TaichiShiraishiさんの映画レビュー・感想・評価

TaichiShiraishi

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決戦は日曜日(2022年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

こんなに皮肉の利いた政治ブラックコメディは邦画ではめったにないのではないか。これをこのメジャーキャストでできたことはとても大きな意味があると思う。もっとヒットしてほしいが。

開始数分のあの政治家秘書
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.3

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よくも悪くも、今この時期のMCUの『スパイダーマン』作品でなければ撮れない作品なのは間違いない。ファンサービスという点では『アベンジャーズ/エンドゲーム』に匹敵するだろう。過不足なくスパイダーマン愛を>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.8

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佐藤二朗の正しい使い方がようやく見つかったかのような作品だった。片山監督がポン・ジュノ監督の助監を務めていたこともあるが、日本版ソン・ガンホのような存在感があったと思う。その他、予想のつかない展開の数>>続きを読む

真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.9

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日本の大学生版『ファイトクラブ』といった様相の映画。というかラストのあのスペクタクルも含め、明らかに意識しているのは間違いないだろう。おそらく原作も。

物質社会や資本主義を批判した『ファイトクラブ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.4

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とにかく「ザ・ウェス・アンダーソン」な内容が詰まった作品であり、表面的な部分だけでも圧倒的な情報量のつるべ打ちで、かつさまざまな実在の新聞記者や画家、活動家のモデルの情報も連想させるので、「自分はこれ>>続きを読む

ティル・デス(2021年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

極寒の土地でのサバイバルも、サイコパス夫の凶行も、死体の処理に困る話も、映画ではよくある題材だが、それを良いところ取りして混ぜ合わせるとこんなに面白い逸品ができるという好例。ジャンル映画を作る際の教材>>続きを読む

牛首村(2022年製作の映画)

4.1

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これまでの清水崇監督の「村」シリーズのなかでも、いちばんホラーとして切れ味が鋭い作品だった。これまでのホラーとミステリー要素を絡める物語も一番うまくいっているし、Kokiの被写体としてのホラージャンル>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.8

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なんというか、見たいものはしっかり見られるけど、それだけ……という面持ちの映画だった。出来はもちろん悪くないし、さすがフライシャー監督と感じる腕とサービス精神を感じる場面もしっかりあった。特にあの誰も>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

4.6

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実に軽妙でサラッとしていて洒脱なコメディだった。「こんなことあるわけない」と思ってしまう内容でも、実話と言われたらこちらも黙るしかない。そんな題材の特性を活かし、劇中のお上も観客もシレっと裏切って見せ>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

4.5

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これまで「肉体と精神の変容」をテーマにさまざまな映画を撮ってきたクローネンバーグの息子らしく、ブランドンは「他者を乗っ取って変容させようとするがうまくいかない」主人公の話を描いた。その人体破壊描写は、>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

OPの「アヴェ・マリア」が流れながらののぞき見シーンや、暗闇のなかで機関銃がさく裂する引きの美しいショット、ゴッサムシティの荒廃しきった雰囲気などは実によくできていて、かっこよかったのだが……。どうも>>続きを読む

KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

4.2

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なんというか、求められていることだけをしっかりやり切っている潔い作品と言えるだろう。原作と同じく雑な「終末の戦士」の設定を手短に描くと、そのまま『北斗の拳』風の場違いな男たちが現代に放り込まれるカル
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.8

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おそらく本作はモノクロで監督の幼少時代とその激動の時代背景を描いているという点からも3年前の『ROMA/ローマ』の世界的成功を受けて、ブラナーはじめ制作陣が「いける」と判断した作品だろう。少なくとも何>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.7

フィルマガに記事を書かせていただきました。言いたいことは大体書いたので読んでみてください。ネタバレありです。

https://filmaga.filmarks.com/articles/148078
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

5.0

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274分間、非常に興味深い唯一無二の映画体験をさせてもらった。上映時間があっという間だったとも、274分が常に面白いとも、すべてが理解できたともいえないが、本作を「体感」できたことは非常に有意義な時間>>続きを読む

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

こんな怖い映画かつ、同じ男として身につまされた映画はなかった。自分は小児性愛者じゃないし…と距離を置いた見に行ったつもりだったが、早い段階で劇中内で専門家が「加害者のほとんどは小児性愛者じゃなく、単に>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.4

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気合が入っていて、スタッフ・キャストが大真面目に全力で作っている作品。なのであしざまにけなすような真似はしたくないのだが、なんだか乗り切れない映画だった。

そもそも原作の中で「京都大火編」の後のピー
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.8

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豪華キャストで、いつものガイ・リッチー節がさく裂しているのだが、正直それでテンションはあまり上がらなかった。



