くりふさんの映画レビュー・感想・評価

くりふ

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男のゲーム(1988年製作の映画)

4.0

【男らしく潰そう】

昔々、シュヴァンクマイエルを知った時、最も、と言えるくらいに面白かった逸品。

久しぶりに見返して、やっぱこの人スゲエと思った。初見では、人体破壊のブラックな描写そのものに惹かれ
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メーベルの窮境(1914年製作の映画)

3.5

【“アルコール先生”マジヤバイ】

実質、チャーリーの“放浪者”スタイルが登場したのは本作が初らしいが、単にその記念碑としてではなく、チャップリン当時のヤバさがキチンと刻まれているのがスゴイと思う。
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ヴェニスの子供自動車競走(1914年製作の映画)

1.5

【“放浪者”のお披露目】

U-NEXTにて。チャップリンの“放浪者”スタイルが登場したのがコチラというより、今では『メーベルの窮境』の方だ、という説の方が一般的なのかな?…個人的には、どっちでもいい
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

【家なき子】

何となくの後回しだったが、同テーマを扱う新作『トナカイは殺されて』を先に見て興味が湧き、U-NEXTにあったので、続けて見てみた。

サーミが映画でどのように描かれてきたか?は事例も少
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成功争ひ(生活法)(1914年製作の映画)

3.0

【カウキャッチャーに掬われて】

1914年作、チャップリン映画初出演の短編。演出は凡庸、でも体を張ったドタバタが始まると、流石に愉しい。ちゃんと“キーストン・コップス”も湧いてくるんだね。

チャッ
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.0

【悪童日記】

U-NEXTにて。トリュフォーの実質デビュー短編。

どっかで一度、見たなあ…と思い出したが、まったく心に刻まれていなかった。

その理由はいま再見してよくわかった。主人公が子供(たち
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恐怖と戦慄の美女(1975年製作の映画)

3.5

【アメリア・嫌ハート】

アマプラ見放題にて。1975年の米製TVムービー。いま見れば牧歌的で、サイコホラーってよりホラですな。3人の女による3話を集めたオムニバスだが、始めの2人は、3人目に比べれば
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これがUFOだ! 空飛ぶ円盤(1975年製作の映画)

1.0

【え〜、USO〜!】

U-NEXTにて。コレ、コドモん時に劇場に行き、ヤバイもん見ちゃった記憶があるのだが、植え付けられたニセの記憶だろうか?

70年代オカルトブームは当然子供も取り込んで、東映ま
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.5

【回帰線を寝過ごして】

『Here』の後から見た。ダイレクトに沁みたのはアチラ。コチラは見たあと時間差で、すこし沁みた。

深夜勤務の掃除婦。終電メトロで転寝し…気づけば終点。20年間、こんなことな
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続名探偵ホームズ2 ドーバーの白い崖/名探偵ホームズ ドーバー海峡の大空中戦!(1986年製作の映画)

3.5

【ミセス・ハドソン傷心事件の巻】

U-NEXTにて。『海底の財宝』に続いて見た、宮崎駿演出担当の1本。 シリーズでは第10話。

ここまでの宮さん担当4本中、いちばん“ええ話”でした。

今回も、主
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不良姐御伝 猪の鹿お蝶(1973年製作の映画)

3.5

【雪で乳房の血を拭う】

U-NEXTにて。はるか昔、東映ピンキーバイオレンスを集中して見ていた頃、カナリ好きな一本だったが…今ではサスガに、物語的にはスットコで、楽しめるところはあまりない。

池玲
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名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻(1984年製作の映画)

3.0

【ゆけゆけ永井一郎】

U-NEXTにて。『青い紅玉』に続いて見た、宮崎駿演出担当の一本。TVシリーズ1話分の面白さから出てはいないが、やっぱり動きは素晴らしく、今回の肝はメカアクション。

とはいえ
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ティル(2022年製作の映画)

3.5

【未来のエメットを守るために】

気になっていたが劇場に行く機会がなかなかなくて…と思ったら、アマプラ見放題に入荷した。

エメット・ティル事件はよく知らなかったので、まずは学びになった。

14歳息
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名探偵ホームズ1 青い紅玉(ルビー)の巻(1984年製作の映画)

3.0

【ピックポケット犬物語】

U-NEXTにて。『ミセス・ハドソン人質事件』に続けて見た、宮崎駿演出担当の一本。やっぱりあくまで、TVシリーズ1話分の面白さ。それ以上でも以下でもないが、やっぱり動きは素
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プラクティカル・マジック(1998年製作の映画)

3.0

【ランブリング・マジック】

U-NEXTにて。1998年のアメリカ映画。キャスティングに惹かれるも、何となく後回しにしていた。

原作者のアリス・ホフマンって畑が、YAや児童文学の人なのですね。映画
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続名探偵ホームズ1 ミセス・ハドソン人質事件(1986年製作の映画)

3.0

【理想のメス犬】

単なるTVシリーズの1話だが、劇場公開実績があるから、この映画カテゴリにページがあるのかな?

