くりふさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スーパーマンII /リチャード・ドナーCUT版(2006年製作の映画)

3.5

【スーパー父リターンズ】

U-NEXTにて。久しぶりにサッと再見。

1980年当時に制作中断した版を、26年後に完成させたもので、こちらが本来の形に近い筈ですが、公開されたリチャード・レスター版に
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イヌとイタリア人、お断り!/犬とイタリア人お断り(2022年製作の映画)

3.5

【歴史のやさしい刻み方】

アマプラにて。2023年のTAAFで長編グランプリを受賞したフランス製パペットアニメ。

監督の私的な振り返り。要は、究極の“うちの祖父母自慢”。しかし、家族を史実の中に置
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.0

【肉欲の鍵盤】

何度も見ているが、やはり劇場で堪能したく…。でも4Kの恩恵は感じなかったな。むしろ、初見と同じ劇場なのに映像がボケた印象。一方、音は、当時の技術ではやはり浅かったんだね…と気づきしみ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

【恋は遠い日の花火、としておこう】

迷ったが、劇場に行って正解だった。素晴らしさが淡々と積み上がってゆく映画だった。

おもしろいアジア系女性監督がまた登場したな、と嬉しくなった。

自伝を元に、出
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アーガースワーディ村(2018年製作の映画)

3.0

【太陽に近すぎる村】

U-NEXTにて。ひどい干ばつの影響で過疎化が進む、マハーラーシュトラ州・アーガスワディ村の惨状をスケッチした、2018年の短編ドキュメンタリー。

余所者には一見、美しい遠景
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激突!(1971年製作の映画)

3.5

【モハベ砂漠でちんこ勝負】

U-NEXTにて。大評判となったTVムービーで、スピルバーグの出世作ですね。

テクニカルには良く出来ていて、いまだに感心しますが、現実的な恐怖感としては、時代が変わりす
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スイソウ/Aquarium(2021年製作の映画)

3.0

【愉しい牢獄ラップ】

U-NEXTにて。2021年作、3分の短編アニメ。

正統派自主映画という味わい。この乱暴さは好きですが、乱暴さゆえ、どこか停滞感のある仕上がり。

自室がまさに、水槽のように
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カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

3.5

【書き割り50's】

U-NEXTにて。けっこう好きで、再見したいと思っていた。

50's白黒テレビの、規範的ゆえ楽天的なホームドラマ…という架空の現実に迷い込んだ、現代(1998年)の高校生兄弟
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タゴール・ソングス(2019年製作の映画)

3.5

【それぞれの薪となる歌】

U-NEXTにて。コロナ禍で劇場公開が混乱して以降、気になっていたが、機会をのがしていた。

あの騒動以降、ここで撮られた現地の様子も変わっただろうに…と思いつつ、そこそこ
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あいつのブラジャーとぼくのパンツ(2022年製作の映画)

3.0

【ブリーフと“らしさ”】

U-NEXTで出てきた短いパンツコメディ。これは完全に自主映画なのかな?

致し方なくもあるが、子供の棒演技は絶望的。それを避けるため、脚本や演出でうまく誤魔化すものだろう
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.5

【パトカーは続くよどこまでも】

U-NEXTにて。スピルバーグの劇場用映画第一作を、久しぶりに再見、その巧さに改めて驚く。さすがに、脚本の残念感は幾つもある一方、根っから、映像で的確に語ることをわか
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虎を仕留めるために(2022年製作の映画)

4.0

【しかし虎の数だけ狩人が要る】

Netflixにて。ようやく日本語字幕がついたので見てみると、必見と言っていいドキュメンタリーでした。

インドでは“20分に1度”起きているレイプ犯罪。本作はジャー
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テンタクルズ(1977年製作の映画)

3.0

【踊り食い、巨大盛りで】

U-NEXTにて。コレ子供のころ“●●が人を襲う映画”流行りだった時、劇場で見ちゃったやつ。

売りの“トレンブルサウンド”はどこがトレンブるんだか謎でしたが、子供心には、
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マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

3.5

【食い詰めてマンイーター】

Netflixにて。後回しにしていたが、ジェニファー・ローレンスが“安心してください履いてません”をヤルなら見ておかないとね。

男女逆ならこの話、成り立つの?に始まる、
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よもやま短編集(2021年製作の映画)

3.0

【よもやま足らず】

U-NEXTにて。2021年の、3分の短編アニメ。

痒いところに手が届かないような可笑しみを、とりとめなく描くのが持ち味のようで、その感覚は心地よいのですが、四方山な短編集とい
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ディメンシャ13(1963年製作の映画)

3.5

【いもうと萌え過ぎ城】

U-NEXTにて。コーマン門下時の、ソフィアとーちゃん初期作を初見。『ヤングレーサー』アイルランドロケに(ポンコツ)録音技師として参加したコッポラ。撮了後そのまま残って、残っ
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トラック29(1987年製作の映画)

3.0

【赤ちゃんプレイヤーズ】

U-NEXTにて。『マリリンとアインシュタイン』からのニコロー繋がりで。これは劇場公開時にみて、茫洋とした思い出が…。

自分の中に潜む“子ども”を飼い馴らせない大人たちが
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.0

【暗闇にいれば安全だ】

U-NEXTにて。スラッシャーを見慣れスレてた若い頃…の初見では、本作の凄みがわからなかった。凶器しょぼ、とか思ったり。でもその凶器は改めて見直すと…100均で売っててもおか
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マリリンとアインシュタイン(1985年製作の映画)

