アメリカ合衆国憲法のお勉強。
銭形警部よろしく、普段から誰かを追い掛けていなければ気が済まないトミー・リー・ジョーンズの本領発揮。
テレ東が午後ローあたりで放映してそうな映画。
“どんでん返しモノ”と呼ばれる映画を好んで観ている人ほど先の展開が読めてしまうという、なんとも寂しい法廷劇。
中盤以降は「エドワード・ノートンよ、頼むからボロを出してくれるな」と祈るような心持ちで鑑>>続きを読む
流石はスチルカメラマン出身の斎藤耕一。どのカットも圧巻の出来で、まるでフランス映画を観ているかのよう。
生き甲斐を求めて故郷に帰還した女と、行方知れずの一人息子を故郷で待ち続ける老人。
出自の呪縛に>>続きを読む
街の中心部に“物凄くホラーなスピード”で住民が集まってくるシーンの異様さに戦慄。
ドン・シーゲルがメガホンを取っているだけあって、画の構図もいちいち決まっている。
CG全盛の今では、あの“サヤ”が登場>>続きを読む
リメイク版は大味なだけのメインディッシュ、こちらは素朴で味わい深い小鉢。それほど料理人の腕が立つわけではないし、高級食材も入っていないけれど、なんとなく好感が持てる一品に仕上がっている。
ただ、主要>>続きを読む
海岸へ流れ着いた男に食を与え、傷の手当てをし、愛を注いだタイトルロールの蜘蛛女は何者なのか。
それは涙の意味を考えれば分かる。
無償の愛は与えたからといって必ず返ってくるとは限らない、と知っている>>続きを読む
森の中を駆け、野原へ落下し、一斉に蝶が舞う。アニメーション特有のテクニックが凝縮された冒頭の描写は流石の一言。
銃声と同時のメインタイトルには思わず唸ってしまった。
特筆すべきは、子ぎつねが巣の中で母>>続きを読む
市川崑の描く“おとうと”は愛せても、山田洋次の描く“おとうと”は愛せなかった。これが正直な感想。
残念ながら、こんな可愛げのない弟に感情移入できるほど器の大きい人間ではないのですよ。私は。
岸惠子>>続きを読む
比類なき傑作。
川島雄三作品に特有の“冷めた視線”はこの映画でも健在。寄り添うでもなく、突き放すでもなく、人々の悲喜交々を天井裏から覗いているかのような、この独特の感覚が楽しい。
小えん(若尾文子>>続きを読む
カンバーバッチの芝居に尽きる。お見事でした。
一方で、ナイトレイに関しては「そんなに良かったかなあ?」というのが正直なところ。人一倍稼いでいるんだから、あれくらい演じてもらわないと困ります(貧乏人の>>続きを読む
(良くも悪くも)予定調和に次ぐ予定調和。
中盤で「ああ、あの次男坊に渡したナイフが最後の最後でアレするのね」と察して以降、ほぼ想定通りに事は運んでいった。
クライマックスの舞台がハロウィンのパーテ>>続きを読む
アーサー・ペンって、こんな映画も撮ってたんだね。
ピアノだとか、一人三役だとか、色々なギミックはあるけれど、基本的には SO-SO ムービー。
真冬に炬燵でぬくぬくしながら、難しいことを考えずにボ>>続きを読む
鈴木清順について「このジイさんが撮る映画、小難しくてよく分かんねえんだよなあ」と感じている人たちにも観てもらいたい一本。清順翁のフィルモグラフィーの中でも特に痛快な青春讃歌。
自由奔放で小気味良い映>>続きを読む
エドワード・ノートンが最高にクズな人間のまま退場してしまった……。
マット・デイモン演ずるマイクの「アンタには大勝負に出る勇気が無い」という指摘に対し、努めて冷静に「私には夢を捨てる勇気があるんだ」>>続きを読む
ほんとうは素直にラブソングを歌える(歌いたい)くせに、どうしても人前に出るとコミックソング調の歌い方をしてしまうミュージシャン。竹中直人は、そんな人だと思う。
誤字を指摘し合う筆談。
男女が並んで用>>続きを読む
“日本初の総天然色映画”という謳い文句ばかりが独り歩きしていて、内容についてはあまり熱心に語られていないような気がする作品。
まあ、かくいう自分も特に語ることが無いんですが……。
なんか、観ている>>続きを読む
数年前、某映画祭で鑑賞(佐藤純彌監督のトーク・イベント付き!)。
健さんのファンには申し訳ないけど、この映画の高倉健はあまり格好良くないと思う。沖田も、古賀も、大城も、みんな魅力的なキャラクター>>続きを読む
初見時「千葉ちゃん、最後のほうはワンマンショーになっちゃってるよ!」
再見時「久しぶりに観たけど、やっぱりコレ、後半は千葉ちゃんの独壇場になってるよ!」
三度目「千葉ちゃん、アンタ、チャンバラがや>>続きを読む