最近、宮崎駿演出編がまとめて劇場公開されているが、元がU-NEXTにあったので、久々
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トナカイは殺されて(2024年製作の映画)

3.5

【ゆるやかな殲滅】

Netflix新作のスウェーデン映画。この地域における、現代サーミ人への差別がテーマだが、もはや、差別どころか民族浄化のレベルだね。そういう状況にあると教えられる価値はあったが、
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フリーダ 愛と痛みを生きた肖像(2024年製作の映画)

3.5

【おんな視界でフリーダおさらい】

アマオリ新作。残されたフリーダ・カーロの日記、コメントを中心にその生涯を、自画像としておさらいする試み。女性監督だから…と強調すべきではないかもだが、女性の哀しみが
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

1.5

【わざわざハイレゾ戦隊ヒーロー】

Netflixに入荷したので、サクッと流し見。

ただ、異様に変形の解像度が高いだけ、でした。さすが、先住民を追いやり居座った国の話とは思ったけど。

元々、思い入
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The Spirit of Wonder チャイナさんの憂鬱(1992年製作の映画)

3.0

【月に向かっておしおきしてどーする】

U-NEXTにて。

昔、鶴田謙二の描く女性が好きで、漫画はよく読んで(眺めて)いた。メイルゲイズな露出女ばかりだったが、当時はそこがよかったワケだ。w

チャ
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.0

【大人のための童子、童子のための動画】

TAAF2024で知り、気になっていた一作。

すっかり忘れていたが、『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』監督の新作なのね。正確には、奥さんもドキュメ
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アイス・ストーム(1997年製作の映画)

3.5

【ふしだらな氷柱】

U-NEXTにて。70's、冷え切った家族“たち”が、肉欲でそれを紛らわそうとして、さらに冷えてゆくおはなし。

前年制作の『カラー・オブ・ハート』を再見したら、セットでこちらも
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チャムキラ(2024年製作の映画)

4.0

【カリスマ奴隷】

Netflixヒンディー新作。これは力強くわかりやすく、おもしろかった!

80's売れに売れたという“パンジャブのエルヴィス”アマル・シン・チャムキラのことは本作で知ったが、お国
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.5

【推しの子と、推せない子】

視野外だったが、ある評を読んで惹かれて劇場行くと、予想外に技ありで感心した。ネタは古いが、語り方に鮮度がある。

70年代のローマが舞台だが、白人キリスト教ナショナリズム
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銀河健康センター(2024年製作の映画)

1.0

【ととNO】

アマプラにて。ニッポン製新作SF短編。まー、ゆるふわなだけの絵に描いた餅で、全く接点を持てなかった。邦画の悪いところが“ととのって”いる。自主映画らしいが、何らかのシリーズ化を狙って、
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スーパーマンII /リチャード・ドナーCUT版(2006年製作の映画)

3.5

【スーパー父リターンズ】

U-NEXTにて。久しぶりにサッと再見。

1980年当時に制作中断した版を、26年後に完成させたもので、こちらが本来の形に近い筈ですが、公開されたリチャード・レスター版に
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イヌとイタリア人、お断り!/犬とイタリア人お断り(2022年製作の映画)

3.5

【歴史のやさしい刻み方】

アマプラにて。2023年のTAAFで長編グランプリを受賞したフランス製パペットアニメ。

監督の私的な振り返り。要は、究極の“うちの祖父母自慢”。しかし、家族を史実の中に置
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.0

【肉欲の鍵盤】

何度も見ているが、やはり劇場で堪能したく…。でも4Kの恩恵は感じなかったな。むしろ、初見と同じ劇場なのに映像がボケた印象。一方、音は、当時の技術ではやはり浅かったんだね…と気づきしみ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

【恋は遠い日の花火、としておこう】

迷ったが、劇場に行って正解だった。素晴らしさが淡々と積み上がってゆく映画だった。

おもしろいアジア系女性監督がまた登場したな、と嬉しくなった。

自伝を元に、出
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アーガースワーディ村(2018年製作の映画)

3.0

【太陽に近すぎる村】

U-NEXTにて。ひどい干ばつの影響で過疎化が進む、マハーラーシュトラ州・アーガスワディ村の惨状をスケッチした、2018年の短編ドキュメンタリー。

余所者には一見、美しい遠景
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激突!(1971年製作の映画)

3.5

【モハベ砂漠でちんこ勝負】

U-NEXTにて。大評判となったTVムービーで、スピルバーグの出世作ですね。

テクニカルには良く出来ていて、いまだに感心しますが、現実的な恐怖感としては、時代が変わりす
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スイソウ/Aquarium(2021年製作の映画)

3.0

【愉しい牢獄ラップ】

U-NEXTにて。2021年作、3分の短編アニメ。

正統派自主映画という味わい。この乱暴さは好きですが、乱暴さゆえ、どこか停滞感のある仕上がり。

自室がまさに、水槽のように
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カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

3.5

【書き割り50's】

U-NEXTにて。けっこう好きで、再見したいと思っていた。

50's白黒テレビの、規範的ゆえ楽天的なホームドラマ…という架空の現実に迷い込んだ、現代(1998年)の高校生兄弟
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タゴール・ソングス(2019年製作の映画)

3.5

【それぞれの薪となる歌】

U-NEXTにて。コロナ禍で劇場公開が混乱して以降、気になっていたが、機会をのがしていた。

あの騒動以降、ここで撮られた現地の様子も変わっただろうに…と思いつつ、そこそこ
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あいつのブラジャーとぼくのパンツ(2022年製作の映画)

3.0

【ブリーフと“らしさ”】

U-NEXTで出てきた短いパンツコメディ。これは完全に自主映画なのかな?

致し方なくもあるが、子供の棒演技は絶望的。それを避けるため、脚本や演出でうまく誤魔化すものだろう
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.5

【パトカーは続くよどこまでも】

U-NEXTにて。スピルバーグの劇場用映画第一作を、久しぶりに再見、その巧さに改めて驚く。さすがに、脚本の残念感は幾つもある一方、根っから、映像で的確に語ることをわか
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