3.5

【Boop Boop Bee Bomb!】

ずっと見たかったが、最近、劇場公開された時に行けず…が、U-NEXTで見つけた。

う〜ん…楽しかったが、腹八分目。肝心なところで目を逸らした映画に思えた
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マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

3.0

【ファーストクラスの走馬灯】

U-NEXTで出てきたので。

そういえば、初期サイレント映画時代のルノワールはまるで見ていなかったので、よい機会でした。

美術の面から見れば、当時としてはエンタメ大
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ジェーンズ -中絶の権利-(2022年製作の映画)

3.5

【私はそれを裁かない】

U-NEXTにて。『コール・ジェーン』の後に存在を知り、見てみたHBO製ドキュメンタリー。

2022年、本作の完成後に、アメリカでは再度、人工妊娠中絶権が違憲とされてしまっ
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.0

【主婦ジョイがしたこと】

『キャロル』の女性脚本家による監督作品なので、何かありそうとの期待から劇場に行くと…ありました。置き方が正しいかは別として、マイルストーンとなるべきものを置いたことに、意義
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祖国に翼を(2024年製作の映画)

3.5

【声の翼】

アマオリ・ヒンディー新作。インド独立の闘士、ウシャ・メータの伝記“風”映画。引き込まれ、とても共感できる物語ですが…もっさりする展開・演出でだいぶ、損していますね。

しかし、ウシャさん
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Dawn(2020年製作の映画)

3.0

【眺めるだけで彷徨えない】

U-NEXTにて。2020年作、12分の短編アニメ。

作者・辻敬太さんの近況は知りませんが、本作は、武蔵美の学生時代に作ったものなのですね。

家を飛び出した男の子が夜
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クラッシュ(1996年製作の映画)

3.5

【超人となれぬ変人は廃人となる】

U-NEXTにて。キチンと見るのは三回目かな?前回が一番、発見があって楽しかったような。

映画の包みとしては俳優の艶が香り、惹かれてある程度そこから入れる。しかし
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ザ・ビートルズ&インディア/ビートルズとインド(2021年製作の映画)

3.0

【Ticket To Lie】

U-NEXTにて。無味なタイトル通り、ビートルズとインドに関し、基礎知識を得るにはお手頃でした。

彼らがインドに行きマハリシ・サギいやヨギに弟子入りしたが幻滅…早期
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

【アラキスのロレンス】

さほど興味なかったものの、ある評を読んだら現代風アレンジが面白そうに思えたので、割引が効く日に行ってみた。前作はIMAXだったが、期待ほどの画ではなかったので、今回は通常版に
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知りすぎた少女(1963年製作の映画)

3.0

【ローマの厄日】

U-NEXTにて。20歳のアメリカ娘がローマの叔母を訪ねるが…事件に巻き込まれ、孤立もしてさあタイヘン!てお話。初見でヒロインが印象的だった記憶はあるが、物語はよく覚えていなかった
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蟹眼(2022年製作の映画)

2.5

【もしも昭和の学生が『傷物語』を作ったら】

U-NEXTにて。2022年作、12分の短編アニメ。

作者は実写の動きをトレースするロトスコープに拘っているらしい。ご本人のコメントに依ると“ロトスコー
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ビートルジュース(1988年製作の映画)

3.0

【ティム・バートンの霊界ダメだこりゃ】

U-NEXTにて。公開時はもっと面白かった記憶があるが、さすがにもう賞味期限キレかな。

『バットマン』へと離陸するティム・バートンの出世作だが、彼は特異なゴ
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王と鳥(1980年製作の映画)

4.5

【バカ殿は誰だ?】

U-NEXTにて。これも久しぶりに再見したが、こんなにスゴイ映画だったか!?と驚きました。

1953年公開の『やぶにらみの暴君』を基としているので、いま見れば技術的なトホホは当
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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

3.5

【出口のない食道】

グリーナウェイがいま回顧上映されているが、とりあえずU-NEXTでこれだけ出てきたので、回顧してみた。

記憶にあるものより…今回は退屈だった。だいたい思い出せた後は、1.8倍速
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ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)

3.0

【お姫さまだっこで、ぽい!】

Netflix新作。イヴリン・スカイのファンタジー小説を映画化したものらしい。古めかしい設定の窓を少し開け、現代の風が吹き込んでいるのが見所でした。話を概ね把握できたら
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プライベート・レッスン(1981年製作の映画)

3.0

【子供たらしのエマニエル】

アマプラ見放題にて。アメリカに渡ったエマニエル夫人が、15歳の少年に堂々と淫行するお話。

この時代だから表現できたもので、さすがに結合描写はないものの、その直前までは忖
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わたしのトーチカ(2021年製作の映画)

3.0

【かわいいけど息苦しい】

U-NEXTにて。2021年の、15分の短編アニメ。

作者の石舘波子さんは、スタジオコロリドでの『ペンギン・ハイウェイ』現場経験等を重ねた後、藝大の大学院に進み本作をつく
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Here(2023年製作の映画)

4.5

【どこでもHere】

これは、得難い体験でした。高得点をつけて熱く盛り上がる映画じゃないが、点数つけるとなると、やっぱりこれくらいになってしまう。

まず極々さりげなく、主人公のアイデンティティ・ク
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