SUNSHOWERさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.8

あらすじを知っただけでも人に話したくなるくらいプロットが魅力な作品。北朝鮮の描写がニュースで目にする程度の印象レベルで描いているので、シリアスになりすぎずおもしろかった。最後はしっかり感動させて「統一>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.7

テンポもギミックもよく出来ていて、エンタメとして楽しんで観れた。観る前は「何が悪いのかを探すことに集中し、システムを見直すことをしないから、同じことを延々繰り返す日本人」を憂えてるのかと思ったら、「後>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.7

質の高い二次創作という感じ。つまらないわけじゃないし世界観も保ってるけど、オリジナルにはあと1歩足らない感じ。逆にスピルバーグの素晴らしさを痛感した。完結とは言わずに、スピルバーグにきちっと締めてもら>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

低予算ながら、緻密に計算された演出を使って、その当時の映像じゃないかと錯覚するくらいのリアルさと説得力を出していたのが素晴らしかった。悲劇なのに、心地よい穏やかさと優しさがあったのも良かった。こんな西>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

3.7

もちろん過去にあった凄惨な事件について知ることも重要だけど、母メイミーがとった、感情の中ではなくシステムの中で対決していこうとする姿勢は、現代においても大きく学ぶものがあると思う。そんなメイミーの強い>>続きを読む

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.8

子どもが持つ無垢で原始的な生きる力強さを描いた作品。恵まれない環境で育った演技経験ゼロの子どもたちをメインに起用したのが斬新な試みで、それでいてしっかり成功しているのが素晴らしかった。リアリズムに重度>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.7

タイカの『マイティーソー』のように、奇をてらいすぎて物語が散漫になっている節はるものの、キャラの魅力はすんでのところで維持されているので、キャラを楽しむ分には楽しめた。結局この映画の価値は、ラストに集>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.7

昨今のアニメのセオリーにとらわれず、昭和のアニメのような自由さがあるので、大人でも楽しめた。ジブリの意志は、ここにもちゃんと引き継がれているんだなと思った。ストーリー自体は子どもに向けたものだけど、大>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.8

最近イタリア映画にハマっているので、かなりおもしろかった。美しい風景と人物の心情を、すべてを語ることなく淡々と描いている演出が、古き良きイタリア映画を感じて心地よかった。悲劇であっても、最後まで貫きと>>続きを読む

ナックルガール(2023年製作の映画)

3.6

低予算のエンタメなのである程度のちゃちさはあるけど、海外の監督が日本人フルキャストを演出するというおもしろさがあって楽しめた。同じ俳優でも、こんなに違って見えるのかと感心したし、伊藤英明さんや窪塚洋介>>続きを読む

蟻の王(2022年製作の映画)

3.9

おもしろかった。荒削りなようで綿密に計算された演出は、古き良きイタリア映画を感じさせし、純愛と狂った法律以外には善悪をつけさせないストーリー構成も良かった。愛そのものにスポット当てるのではなく、いびつ>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.6

現実と非現実が交錯するタイプの映画は多々あるけど、そこまで複雑じゃないのにしっかり騙されるローテクな感じがロバート・ロドリゲスっぽい。ストーリーを楽しむより、ベン・アフレックとウィリアム・フィクナーを>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.8

実際にあったタリバンによる韓国人23人拉致事件の物語。もちろん実際の交渉の顛末は公表されるわけないから、民間人が知りうる情報はそのままで、内部で起こったことはすべて想像なのだそう。事件の内容がシビアな>>続きを読む

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.8

村の環境自体は特殊かもしれないけど、彼らは間違いなく私たちと同じメカニズムで生きていて、彼らの持つ狂気も私たちの中に同じように存在している。問題提起というより警告に近い作品だった。リアリティを追求した>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.6

やさしさと可愛らしさが詰まった絵本のようなストーリー。ホスピタリティの精神や、絶滅種の動物の知識なんかを教えてくれる。大きな感動やテーマがあるわけじゃないけど、現実世界で疲れた心を癒してくれる作品。も>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.7

見せ方だったり、ストーリーの組み立て方が上手くて、奇を衒ってる面では同じだけど、シャラマンとは一線を画すなと思った。立ってる靴とか、撮影監督のキャラとか、Gジャンの内部とか、要素の上手さにぐっと惹きつ>>続きを読む

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.7

アトラクションを基とした世界観が上手く描けていて、期待以上にドキドキして楽しめた。作品の肝となってるユーモアも冴えていたし、キャラクターの描き方も魅力的。ただ、心に残るような感動やギミックが無かったの>>続きを読む

メドゥーサ デラックス(2022年製作の映画)

3.7

80年代の作品ようなカラフルで霞がかった映像であったり、音楽の使い方やストーリー構造であったり、作品すべてが独創的かつ刺激的で、長編1作目としてはかなり大成功だと思う。ミステリーなような構造になってる>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.6

