鹿苑寺と慈照寺さんの映画レビュー・感想・評価

鹿苑寺と慈照寺

鹿苑寺と慈照寺

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.0

ルーシーの覚醒前から覚醒後までは楽しいけれど、脳の機能が100%に達するにつれてどんどんお話が荒唐無稽になってきてお口がポカンのまま物語が終わっていた。

アクションをやりたいのか、SFをやりたいのか
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

前半から後半にかけて主人公が覚醒していくストーリーは良かったけど、アクション映画としては可もなく不可もなくといった感じ。

アクション×超能力なので仕方がないのだろうけど、漫画を見ているようで人間と人
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.9

東野圭吾さんの『ある閉ざされた雪の山荘で』を読んだのはかなり昔のことで細かい内容は忘れてしまっていた。クローズド・サークルもの推理小説。予告編を見ても嫌な予感が拭えなかったけど、本編を観てもそれは覆ら>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

「イコライザー」感をひしひし感じる良作。何でもない平凡な男が実は激強のやばい奴だった系アクション。設定といい、会社を戦場にしちゃうところといいやはり最後まで「イコライザー」だった。こういう娯楽作は定期>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

変声期でソプラノ歌唱ができなくなりつつある合唱部の中学生・聡実。カラオケ大会で何としてでも罰ゲームを回避したいヤクザの若頭補佐・狂児。ある日、出会った2人は狂児の「カラオケ行こ」との誘いから聡実が狂児>>続きを読む

最終絶叫計画(2000年製作の映画)

2.5

「スクリーム」と「ラストサマー」をメインの元ネタにしながら「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、「マトリックス」、「ユージュアル・サスペクツ」などをパロディにしたホラーコメディー作品。

色々な作品のパ
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ANNA/アナ(2019年製作の映画)

4.2

時系列が前後に何度も飛ぶ構成になっているけれど、ストーリーはしっかり把握できるようになったいるし、何よりも時系列のジャンプが「裏切り、裏切られ」のエッセンスになっているのも◎

主人公アナを演じたサッ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

視覚的にも精神的にも複雑な映画だった。

■視覚的な面
登場人物の多さ、時系列やカラー画とモノクロ画の切り替え、政治的策略。
これらが複雑に絡まり合って本作は構成されているので、とにかく複雑。
ただ、
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

【オレは今なんだよ!!】

これまで『SLAM DUNK』に触れる機会がなく、バスケにも興味が沸かなくてスルーしていたけど、YouTubeで見た原作の数々の名言が自分に刺さって、原作を全巻読破した。「
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ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.8

そういや観てなかった名作。アクション映画も多くの作品があるから完全に漏れてた。

任務に失敗し、記憶喪失になったCIA職員があらゆる刺客から狙われるという設定が、他のSF作品にない斬新なものだったので
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ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

2.5

さすがに分かりませんでした。
何かの暗喩なんだろうけど、難しい。
正直「イレイザーヘッド」より難解。

以下は個人的なメモ
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「飲むかもしれないし飲まないかもしれない」

「真実の愛はバナナ
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グレイマン(2022年製作の映画)

4.4

アクション映画として最初から最後までめっちゃ面白い。ライアン・ゴズリングとアナ・デ・アルマスのアクションもキレがあって素晴らしい。

ストーリーもスパイアクションものによくある「人類の存亡」みたいな荒
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.7

実践経験もなく、臆病で弱いトム・クルーズが新鮮。だからこそタイムループを通して少しずつ成長し強くなる、トム・クルーズ演じるケイジの物語として面白い。

タイムループを経て、敵の生命体に勝てないという絶
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

ありきたりな黒人描写ばかりの世間に辟易していた黒人の小説家は、別名義でやけくそで書いた「黒人的なステレオタイプの小説」を書いたことで大ヒットしてしまう。

「抑圧される黒人が奮起するというストーリーは
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犬人間(2022年製作の映画)

3.7

なんだこのお洒落なオープニングは。モーニングルーティンかと見紛うほどの朝食風景。再生する作品を間違えたのかと思った。ていうか美味そうな食事だな。
そんな思いも束の間、犬人間のカットインで途端に不穏な空
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.5

90分ノンストップで駆け抜ける最高のアクションエンタメ。

金塊を奪ったナチス軍と金塊を奪われたフィンランドの伝説の老兵アアタミ・コルピの金塊を巡る攻防が本筋の本作はタイトルにもなっている通り「SIS
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.8

借金返済のために企てた妻を誘拐するという偽装工作。1つのミスが思いもよらぬ悲劇へとひた走る。

妻の誘拐を企てるジェローム。彼の妻の実家はお金持ちで、ジェローム自身も義父が社長を勤める自動車販売代理店
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

何があったのか?という「事実」が大事なのにマスコミも検察も証言者もどいつもこいつも各々の「想像」から「物語」を作り上げていたのが印象的だった。

当事者同士の諍いのニュアンスなんて当事者にしか分からな
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.5

椅子やベッドなどのクリーチャー感が気持ち悪くて不気味で良い。
全然理解でなかったけれど、世界観の作り込みが素晴らしいし、プラスチックを食べるというモチーフが暗喩的で好きだし、恍惚の表情で締めるラストも
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

