地球に落ちて来たタカアキさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

地球に落ちて来たタカアキ

地球に落ちて来たタカアキ

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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.9

世界的ヒットを狙いにいった結果、大スベりした残念な前作からの復帰作。
ドランの素晴らしい感性が戻ってきた。ストーリーに目新しさはないものの、繊細な心理描写を美しい映像と音楽で織りなす、ドランの真骨頂!
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.1

他人が求める役を演じることで作り上げられた外向きの顔。その内的世界に閉じこもる女優。
一方で、女優を崇拝し語りかけ続ける看護婦。いつしか同調し、女優の内面を語り始め、人格が重なり合っていく。
互いに侵
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

全然報われない復讐劇。
幸せな人生を取り戻しかけてからの展開が悲しすぎる。
70分くらいのところで終わってほしかった。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.3

コーヒーとタバコとどうでもいい会話。ちょっとクセのある、ユルい感じの90分。
おなじみのジャームッシュファミリーに加えて、ウータン・クラン、ホワイト・ストライプス、ビル・マーレイやケイト様など豪華なキ
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.6

世界に絶望した4人がそれぞれに想いを抱え、満州里に居るといわれる不思議なゾウを目指す一日を描く。
カメラワークと構図がとにかく素晴らしい。同じ街で交錯する登場人物たちをワンシークエンスのなかで淡々とし
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イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

3.7

先日「シルバー・グローブ/銀の惑星」でハメられたばかりなのに、またしてキューブリックやスタニスワフ・レムの名前で釣られて、ついつい視聴。
旧共産圏にありがちな、あそびゼロの作品ですが、映像や設定がとて
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光りの墓(2015年製作の映画)

4.2

「ブンミおじさん」で衝撃を受け、大ファンになった天才アピチャッポン・ウィーラセタクンの作品。
廃校あとの病院で起こる謎の眠り病。あの世とこの世の狭間で起こる神秘の出来事…こういうの大好き!!
前作同様
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別離(2011年製作の映画)

3.7

それぞれが、家族への深い愛情を持ちながら、生活と誇りと信仰心との間で葛藤し、心が離れていく。一度絡まった糸は簡単にはもとには戻らない。

意外とあっさり重い刑が決まるイランの独特な裁判。マジで怖い。絶
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.1

9年経ってもジュリーが超カワイイ!!
現実的な女に対して、男の方がロマンチスト!当然イーサン・ホークに感情移入。デートしてる気分でドキドキしながら観てました。
運命的な再開に心は完全に若い日の自分に戻
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.8

善とは?信仰とは?罪人であり聖職者という両面を持つダニエルを中心に、人間の弱さと善良さを描いた作品。
序盤はホッコリ、終盤ハラハラ、ラストは衝撃という退屈しない展開で、あっという間120分。面白かった
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(1954年製作の映画)

3.7

愛されず、生きる意味が見出だせない。それでも一緒にいたかった。
失ってその大切さに気づく。器用には生きれない旅芸人のとても悲しいドラマ。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

とても楽しみにしていた映画。やっと観れて、内容も素晴らしい作品でした。
原作は未読ですが、設定や表現は春樹的な要素で満ちています。しかし春樹の文章にあるようなユニークさはなく、ひたすら陰気な3時間。
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

2.6

観終わって、「終わりにしたい」ものがうっすらわかる映画。
考察やネタバレを読まないと理解出来ない映画はいかがなものか?
原作小説がありきではなく、映画はそれ単独で完結していないと作品として優れていると
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2046(2004年製作の映画)

4.0

めっちゃ面白い!超好みの映画。
過去、現在、そしてSF小説の世界が交互に展開しながら、過去に囚われて何処にも進めない主人公を描き出します。
とても巧みな構成と素晴らしいカメラワーク。そしてエロ多め!
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バスターのバラード(2018年製作の映画)

3.7

コーエン兄弟らしいブラックユーモアが散りばめられた、ウェスタンオムニバス。
一筋縄ではいかないウェスタンらしい、どんでん返し的な展開も面白い。
しかし完全に独立したオムニバスよりは、横断的な繋がりやテ
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アメリ(2001年製作の映画)

4.4

20数年ぶりの鑑賞。こんなに素晴らしい作品だったとは…

物語の起点になるオモチャ箱のような、空想的で色彩豊かな観ていて幸せになる作品。ストーリーや演出も凝っていてとても面白い。
パリの街と音楽が描く
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モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