とある番組での水道橋博士の発言を引用させてもらう。
「この映画は『愛とは、勃起である』と高らかに言い切った傑作」
もう、これで充分。共演していた園子温も本当に嬉しそうに笑っていた。
映画にハマり、溝口や小津、成瀬、黒澤など、日本映画の代表的な巨匠たちの作品を重点的にチェックし始めていた学生時代。
とある飲み屋の店主が「山中貞雄って知ってる?」と言ってくれたおかげで観たのが、厭世観>>続きを読む
舞台版はどの公演も未見。ルメットの『十二人の怒れる男』との比較は散々されてきたと思うので割愛。
相変わらずの小ネタの多さに辟易しつつも、どこか安心感を覚えるストーリーテリングに「紛れもなく三谷印の作>>続きを読む
ある“フツウ”の男の1日を、類稀なる美的感覚のフィルターを通して、これ以上にないほど濃く抽出したドラマ。
言うまでもないが、これは喜劇ですよ。
「面白かった」だとか「つまらなかった」だとか、曖昧でバカみたいな表現は映画の感想を述べる際に使わないよう心掛けているが、この作品に関してはこう言わせてほしい。
「面白い(興味深い)けれど、つまらない>>続きを読む
フィリップ・K・ディック大先生(と、そのファン)は納得しないだろうけど、そもそもアクション畑のジョン・ウーが監督だし、マヌケ面でお馴染みのベン・アフレックが主演だし……まあ、仕方ないよね、ってことで。>>続きを読む
仕事選ぼうよ、イーサン。
8mmフィルムの禍々しい映像や定番の“音”による恐怖演出は決して悪くなかったと思う。それなのに……。
PC画面上の“アレ”が動き出すカットで興醒め。緊張感が台無し。終盤の>>続きを読む
「自分こそが高みに到達している」と思い込んでいる老兵と「きっと自分は大物になれる」と思い込んでしまった若者の物語。
最終盤の強烈な“死闘”を肯定的に受け取るか否かで評価は変わってくると思う。
夢を>>続きを読む
一緒に観た友人が「フィリップ・シーモア・ホフマンってアレだよね、なんか、西田敏行を冷たくした感じだよね」と一言。
全然ちげーよバカが。
描かれているのは水面下での諜報戦。皆が皆、裏切りと非情を>>続きを読む
トニー・スコットくん、白状してくれ。
土砂降りのスタジアムと、バックスクリーンに映し出されるデ・ニーロの顔。キミはあの画を撮りたかっただけだろう?
先生怒らないから、正直に言いなさい。
だいたい>>続きを読む
天下のクロサワ映画にレビューもクソも無いんだけど、ひとことだけ……。
時代が時代だけに仕方ない気もするが、それにしても“音”が悪すぎる。録音状態を鑑みても、ちょっとコレはしんどい。
母語の台詞を字>>続きを読む
ある映像作家の言葉を思い出した。
「人にカメラやマイクを向けるってのは、ナイフを向けてるのと一緒。劇映画だろうがドキュメンタリーだろうが、おんなじことさ。我々は誰かに刃物を突き付けているようなもんな>>続きを読む
「おお、マコ岩松!」と驚いたところが個人的なピーク。
こんな優しいタッチの三池作品が増えてもいいかもね。
それにしても三池さん、アナタ、どうしてもチャチなCGを使わないと気が済まないんですか……。
パキさん、流石だよ!
こんなお話でも、ちゃんと最後まで観られたよ!
片岡義男の退屈な原作(片岡ファンの皆さま、スミマセン)より、映画のほうがずっと良いよ!
「で?」というのが鑑賞直後の正直な感想。
キャバクラやホストクラブ、美少女が登場するアニメーションに、イケメン男子と恋に落ちるスマホゲーム、果てはデート相手として生身の人間をレンタルするサービスまで>>続きを読む
この映画、大大大好きで何度も観ているんだけど、どうも世間では評価が芳しくないんだよなあ。
「間延びしたサスペンス」だとか「リアリティーの欠けたケイパームービー」だとか「オーシャンズ・シリーズに比べる>>続きを読む
相米慎二の傑作『お引越し』を彷彿させる序盤の展開。オナタ・アプリールの印象的な瞳と、確かな演技力。やわらかなライティングの妙が光る映像美。
いつの間にか“完全な悪者”の立場に追いやられてしまう父親と>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ドリス・デイの歌声が“サスペンス映画の神様”の演出を遥かに凌駕する、あの瞬間。
頬に涙の筋を残しながら「ママの声だ。ママが歌ってる」と叫ぶクリストファー・オルセン。
情に絆され、思わず口笛を吹くよう>>続きを読む