まずいことがバレたときの滑稽な言い訳。すぐ辞職するわ、開き直るわ、あそこまで厚顔無恥だと、それはもはや才能なのでは?と呆れる。有権者や周囲の人間にどう思われたとして気にならないくらいに「旨みのある」仕>>続きを読む

彼女はひとり(2018年製作の映画)

3.7

「彼女はひとり」の「ひとり」の意味が紐解かれるラストが良かった。
同世代の監督の卒業制作の作品ということで今後の作品に注目したいと思えるような作品だった。

以下は個人的なメモ
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「ホモじゃ
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ストレンジャーズ/戦慄の訪問者(2008年製作の映画)

3.7

3部作でリブートされるらしく、初めて知った作品だったのでオリジナル版を鑑賞。

突然の侵入者により日常を脅かされる系ホラー。じわじわあの手この手で追い詰められるのが怖い。リブート版のポスターでも書かれ
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ハルモニア(2024年製作の映画)

3.0

短い尺の中に登場人物たちの色々な背景が詰め込まれていて驚いた。タイトルの「ハルモニア」も調和という意味があっで作品に合ってる。優しい作品。
設定と構成はめちゃくちゃ良いけれど、じゃあ面白いかと問われる
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

4.0

誰もが知っている、かの有名な相対性理論を生み出したアインシュタイン。そんなアインシュタインを、原爆にフォーカスを当てたドキュメンタリー作品。

まず初めに僕はまったくアインシュタインのことは詳しくない
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

妻との関係性が冷え切っていた小説家の衣笠幸夫(本木雅弘)は不倫相手との密会中に妻を交通事故で亡くしてしまう。同じ事故で妻を失った大宮陽一(竹原ピストル)とその子供たちとの交流を経て、幸夫は「他者との関>>続きを読む

セフレの品格(プライド) 初恋(2023年製作の映画)

3.5

さすがは城定秀夫。AVになり過ぎずにちゃんとストーリーも面白い。主人公の娘が「同窓会で昔の彼氏と燃え上がっちゃったら帰ってこなくていいからね」なんて言うか?などツッコミどころはあるが、「診察は終わった>>続きを読む

ミンボーの女(1992年製作の映画)

4.0

「マルサの女」に続き伊丹十三監督作品鑑賞。

民事不介入専門弁護士、通称ミンボーの井上まひるが、ヤクザが跋扈するホテルからヤクザを追い払おうと奮闘するお話。

「マルサの女」とは違い、敵であるヤクザを
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神回(2023年製作の映画)

3.5

最近はスパンの短いタイムループものが流行りなのか、「リバー、流れないでよ」に続き、本作は5分を何度も繰り返す。

青春+タイムループという王道かと思いきや、ぎょっとする展開や、そこからの本作の本当のメ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

前2作よりホラー表現は抑えめながらも不快な表現連打の特殊な作品。

冒頭の戦争描写や溺れる描写は主人公やおそらく父親(?)のトラウマ表現なのだろうけれど、そのすべてを汲み取るのは難しかった。

「ヘレ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

男女を恋愛関係に発展させず、お互いの苦しみや辛さをちょっとでも和らげるように「できることをする」という大切な関係性を描く本作。

生きづらさを抱えた山添(松村北斗)と藤沢(上白石萌音)、2人を受容する
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ソナチネ(1993年製作の映画)

3.8

ずっと死の匂いが付き纏うのに対比して落とし穴や紙相撲、花火など子供のような遊びに耽る村川(北野武)たちが印象的だった。

終盤のエレベーターでの銃撃シーン。階が止まるごとに緊張感が増してくるのがたまら
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マルサの女(1987年製作の映画)

4.4

伊丹十三監督作品初鑑賞。なんだこれ、めちゃくちゃ面白すぎる。

オープニングの乳を吸う老人のインパクトからして完全に心を持ってかれてしまい、ラブホテル経営やあらゆる悪事で脱税する権藤(山崎努)のシーン
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ファニーゲーム U.S.A.(2007年製作の映画)

3.7

オリジナル版を観たのが数年前でようやくリメイク版を鑑賞。

所々忘れていたけれど、ストーリー運びも展開もオリジナル版とほとんど相違なくて驚いた。リメイクでここまでオリジナル版から変えないのも珍しい。暴
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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年製作の映画)

3.6

田舎の家族のいざこざをコメディータッチに描いた作品。

佐津川愛美さん演じる清深が印象的。楳図かずおタッチのおどろおどろしい漫画を書いているが、バスに乗る清深が隣に寝ている姉の澄伽の寝顔を書くとき、以
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女優霊(1995年製作の映画)

3.1

ホラーに触れてなかった昔なら怖く感じたんだろうなあ。今やあらゆる作品を観てしまったせいで恐怖に新鮮でなくなってしまったのかもしれない。
不気味に高笑いする女優霊は確かに怖かった。

以下は個人的なメモ
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.5

北野武初監督作品をようやく観れた。これが初監督作品とは驚き。全体的に画がバチバチにかっこいい。オープニングの子供の家に襲撃に行くシーン、橋を渡ってくるシーン、流れ弾のシーン、更衣室でたばこを吸い、拳銃>>続きを読む

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