tackyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.5

やられた。
一夜の出来事を、複数人の視点から描いた脚本に脱帽である。内田監督の尊敬する脚本家がニール・サイモンとは、納得である。

一つの現象が同時に色んな意味を持ち、その場に居ないはずの複数人が、そ
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.3

織田信長の歴史物語というよりも、夫婦愛のお話と言ったところか。

濃姫は、そもそもその生涯が謎に包まれていて、斎藤道三の娘で、政略結婚で織田信長に嫁いだ正室という以外、名前も没年も定かでは無いので、時
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ハッピーフライト(2008年製作の映画)

3.0

CAがカバン持って集団で練り歩く姿が、「白い巨塔」に見えるのは、私だけ?

飛ぶ鳥落とす勢いだった当時の矢口監督のコメディは、とても安定感のある演出であるし、フジテレビの亀山氏のプロデュース、旬の俳優
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決戦は日曜日(2022年製作の映画)

3.0

階段の上からの謝罪と言う名の脅迫。

「今の政治がそういうシステムでやってるんですから、受け入れない方がダメなんじゃ無いですか?」確かにそうかもしれない。
日本の地方政治の根幹を観せていて、しかもラス
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最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)

4.0

ロブ・ライナーの「最高の人生の」シリーズだが、前回観た「最高の人生のつくり方」の時も思ったが、今回も「はじめ方」が定まるまでは、中弛みがあったように思う。だから、手放しで素晴らしいとはならない。

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夢みるように眠りたい(1986年製作の映画)

3.5

林海象のデビュー作であり、佐野史郎のデビュー作でもある。

完全なサイレントにせず、白黒画面に効果音と音楽をのせ、サスペンスを観せる大正ロマン映画。
まるで、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを彷彿とさせ
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地獄へつゞく部屋(1959年製作の映画)

3.8

かねてより、中々観る機会が無かったウィリアム・キャッスルが、やっと観れた。
ギミックの帝王、ホラー・サスペンスの旗手である彼の代表作でもある。

この人の作品は、真面目に批評するのではなく、あくまでB
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.0

出版業界の内幕を扱っているけど、

どこの部門が歴史的にどうでとか、芸術家を育てる為にどうとか、そういった老舗出版社の内幕なんて、読者からしたらどうでもいい事で、

大泉洋の主張するとおり「面白ければ
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

今更ながら、今敏は急逝すぎた。

あまりにも溢れる才能と、独特の不安定を伴う夢の映像作品に、強烈に惹かれた。

私の初体験は「妄想代理人」だったが、もうTVアニメの枠を超えた演出、不気味な物語、キャラ
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マスク(1994年製作の映画)

4.0

ジム・キャリーの出世作であり、同時にキャメロン・ディアスの出世作でもある。

当時の最新CGを駆使して、単純明快なコメディながら、ジム・キャリーのお騒がせ芸も加味して、リズム感満載の凄い作品に仕上がっ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

噂には聞いていたが、やっと観る事ができた。
岸井ゆきのの演技観たさだったが、三浦友和が素晴らしい。年齢を経て、いつもの感情を抑えた演技にも、磨きがかかってきたようだ。

何も起こらない。淡々と日々が流
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.3

「靴はただの靴だ。誰かがそれを履いた時、その意味が生まれる。」

ずっと観たくて、やっと念願叶った。あらすじは大体理解していたが、それ以上の感動だったと思う。

ワンショットの多用は、正直少し見苦しか
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フラガール(2006年製作の映画)

4.3

「石炭は掘れないが、踊りでいわきを救ってみせる。」

BS−TBSの「X年後の関係者たち」に2週に渡り「常磐ハワイヤンセンター」の成り立ちから歴史、現在に至るまでを特集していて、とても感銘を受けたのて
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ヘル・レイザー(1987年製作の映画)

4.3

究極の「痛み」は、最高の「快感」。

ラストの魔道士(セバノイド)登場のシーンが素晴らしい。ピンヘッドが人気者になるはずだ。
フランクは、身体と引き換えに、最高の快楽を手に入れたのだろう。

しかし、
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.5

ホラーだけで無く、映画史上稀に見る名作で、映画史を覆すほど強烈な作品である。

ただし初見の時は、早く観終えたいだけだった。それだけトラウマ級の作品で、グロ度は大した事ないのだが、「嫌な」思いが波状攻
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女地獄 森は濡れた(1973年製作の映画)

3.2

「一度チェックインしたら、二度と出られない。」

神代辰巳監督は名監督だとは思うが、非常に粘着質で、この作品のように嫌なシーンをコレでもかと観せられるのは、非常にシンドかった。

冒頭、逃げる伊佐山ひ
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バタアシ金魚(1990年製作の映画)

3.8

松岡錠司監督のデビュー作であり、かなり高評価だった記憶がある。

所々に挿入される、素晴らしい構図やカット、重要なシーンの長いワンショット、カットインやフレームアウトなど、画期的な演出であり、当時は感
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マーニー(1964年製作の映画)

3.5

ヒッチのニューロテック映画の三本目であるが、先の「白い恐怖」や「サイコ」が凄すぎたので印象が薄い。
それもそのはずで、私生活でティッピー・ヘドレンに夢中になっていた為、彼女ありきの作品なので、彼女の演
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おはん(1984年製作の映画)

