すずやさんの映画レビュー・感想・評価

すずや

すずや

映画(28)
ドラマ(0)
アニメ(0)

風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

僕の内側で常に吹き荒れいている風を意識できるようになったのはこの映画のおかげだ。

吹き飛ぶほどの逆風に負けず、そよ風に乗って、そうやってきっとどこまでも行けると思う。

バッファロー’66(1998年製作の映画)

5.0

弱い男はこれまでに散々見てきた。特に僕なんかは極め付きなんだな。

弱い男が優しくないわけじゃないんだ。強い男だけが優しいわけでもない。皆んな優しさを持っていて、弱い男はその優しさを自分に向けることで
>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

何が刺さったかずっと考えてたんだけどたぶん、「美しさ」じゃないかな。

無機質に過ぎていったはずの日々が、ふと思い出した時に子供の頃必至に集めたガラクタみたいに美しく見えることがある。

陳腐な人生だ
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

恥ずかしながら、初ゴジラですよ。
独立した作品と雖も、今までの系譜を知りもせず語りすぎるのは烏滸がましい気がしてしまって、細々と

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.0

コンセプトが好き。SFの必要条件はリアリティじゃなくてユニークネスなんだって強く思う。 パクス・アメリカーナとパクス・ジャパーナが融合したような世界観で、Appleが生み出したデザインの潮流が微塵もな>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.0

前日譚として、漫画の映画化作品としてのクオリティでみれば2億点くらいあげていいんじゃないですか。

原作未読勢にも優しいし、原作との溶接が熟練工かよってくらい上手いしちょうどいい。
僕が商業作品のプロ
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

粛々と、しかし絶対的に存在し続けた闇を月桂が暴いた。ただそれだけ。
そんで多分、それはまた翳り始めて闇に沈む。

この土俵に上げられてもなお、善意とかいうのを振り回せる人間は嘘だよ。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

5.0

眠気と困惑を抱えながらも、僕の根源的な部分にある面白センサーはビンビンに反応しまくってて、なんか結局この映画のこと大好きになってたよ。

なにに裏打ちされた「面白さ」なのかほんとによくわかんないんだけ
>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

【再】
人を人たらしめるのは愛だと僕は思う。
愛って概念を決定づけられるのは人間だけだと思うから。

仮に他の生き物がそれを感じて、それを決定づけることをしたなら、その生き物は人と呼ぶに値する。

>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

日本人のノスタルジアを的確に刺激する色彩はこの作品を象徴する要素の一つだと思う。

間抜けで無責任な純度100パーセントのロマンチシズムは今の俺にとっては眩しすぎたけど、ああ、こんな頃もあったなあって
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

戦争と喜劇の黄金比。
戦争の凄惨さを無下にした今話題の下劣なミームとは訳が違う。

戦争映画で笑っていいのかって?いいんだよ。
俺たちはみんな自由を享受し、幸福を感じるために生まれてきたんだから。
>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

5.0

あらゆる土地や空間には、実寸大の人の営みがかつて必ずあったはずで、その残り香に触れた時、なにがなんだか高揚する。
多分それは、過去と今が地続きであることを実感できるから。
自分を形作る遺伝子がどこから
>>続きを読む

アンハサウェイ/裸の天使(2005年製作の映画)

1.0

監督さんへ

こんにちは。
あなたが製作した“HAVOC”って映画見ました。
まあ、なんかさ。

難しいよな、作品をつくるって。
表現するって、受け手には分かり得ない苦しさがあるよな。

こんなんで評
>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.0

耳を劈くような銃声。
弾け飛ぶ血飛沫。
イケてる男たちの脈動に滑り込む70年代ロック。

「ほれほれ、こういうのが好きなんだろ」って、タランティーノ、あの野郎、ニヤニヤしてるよ。わかってるじゃんよ。
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

漫画家を目指して数年が経った。
その線上で間違いを犯し続けて、憂いだけが山のように積み上がり、それらは心の中で翳っている。
絶望と共在する日々を、俺はどう生きればいいのか。答えは結局わからないまま。
>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.5

抽象絵画をみて、自分の中の何かが高鳴ることってあるじゃん。
ゴリッゴリの純文学を読んで、訳のわからないまま読後感に沈んでいくことってあるじゃん。

そういう類いの映画。

頭をどれだ
>>続きを読む