個人的にはガイ・リッチーは自分の色が出せ過ぎない前作『アラジン』でちょうどいいバ
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.4

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予告編などを見ると、認知症に冒された父と娘の感動物語みたいに見えるが、もっと暗黒な話だった。



娘目線で父を見る話だと思っていたら、まさかの記憶が混乱している父目線で家族と他者を見る物語で、時系
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美しき誘惑 現代の「画皮」(2021年製作の映画)

3.6

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幸福の科学という偏見抜きに見れば、途中までは『黒革の手帳』的サスペンス、というか悪女がのし上がるピカレスクロマンとして普通に面白い。



ストーリーがどこに進んでいるのかはいまいち読みづらいが、
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地獄の花園(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

バカリズムファンとしては見方が甘くなってしまうかもしれないが、大好物な映画。

ハイローや往年のヤンキーマンガが好きな人もたまらないだろうし、そこに『架空OL
日記』のようなゆるいOLコメディが見事に
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アオラレ(2020年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ターミネーター風のBGMまで流れるふざけ気味の予告を見つつ、気楽に見るつもりだったのに、かなり恐ろしい映画だった。おふざけ要素ゼロ。



ラッセル・クロウが演じるイカレた男が、理解不能な怪物なわけ
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コンティニュー(2021年製作の映画)

4.4

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タイムループものは数あるが、今回はループが始まるタイミングを序盤に持ってこずに、すでに主人公が何度もループを経験している状態から始まって、モノローグでその異常な状況を自嘲気味に説明してくれるのが面白い>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

Fukaseの映画デビューありきのような内容の気もしたが、そのFukaseの演技がドはまりだったので、成功したと言えるだろう。とにかくしゃべり方、目の動かし方、表情、身のこなし、役作りというよりそうい>>続きを読む

ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

4.6

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キャラ紹介部分が長く、後半も登場人物が無駄に多くてわちゃわちゃしていた前作よりも、格段に面白くなっていた。ストーリーも整理されていたし、あくまでもファブルを絶対的最強キャラとして置いたうえで、彼に強さ>>続きを読む

いとみち(2020年製作の映画)

4.7

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毎年何本も公開されているご当地日本映画だが、その中でもトップクラスの出来で、アイドル映画としても音楽映画としても、シスターフッド映画としても見どころが多い。



まず何よりも、リアルに青森にいそう
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

怪獣王ゴジラとキングコングが全力でぶつかる



ただそれだけのことを実現するために、大味ながらもしっかり考え抜かれ、きっちり3幕構成で何段階かのバトルと、最終決戦に向けての準備シーンまできっちり盛
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100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

みんながSNSで何気なく楽しんでいたコンテンツが、実は電通案件だった。SNSでただで見られるからみんな見ていた。毎日少しずつの更新で見られるからこその醍醐味だった。



このような公開前から言わ
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ライトハウス(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

なかなか日本公開がされずに、ようやく見られた本作だったが、その上がりきったハードルを余裕で超える怪作、傑作だった。



ほぼ四角形のサイレント映画のような圧迫感を感じるフレームと、陰影の濃いモノ
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ファイナル・プラン(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます


いつものリーアム映画よりも若干普通の人よりの強盗犯が巻き込まれるサスペンス。


主人公の目的が穏便に自首すること、という点は斬新だし渋くていいと思う。60代後半のリーアムが役に合っている。


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とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ひたすら可愛い、楽しいが暴力的に脈略もなく襲ってくる映画だった。朝9時の回で見て、子供連れがたくさん来ており私語も多く、普通だったら最悪な鑑賞環境になりかねないところだったのだが、子供たちが大はしゃぎ>>続きを読む

ダルバール 復讐人(2020年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます


ムンバイ市警警察署長となったアーディティヤ・アルナーチャラムは、麻薬組織との戦いの中で恨みを買い、最愛の娘の命を奪われてしまう。復讐の鬼と化した彼は、黒幕の伝説の麻薬王に戦いを挑む。



家族を殺
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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

4.9

やはりクレしん映画、侮れない傑作だった。


たった100分で、SF、青春、サスペンスミステリー、スポーツ、バトル、恋愛、親子愛、友情、そしていつも通りのてんこ盛りギャグを過不足なく盛り込んでなんだか
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

これまでもえげつない内容とコメディを融合させてきた坂元監督の最高傑作となったのではないだろうか。


女子としても普通に魅力的な2人が、共同生活で激ゆるグダグダなやり取りを繰り広げて、しかも血も涙もな
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます


コロナ禍での志村けん急逝、映画興行の変貌、そんないろんなあおりを受けて完成した本作。見る前からいろんな事情を感じてしまう少し不幸な映画ではあるが、さすが山田洋二というべきか、途中までは軽妙で懐かしい
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