牛丼狂さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

2.5

※移行し忘れていたもので、随分と前に書いたレビューです。

破より14年後を描く。新しい設定が多く、とくに始めの長ったらしい戦闘シーンでは頭が?であった。
もう少し短い方が良かった。
また、様々な固有
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オーソン・ウェルズの フェイク(1975年製作の映画)

4.0

この作品を前にしてあらゆる言葉でまとめようとも「当たり前じゃん」と言われそうなので、本当やら嘘やらの話は割愛する。
ただひとつ、ウェルズ自身の終盤の、ほんとうは「本当のもの」だけを信じたい、みたいな主
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

1.5

ぜんぜん合わなかった。登場人物たちを愛おしく感じられればいいんだろうけど、それ以前にストーリーがむちゃくちゃ。
絶対的な「正解」と位置づけていたはずの主人公が他人の仕事部屋を掃除しだしたところで完全に
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白い馬(1952年製作の映画)

2.5

白い馬がちゃんと演技しているように見えるのがすばらしい。少年を引きずりながら走るも、ふと立ち止まり後ろをふりかえる。そのまなざしに感動を覚える。
『赤い風船』もそうだけど監督はもといた世界から離れたい
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赤い風船(1956年製作の映画)

4.0

短編映画ならではの一作。風船が自我をもつというワンアイデアに尽きる。風船と少年の仲を阻害しようとするものには止めてくれとおもわず感情が揺すぶられる。ふたりの愛おしいキャラ設定がすばらしい。
町人の温か
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道頓堀よ、泣かせてくれ!DOCUMENTARY of NMB48(2015年製作の映画)

1.0

矢倉さんに白間さんに対してのライバル意識を尋ねると、比べられることじたいが嫌だと言われる。そして「怒ってるわけじゃないですよ」と気を遣われる始末。「ドキュメンタリー映画」を撮る覚悟があるのならこんなこ>>続きを読む

沈黙(1962年製作の映画)

2.5

ベルイマンを鑑賞するこは2作目。この種の映画は見慣れていないので十分に味わえなかったし、わかった気になるつもりもない。ストーリー自体はシンプルだし流れを理解するのは容易。
はっとされられるショットや音
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

4.5

劇中の監督がカメラを回し続ける動機にリアリティがある。冷静になりたいときほどなんでも記録したい。なぜなら「ファインダーに映るのは現実じゃない」から。はっとさせられた。まとをいた答えである。
そしてカメ
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消えたシモン・ヴェルネール(2010年製作の映画)

2.0

登場人物のそれぞれの視点で同じ時間軸を繰り返すという手法は、桐島〜、エレファントにつうじるが、なんといっても『明日、君がいない』とはオチまでもが同じ。
生徒たちはうだうだと憶測を立てるが、結局はまった
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ルート1 USA(1989年製作の映画)

2.5

森達也の著書から当作品を知る。偶然にもロバート・クレイマー特集を見つけてやっとこさ鑑賞。
この作品を語るうえでフィクション/ドキュメンタリーという言葉は対立しない。そもそもそれぞれの定義が曖昧なうちは
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クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち(2011年製作の映画)

1.5

ワイズマンの作品は初鑑賞。カメラの存在を作品にいっさい介入させないように徹底している。ナレーションやインタビュー、テロップがないのは当然である。
というか「ある」という常識とつくってしまったテレビドキ
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いのちの食べかた(2005年製作の映画)

4.0

インタビューやナレーション、テロップなどいっさいの言葉は使われない。屠殺場や農場、塩鉱山の日常を固定カメラを中心に切り取る。
言葉がないことに加え、アップショットが少ないことからも、監督じしんがこの作
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バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜(2003年製作の映画)

1.5

どんちゃんばかアクション映画。脚本は前作にもまして破綻している。たとえば前半しばらくは中学生を自制隊と勘違いして反政府軍が銃撃するが、あれだけ騒いでいて気づかないなんて目が節穴としか思えない。
そもそ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

4.0

4年半ぶりに再鑑賞してみた。
やはり特筆すべきは灯台シーンだろう。偽りの信頼が一気に崩壊する。ここには絶望しかない。また、「この意味、わかるかな」が心に刺さる。
ほか、一度も話したことない女子に撃たれ
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シュガーマン 奇跡に愛された男(2012年製作の映画)

3.0

アメリカではまったく売れなかったミュージシャンのロドリゲスが、じつは南アフリカでは反アパルトヘイトの象徴として爆発的な人気があった。
というのを、関係者各位のインタビューや資料、アニメーションやインサ
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シン・シティ(2005年製作の映画)

3.0

極上のエンタメ作品。シンシティ(罪の町)というひとつの白黒世界での、オムニバス形式の映画。登場人物それぞれのキャラ設定がわかりやすくて、内容にはんして一般ウケする作品なのではないかと思う。
特定の色を
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白 THE WHITE(1999年製作の映画)