4.0

重くなりがちな女性蔑視、人種差別に対するプロテストを青春映画的なテイストでポップに表現。キュートでエモい、素敵な映画です。友達役のローレン・サイがカワイイ。

テキサス州の中絶禁止法を機に、権利を守る
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

3.8

聖人のような無垢な青年が起こす奇跡。
イタリアらしい聖書的な要素が盛り込まれたファンタジー。
派手さはありませんが、展開もしっかりしていて飽きさせない作品です。

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.1

ウェスタン映画と思いきや、まさかのサスペンス映画。
暴力描写はほとんどなく、微妙な心理変化と静かに育っていく狂気を巧みに表現しています。そして音響が緊迫感をいっそう助長します。
散りばめられた伏線が医
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.8

とにかく柳楽優弥の役づくりが素晴らしい。これだけイメージが固まっている人を、特徴を捉えなが自然に演じてるのがスゴイ。
ストーリーも泣ける。
特殊メイクのリアルたけしが気持ち悪かった。

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.3

予備知識ゼロで鑑賞しましたが、最高のエンターテイメントでした。
夢、友情、そして歌。人を感動させる仕事って素敵だと思わせてくれる映画です。

The Hand of God(2021年製作の映画)

3.9

喪失感や閉塞感から未来へと一歩踏み出す、旅立ち系自伝青春映画。
紺碧のナポリの海と空が、郷愁と汚れのない青年の清純な心を写し出します。
目新しさはないものの、イタリアらしい家族への愛情と信仰心に満ちた
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.6

地球滅亡風刺コメディ。
特に感想はありませんが、とにかくキャストが無駄に豪華。
このご時世にドブに捨てるような金があるなら…それも込みの風刺なのかな?

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.2

男色系サイケ・ロード・ムービー。
90年代の作品であり、ドラッグの要素がないのにも関わらず、白昼夢のような断片的でパラノイアックな映像に、テルミンのような音楽がサイケデリックな雰囲気を醸します。インデ
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.3

王道の巣立ち系青春映画。
ちょいちょいダサい演出が気になってしまうのですが、スプリングスティーンが苦手な僕でもまぁまぁ楽しめました。

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.9

全てのジャームッシュ作品に繋がる装飾のない核の部分が垣間見れます。
閉塞感からの逃避。若き感受性が爆発しており、セリフも音楽も最高にカッコいい。
しかし、ニューヨークなのに荒廃しすぎじゃない?

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.2

これは凄い!大傑作『12モンキーズ』の原作的映画。
1962年、既にディストピア小説は多く出版されていましたが、この時代の映画としてはかなり実験的!
断片的な静止画と最小限まで削ぎ落とされた音。淡々と
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それから(2017年製作の映画)

2.4

積読本の消化に明け暮れ、久しぶりの映画鑑賞でしたが、これは酷い。
あまり効果的とは思えない、モノクロ&固定カメラ。タイトルも雑。
社長=クズ、愛人=ブス、キム・ミニ=かわいい。
キム・ミニをカラーで観
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プリンス/パープル・レイン(1984年製作の映画)

3.6

80年代を2枚のアルバムで乗り切ったマイケルに対し、多作で有名な殿下。フェイバリットは人それぞれ異なると思いますが、プリンスといったらまずコレ!!
突出した曲のクオリティとアルバムの完成度!!プリンス
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.3

ブラック・パワー・ムーブメント!
差別、貧困、暴力に対する革命の狼煙。
爆発するほどの会場のエネルギー!大気が怒りと痛みと誇りで満ちている。
そして、凄まじいライブパフォーマンスに圧倒されます!
その
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.3

ラテン系移民の居住区で、貧困や制度的差別の閉塞感の中でも消えることない故郷への誇りと夢。体中を駆け巡るラテンの血が至上の音楽とダンスを紡ぎ出す。
何度も胸が熱くなり、涙が溢れ、血が熱くなるのを感じまし
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.3

韓国でやたら人気のある村上春樹。
春樹の長編は全て読んでいるのですが、短編嫌いなため、原作は未読。
本編は春樹的なメタファーが散りばめられた、春樹愛を感じる作品。ミステリアスで曖昧なストーリーとエンデ
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