SUNSHOWERさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

3.8

ダイナミックさこそ欠けるものの、心情とリアリティの描き方は絶妙で引き込まれた。タイトルのとおり、親が子を見定め、上司が部下を見定め、そして選別する者も誰かに見定められる。物語を額面どおりに受け取っては>>続きを読む

トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.7

マーベルのように大人が観ても楽しめるという感じじゃないけど、テンポが良く展開もわかりやすいので、子どもはかなり楽しめると思う。舞台の90年代に合わせて、懐メロ的なヒップホップがセンス良く使われている点>>続きを読む

裸足になって(2022年製作の映画)

3.7

『パピチャ 未来へのランウェイ』は自由のない遠い国の物語という距離感があったけど、今作は力強く生きる女性たちを等身大に感じ、大きな勇気をもらえた。ベタな展開になりそうなテーマだけど、物語が進むにつれて>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

私的にはアリ。これが日本かということより、これがアートかということの方が重要なので、もっと捻じ曲げても良いくらい。今、原作を半分くらい読み終えたけど、原作はマンガみたいになってるのに対し、映画はアメコ>>続きを読む

炎上する君(2022年製作の映画)

3.5

性差別は、私たちより上の世代では「当たり前にあるもの」。私たちの世代では「無くすのは難しいのもの」。今の若者世代にとっては「無くて当然なもの」。作品としての出来は、まだこれからという感じだけど、新しい>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.9

昔はもっとこういう邦画が沢山あったのになと懐かしく思う。ロードムービーがというわけでなく、人の描き方が昔っぽい。まさに『百万円と苦虫女』や『ヴァイブレータ』のように、演じた女優さんと共に、ずっと心に残>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.7

思っていたより淡白だった。こういうタイプの映画は、比喩的テーマの物語か直接的なサスペンスか、どちらかだと思うけど、どちらにしても物足りない印象。宗教的なメタファーが潜んでいたにしても、たいしたメッセー>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.6

ゆっくりと徐々に不思議な世界に突入していく展開とか、ひとりとてまともな人間がいない設定とか、まさにクドカンワールド全開という感じで楽しめた。でもやっぱり、オリジナルなんだよなー。展開のテンポの良さとか>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.8

『1秒先の彼』の予習のために観たけど、めっちゃおもしろかった。こういう奇妙な物語やアメイジングストーリー的な作品大好き。加えて細かい伏線と回収の嵐も良い。2度観たくなるやつ。日本リメイク版は男女が入れ>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.8

監督がロブマーシャルなので、あまり期待はしてなかったけど、思っていた以上によく出来ていた。アニメと比べると、カラーの鮮やかさやキャラの可愛らしさが半減してしまう分、自然の美しさや人間の気品・力強さが増>>続きを読む

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

3.7

かなり昔に観たことあるけど、実写前に復習。結局、この頃のディズニーアニメはストーリーのおもしろさというより、世界観にどれだけ酔いしれられるか。踏まえた上で、リトル・マーメイドに特化した魅力を考えてみた>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

「この先どうやって展開していくんだろう」的な、MCU特有のワクワク感を久々感じて満足度高かった。振り返れば、MCUのこういう満足感は『ロキ』以降なかったかも。脚本も不評がウソみたいに上手く書けていたし>>続きを読む

大名倒産(2023年製作の映画)

3.6

前田哲監督、浅田次郎原作で間違いない安定感。こういう作品だって、エンターテイメントとして絶対必要でしょう。特に、よく見せたいとか、テーマがずれているとか、嫌に思う部分はないので楽しめた。神木くんもふざ>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.7

MCUの中から独立して、再出発したような印象を受けた。基本MCUは「ヒーローもの+α」が信念のように思えるけど、あえてソニーやDCのような「純ヒーローもの」をブラックパンサーに当てはめたことは、ある意>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

めっちゃおもしろかった。サスペンスと見せかけて、国や組織同士の諍いを描いた隠喩劇。もちろん主演の2人も良かったけど、賢き者を現した妹シボーン、弱き者を現したドミニク、この諍いに巻き込まれた2人の存在が>>続きを読む

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

3.8

無駄のない的確なカメラワーク。豊かでリアルな人物描写。とにかく演出が素晴らしくて、モロッコの日常を切り取った世界観に引き込まれた。作品全体を包み込む、作り物じゃない「優しさ」も心地よくて好感触。ラスト>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

ラストはそんなに違和感なく受け入れられたけど、事を起こす「動機」が少し曖昧なのがすっきりしなかった。生産と消費、捕食と被食の本来あるべき関係。理解はするけど、そこに怒りをぶつけて何か解決するんだろうか>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.9

おもしろかった。古典としての物語の素晴らしさもあるけれど、やっぱり『ダンケルク』以降の戦争映画は映像の説得力が凄まじくて、戦争の悲惨さを視覚的に実感することができた。特に今作は、市民を除いた「兵士と政>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.6

ヤクザだったりサイコパスだったり、すべてが作ったようなキャラ描写だったので、まるで現実味はなかったけど、テンポやアクションは良かったので楽しめた。ただ根本的に、あんだけ人を殺したり殺人を見過ごしておき>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.8