期待してたよりストーリーもメタファーも浅めだったけど、その分わかりやすくなっていたので、そういう意味では楽しめた。ラストも「結局、思春期ってこういうことだよね」という締め括りが見事だったので、後味も悪>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.8

マンガはそこまでハマらなくて、無料で読める分で止めちゃったけど、映画で観たら思っていたより楽しめた。自分に自信の持てない主人公が、成功を収めるわけでもなく、普通の日常から自分の在り方を見つけていく空気>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.7

もちろん映画にするに当たって、わかりやすくするために極端に描いている箇所はあるかもしれない。でもそれを差し引いたって、同情の余地を持てない卑劣な事件。おそらく加害者の人間も、普段は面と向かって差別の言>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.7

お涙頂戴の再生ストーリーかと思って観てみたら、開始5分のぶっとんだオープニングで覆された。蓋を開けたら、再生ストーリー4割、ダンスへの賛美6割。特に、踊れる役者ではなく演技のできるダンサーを主人公に据>>続きを読む

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

3.7

動きがある映像とか、展開の巧さとか、音楽の良さとか、フランス映画を一歩飛び出してフランスを描いてるところが、さすがアルノー・デプレシャンという感じ。大嫌いでも簡単に離れることができないのが家族であるの>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.6

基本的には80年代にあったSF少女漫画みたいな感じ。今どきのヒットアニメよりも想像力あるし、映像もきれいなので、新鮮さと懐かしさが入り混じった感じで楽しめた。『夏へのトンネル、さよならの出口』や『ぼく>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.9

ポリコレとかインティマシー・コーディネートに抗ってるように見えるけど、そうではなく、アートとして描くべき自由度を主張しているだけで、ここまでグロくしながら、女性の尊厳や演者の尊厳はちゃんと守られている>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.9

本来は銃規制を訴えた作品なんだけど、今しがた日本で起きた北海道の事件とリンクしてしまい、家族との関係性や閉塞感にショックを受けてしまった。親が子の責任をすべて持たなければならないという世間の空気感、原>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.7

91歳で撮ったとは思えない出来栄え。正しく描けているかいないかは別として、女性をしっかり描こうとする姿勢、作品を観ている女性を楽しませようとする姿勢が、この監督の長年愛されてきた理由なんだなと思う。視>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.7

大袈裟でリアリティはなかったけど、音楽の使い方やテンポが良いので嫌な感じはしなかった。基本的な流れは『ボヘミアン・ラプソディ』と一緒。なのに最後のライブシーンにそれほど感動しないのは、やっぱりクイーン>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.7

『インサイド・ヘッド』や『ソウルフル・ワールド』のように、大人も観れる深みのあるストーリーを期待してたけど、そうでもなかったのが残念。とは言え、ラブストーリーや家族ドラマとしてはよく出来ているので、観>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

概念と感覚のお伽話。感情の捉え方や表現力はもちろん、作品の構成やリズムが素晴らしくて、驚きや困惑と共にぐいぐい世界に引き込まれた。特に「幸せ」や「恐怖」と言った側面の表現がむっちゃすごくて、アリ・アス>>続きを読む

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

3.8

『マイ・エレメント』を観に行くために鑑賞。観たらトラウマ級に泣いてしまうんじゃないかと思って、ずっと観るのを避けてきたけど、当たり前ながらそんなことはなく、とても気持ちよく観れた。ディズニーの「感動」>>続きを読む

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.7

関係のギクシャクした同職の父子に、夢にまで見た仕事を誤って逆に依頼をしてしまうという設定がおもしろかった。展開は思った以上には広がらなかったけど、演出や演技にリアリティがあったので引き込まれる。元々は>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

監督特有の妙に奇を衒う演出はやっぱり馴染めなかったけど、二転三転して先の読めない脚本は言ってもよく出来ていて、おもしろかった。リアリティより理屈で感情を揺さぶるタイプの作品。ならば、もっとダイナミック>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.9

めっちゃおもしろかった。最高のエンターテイメントで、最強のサイコセラピー。5分先の展開も読めないロアルド・ダール的なファンタジーなので、一概にどういう話かは説明しづらいけど、逆に前情報とか得ずに面食ら>>続きを読む

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

3.8

大袈裟には描かずに、リアリティを持って繊細に描いているからこそ、アウシュヴィッツで起きた悪魔のような出来事が、現実味を帯びて私たちの心に突き刺さる。勇気を出して息子さんに伝えてくれたこと、それを私たち>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.8

YouTuberをひと昔の世代の感覚でイジりながらも、ちゃんと擁護もできているバランスは良い。「復讐の狂気」がメインになりがちな吉田作品が、今作では復讐のトーンが落ち、SNSに翻弄された人々というテー>>続きを読む