかさにハッとする。日本でいうと昭和、それこそ小津映画の時代のカップルのような主人公たち。愛想のない不器用な、でも人としてとても信頼できる顔の人たち。厳しい>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

トイレの清掃員が主人公ということでご不浄がたびたび出てくるにもかかわらず、なんて美しい映画を見たのだろう、という印象。職業に貴賎はないとはいえ、人々にどこか蔑まれながら、しかし主人公の心はいつも潤って>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

3.6

この寒風吹きすさぶ季節に、怪談!京都文化博物館の「異界へのまなざし あやかしと魔よけの世界」展に合わせての上映。たいへんテンポがよくて、どんどん進む展開、たたみかけてくる幽霊、古典的な鳴り物の音に背中>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.8

不意にできた空き時間に、たゆたうように鑑賞。そこそこ長い映画なので、肩の力を抜いて、目に映るものをただ追っていくのがとても心地よい。俳優さんたちの演技がみなさん等しく素晴らしい。中でも康すおんさんの「>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

レオは少し早熟でレミは少し幼いのかな。じゃれ合うように育ってきた2人の関係は、思春期の入口に来て中学の同級生と交わることで変わっていく。誰もが思い当たる人生の一時代ではないだろうか。多感で残酷。私自身>>続きを読む

八月のクリスマス(1998年製作の映画)

3.6

公開当時、話題になっていた印象から、もっと泣かせにくる映画だと思っていたが、とても抑えた演出の穏やかな映画だった。朗らかでおしゃべりで病や死とは無縁そうな優しき「おじさん」と、制服姿もかわいいのびやか>>続きを読む

スパイシー・ラブスープ(1998年製作の映画)

4.4

オムニバスということもあって、中国のB級映画と確信し、軽い気持ちで見始めたのだが、お見それしました!すみません!素晴らしい作品だった。ほんわかといい話ばかりなのに、ユルさ、既視感、まったくなく、どれも>>続きを読む

美術館の隣の動物園(1998年製作の映画)

3.6

ひょんなことから同じ家に住むことになった若い男女のラブロマンス。王道の設定と、懐かしい90年代の雰囲気にほのぼの。主演の女優さんは若い頃の夏川結衣さんにちょっと似ていて、美人だがおっさんキャラ。相手役>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.2

たいへん分厚く上下巻に分かれる原作を、先にウンウン唸りながら読んだ。糸井重里さんが「ピントが合うまでの時間が必要」と言っていた通り、上巻最後でピントが合ってきたが、下巻はまた辛かった記憶が。その時、ま>>続きを読む

ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇(2018年製作の映画)

4.0

6月に大阪フェスティバルホールで見たファッション・フリーク・ショー。練られ完成したショーとして見ていたあの舞台が、実は開演直前まで未完の部分も多く、ケガをするモデルなどもいて、てんやわんやの綱渡りだっ>>続きを読む

アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

3.8

30年通ったみなみ会館の最終日に鑑賞。音楽に詳しくないので、登場するミュージシャンや曲には深い思いを寄せられなかったけれど、みなみ会館の人たちがこれを選んだという意味、そこから何かを受け取りたいと思い>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

予告では自分勝手な周りの人々に振り回される主人公の話かと思ったが、少し違って、主人公は病気もあって生きづらさを抱えている。それを周りもある程度理解している。病気もあるが、内向的な大人しい人ではなく、す>>続きを読む

遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.8

遺灰が旅する前半は、荘厳に見えてなかなか楽しい。あえて白黒で時代がかって撮られているけれど、ごく新しい映画なので、端正なカットの数々や、クスッと笑いたくなるエッセンスなど、現代的で理解しやすい。が、後>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.0

初めて見たのは1994年の封切り時。当時はレスリー・チャン全盛期だった。細かいところはすっかり忘れていて、これほど政治に翻弄される物語だったんだなとか、救われないラストだったんだなとか、改めて響いてく>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

軽くあらすじを読んだ時は、運が悪い女の子がどうにもうまく人生を渡っていけない話なのかと思ったが、そうではなかった。主人公は奔放で飽きっぽい。自ら職種を変え、恋人を変え、住まいを変え…どうにも落ち着かな>>続きを読む

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.4

今活躍中の若手俳優さんたちが、やや幼いながらキラリと光る演技で名を連ねている。水を得たようなコンビがきっかけとなって、吃音を克服していく物語かと思いきや…。

アメリカから来た少女/アメリカン・ガール(2021年製作の映画)

3.6

病気になってしまった母、そのことによる生活の変化、何もかもうまく回らなくなってしまった一家は、全員がイラついて、母に残された時間がいかばかりかわからないけれど、みんな好き勝手言わずに母を囲んで温かい時>>続きを読む

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

3.8

なんとなく見たのだが、なかなかに刺さる作品だった。さまざまな立場の4人の女性の、息苦しさ、生きづらさ。男性や周囲が発する何気ない一言が看過できず、女性たちは大きく傷つく。その傷を見て見ぬふりすることを>>続きを読む

>|