『エンドゲーム』以降のMCU作品は、次の世代に繋げるタイプと、広げた風呂敷を畳むタイプに分けられるわけで、今作はまさに後者のほう。そういう意味では過ぎるくらい綺麗に完結させたと思う。畳むタイプの作品の>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

3.9

大袈裟、極端に見えるかもしれないけど、人間の本質は突いているから引き込まれる。おそらくオゾンはファスビンダーそのものを描きたかったんだと思う。伝記ではなくリメイクの形で。だから主人公をファスビンダーに>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.6

初めから最後までツッコミどころ満載だったけど、テーマや演出が実直すぎるくらいストレートなので、クライマックスでは訳もわからずジーンとくるものがあった。麦ちゃんの演技と向井さんの音楽は相変わらず素晴らし>>続きを読む

プチ・ニコラ パリがくれた幸せ(2022年製作の映画)

3.7

原作者の誕生秘話だけかと思ったら、途中で本編の傑作集も挟まれるので、「プチ・ニコラ入門編」と呼んだ方がいいかも。読んだことのない人はきっと読みたくなるし、読んだことのある人は、作品に込めた願いを知って>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

3.7

真剣に柳楽優弥くんは今、日本で1番上手い役者だと思う。『ガンニバル』もやばかったかったけど、こちらもやばかった。配信作品という理由で、こういうのを平然と取りこぼせる国内の賞を見ても、日本は芸術性より義>>続きを読む

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.8

とにかく映像が綺麗。動きは多少カクつくけど、映像演出が実写並みに素晴らしくて、アニメにする必要があるのかと思ってしまうくらい。ストーリーは日本人好みのスポ根もので、ラストの畳みかける感じとか誰もが泣け>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2023年製作の映画)

3.7

展開や演出が上手くて1度も飽きずに観れた。日本版は観てないけど、レビュー見る限りじゃこっちの方がおもしろそう。イム・シワンは『非常宣言』に続いてのサイコパスで、口角上げるだけの笑顔がなかなか狂気で好印>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

3.8

おもしろかった。テーマは「女性の生きづらさ」。人間なら誰もが持っている「弱い部分」の描き方が、ぞっとするくらいリアルで説得力があった。重くなりそうなテーマなのに、ほどよい優しさとユーモアに包まれていて>>続きを読む

マチルダ・ザ・ミュージカル(2022年製作の映画)

3.8

おもしろかった。というか原作作家のおもしろさを知った。『チャーリーとチョコレート工場』を観た時はあまりピンとこなかったけど、独特の諷刺ユーモアが知的で的を得ていておもしろい。演出も良かった。ダンスやセ>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

おもしろかった。脚本および構成の素晴らしさ。詩であり、叫びであり、訴えであり、原動であり、構成であり、本質であり、現実であり、希望であり、未来である。こんな多角的かつ明確に想いが込められた作品は他にな>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.7

完成度や芸術性は高かったのに、なぜか心に残らない。なんなら完成度も芸術性も劣ってるのにゼメキス版のほうが好きだったかも。違いはやっぱりキャラクターへの愛着なんだよね。デルトロ監督はいつもテーマやデザイ>>続きを読む

ピーター・パン&ウェンディ(2023年製作の映画)

3.9

めっちゃおもしろかった。蓋を開けてみれば、アニメとはまったく別のマルチバースストーリー。脚本が驚くほど緻密に作られていたし、ラストのいわゆるピーターパン症候群に向けたセリフに超絶泣けた。何より大の大人>>続きを読む

刑事ジョン・ルーサー: フォール ン・サン(2023年製作の映画)

3.7

観終わって何か残る感じじゃないけど、映像もテンポも良かったし、飽きずに楽しめた。ドラマシリーズを観たことがないので、観てたらもっと楽しめたかも。ストーリーはやりすぎ感あるけど、本当に起こりそうなアイデ>>続きを読む

Sharper:騙す人(2023年製作の映画)

3.7

全体的なプロットはおもしろかったけど、人物描写とか演出に深みがなくて、あと一歩乗り切れなかった。騙す以上、騙す側の強さというか太々しさみたいなものがあって、それを感じられたのは黒人の女の子くらいだった>>続きを読む

スワン・ソング(2021年製作の映画)

3.8

ラストにもう一捻り欲しかったけど、映像は美しいし、内容に深みがあったし、音楽も最高だったで、結果おもしろかった。人間と判別つかないクローンが作れるなら、病気だって解決できるでしょと思わなくもないけど、>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.9

ここのところ自伝的映画が多いけど、その中でも群を抜いておもしろかった。なんと言っても感動させるために、話を盛ろうという感じが一切ない。純粋にその当時感じたことを映像に収めようとする姿勢が素晴らしかった>>続きを読む

その道の向こうに(2022年製作の映画)

3.7

私が好きな映画の条件のひとつに、「優しさと救いがあるか?」というものがあるけど、その点ではまさにストライクな映画。ラストの導き方はもう少し工夫があってもいいかなと思うけど、映像やセリフや人間描写など、>>続きを読む