5.0

自転車三部作の3作目。
ひとりでの旅ということで自分語りでも始めるのかと思ってた。でも口をひらけばおちゃらけな女の妄想ばかり。前作、前前作とはことなりただひたすらに言葉どおりの「孤独」なさまが胸を痛め
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流れ者図鑑(1998年製作の映画)

5.0

自転車三部作の2作目。ディスク化されているAV版『わくわく不倫旅行2』を鑑賞。
前作とはことなり、目的地が決まっていない。旅をする必然性がない。だからより2人の、なんか撮りたい、という欲求だけがひとり
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由美香(1997年製作の映画)

5.0

自転車3部作の1作品目。
平野と由美香の関係性が面白い。たとえば旅のストレスで喧嘩が始まったりするが、どんなときでも互いにカメラは回し続けている。その点の信頼関係がすでにある。しかし平野は余裕がなかっ
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人生タクシー(2015年製作の映画)

2.0

新宿武蔵野館で鑑賞。イラン映画。
20年間映画を撮ることを禁止された(リアル)監督自身が、タクシードライバーとなって(おそらくフィクション)お客さんと言葉を交わす。
演者の、フロントガラス手前のカメラ
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

2.0

1993年公開。クリント・イーストウッドが監督。
脱獄犯のケヴィン・コスナーと人質として拐われた少年のストックホルム症候群を描く。
主人公の徹底した生き様には爽快感がある。脱獄犯は社会的に「悪」である
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

2014.7.1

レオス・カラックスによる13年振りに制作されたフランス映画。
他の作品(といってもアレックス三部作しか鑑賞していないが)とは異なる構成の映画であり、総決算という意気込みが感じられる
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

5.0

一発のミサイルが政府と警察、自衛隊に亀裂を生む。都心から離れた埋立地から全容を眺めていた柘植が見た戦争は、国民の目には戦争には映らなかった。正義の戦争と、偽りの平和。どちらが正しいのか。しかしその差異>>続きを読む

トーキョードリフター(2011年製作の映画)

2.0

2011年公開。松江哲明が監督。
震災後の夜の東京を『ライブテープ』の前野さんが歌い回る。これを撮影する意味は共感できるが、完成した作品を評価するとなると難しい。暗くてノイズが酷く、ピンぼけや、カメラ
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セキ☆ララ(2006年製作の映画)

3.0

2006年公開。松江哲明が監督。AV「identity」の絡みシーンを削って再編集した在日ドキュメンタリー映画。
第一部では、監督と同じく在日韓国人の女優と、彼女の故郷である京都と尾道を旅する。懐かし
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[Focus](1996年製作の映画)

4.5

全編がカメラマンのカメラで撮影された画で構成されるという『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『ありふれた事件』タイプのフェイク・ドキュメンタリー映画。
浅野忠信演じるマニアと、ディレクター、その他二人の
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リアリズムの宿(2003年製作の映画)

3.0

2004年公開。山下敦弘が監督。
男三人で旅行に行くはずが、幹事が来ない。仕方なく顔見知り程度の二人で旅に出る。気まずい距離感で絶妙な間がある。途中、海辺を裸で駆けてくる女が加わり、二人の人物像はより
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ライブテープ(2009年製作の映画)

2.0

2009年公開。松江哲明が監督した74分ワンカットドキュメンタリー。
ギターの弾き語りをしながら吉祥寺を歩き回る。途中、サングラスを子どもにあげたり、自動販売機で缶コーヒーを買って飲み干したり(捨て忘
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東京無国籍少女(2015年製作の映画)

3.0

2015年公開。押井守が監督。
最初の方こそ普通の学園モノに思われたが、徐々に怪しくなってきて、後半は押井守らしさ全開だった。ただ後半にいくまでが退屈だった。内容については十分に理解できなかった。長回
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

2.0

2017年公開。字幕版で鑑賞。
義体が出来上がるシーン、屋上からのダイブ、寝そべりながら自分の手を見つめるシーン、トラック運転手や水辺の格闘など、数え切れないほど過去作を参考にして作られている。構図や
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Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)

3.0

2001年公開。押井守が監督。
レビューは二度目以降の鑑賞時にします。

極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)

1.5

1974年公開。原一男が監督。ドキュメンタリー映画。
沖縄に住み始めた元妻と会う口実が欲しくて元妻主体に撮り始めた映画。出産シーンをまるごと映し出したことで知られる。
出産シーンは、単に私が見慣れてな
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.0

1966年公開。イングマール・ベルイマンが監督。当監督の作品は初鑑賞。
言語障害を起こした女優と、その看護を担当する看護師を描く。沈黙するしかない女優とお喋りな看護師の距離は縮まっていく。
冒頭からフ
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.0

1988年公開。リュック・ベッソンが監督。168分版。
フランス人ダイバー、イタリア人ダイバー、ニューヨークの保険調査員の3名が主要人物。海にしか興味がないダイバーたちの海への愛を、女性への愛と比べる
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

1.5

2017年公開。女優を志す女性と、ジャズの店を持つことを夢見る男性のラブストーリー。
互いに夢がうまくいかないときに出逢い、惹かれ合う。男性はジャズを広めるためにあまり好きではない演奏をするようになる
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