4.8

この歳になって、まさか吉永小百合にエロスを感じるとは思わなかった。
ここ最近観た作品の中では、ダントツに興奮した。

市川崑の作品なので、直接描写は無い。
しかし、愛人に隠れて元夫婦(実際はまだ夫婦)
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雪夫人絵図(1950年製作の映画)

4.5

嫌よ嫌よも好きのうち。

溝口の作品の中でも、最下層の女性では無く、元華族の奥様の話なので、評価の別れる作品であるのが残念だ。

木暮美千代が美しい。本当に雪のように白い。
旦那は愛人を家に招いたり、
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裁判長!ここは懲役4年でどうすか(2010年製作の映画)

3.2

裁判の傍聴とは、「他人の人生を安全な場所から見て楽しむ事。」と、この作品は定義している。
全ては、それを許せるのか否か、で評価が分かれる作品だと思う。

意外と淡々と進むし、特に大きな盛り上がりも無く
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太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)

4.8

「愛の不毛」って何なんだ。

ただ男女が出会い、別れるだけの物語。
アントニオーニの作品に、劇的な筋書きなんて要らない。

婚約者と別れたモニカ・ヴィッティの空虚感は、証券仲買の仕事に頑張り、恋でも積
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童貞放浪記(2009年製作の映画)

2.0

山本浩司主演の初体験コメディだと思った。

いきなりの堀部圭亮のパワハラで、ドン引きした。しかし、受ける方もなんとかしろよ、と言いたくなる。
それだけ堀部圭亮も上手いが、ダメ男をやらせたら、やはり山本
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.8

いつもジョーダン・ピールの作品は、一筋縄ではいかぬ、考えさせられるモノだと思っていたが、単純なSFモンスター・パニック作品で、ちょっと意外だった。

フォロワーさんのご指摘どおり、主要3人組のキャラが
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元祖 電エース(2005年製作の映画)

2.8

「大怪獣モノ」以来の河崎実監督作品鑑賞。コレが後々たくさんシリーズ化される「電エース」の原点なのかと感慨深かった。

ビデオ・マガジンの1コーナーだったので、たかが3分程度の連続もので、自主先作映画に
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青い体験(1973年製作の映画)

3.5

まさに中坊妄想映画の原型であり、「ポーキーズ」や「パンツの穴」などにも影響を与えた作品。

ただ、他の作品と違うのは、主役の女優がラウラ・アントネッリであり、他の作品の女優には到底及ばない、身体全体か
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.8

映画が始まって、息つく暇も無く、MAXシーンの連続。
そこからアバンタイトルまでの30分近くは、とにかく鈴木亮平の、ハッキリとした無駄の無い台詞回しと、的確な行動に、圧倒されてばかりだった。

元々の
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.2

最初、何か北野武の作品を観るような、嫌な予感がしたのだが、そんな鬼畜暴力な展開は起こらなかった。

むしろ、主人公が無茶苦茶に破滅する方向に行けば面白かったのに。
でも、3人も犠牲になってるから、そこ
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キラー・ジーンズ(2020年製作の映画)

2.4

グロ度も大した事なく、短くサクッと観られる擬人化ホラーでお手頃なのだが‥

ペシミスティックな展開は必要だったのか?無関係な人々が逆恨みで殺される様が後味悪いし、後半肝心の復讐相手は出てこない。

B
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幸せは、ここにある(2021年製作の映画)

5.0

ビリー・クリスタルの作品は、とても心優しい。ハートフル・コメディなのに、何故か涙が出てしまう。
彼が年を重ねても、それは変わらない。

テーマを人生の終焉に向けて、認知症と闘いながら、歩んだ人生を振り
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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

3.0

前二作品を観てないので、なかなかついていけなかったのが、正直なところである。
キヤヌ・リーヴスの出世作だけに、二作品を観てからにしたらよかったと後悔した。

でも、この作品のキモである最後の曲がショボ
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ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年製作の映画)

4.5

この作品の凄い所は、単純に乱射事件=銃を規制するべき、と持っていかない所である。
それ故に、カナダの方が銃普及率が高いのに、銃乱射事件が少ない例をあげて、何故アメリカは多いかと問いかける。

チャップ
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ヘンゼル&グレーテル(2013年製作の映画)

3.5

私の大好物の「モンスター・ハンター」ものであるが、何か物語が浅く、観ていて感動するまでにはいかなかった。やはり演出力の無さかも知れない。

確かに15Rで、激しいヴァイオレンスてんこ盛りだけど、私にと
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センセイの鞄(2003年製作の映画)

3.8

キョンキョンの「センセイ!」って言葉が、耳から離れないぐらい強烈である。

初見の時は特に感動しなかったが、20年の時を隔てて、自分が「センセイ」の年齢に近づいて向かっている今日この頃、改めて感動した
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

3.5

自営業は大変である。

それが自分一代で始めたならまだ良いが、二代目ともなると、時代が違うのに初代と比較されるは、現状維持でも大変なのに、何かしら伸び代を期待される。

どう見ても生真面目で要領の悪そ
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特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.8

北欧ミステリー映画はとても「痛い」シーンか多いらしく、二の足を踏んでいたが、流石に四作も続編が作られた一作目だけはあった。

ミステリーとしては、オチは早々にわかるし、所々細かい点は疑問だらけなんだが
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