TaichiShiraishiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

TaichiShiraishi

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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

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どう見ても未成年にしか見えない25歳・伊藤万理華、彼女は乃木坂46時代から独自の美的センスとマニアぶりを発揮していて、こういう好きなものに対して目の色が変わって鼻息が荒くなる少女の役は異常に似合うし
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映画 太陽の子(2021年製作の映画)

4.7

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声高に戦争反対を歌うわけでもなく、お涙頂戴に走る明けでもなく、戦争の狂気の中で、科学者として国家の威信など関係なく原爆を作ることに取りつかれた男の物語を静かに描いていて、上質な語り口にほれぼれしてし
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.6

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いろんな騒動があってディズニーをいったん解雇となり、また戻るまでの間に作られた本作だが、ここまでのものを作ってくれたからにはあの騒動も無駄ではなったと思える。


一連の騒動にはジェームズ・ガンの落
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.9

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179分という上映時間やカンヌ映画祭での実績、そして村上春樹原作という点に身構えてしまう人が多そうな作品だが、原作も読んで鑑賞しての感想としては「非常に面白いし興味深い」「分かりにくいところはないけど>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

4.8

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毎回ミステリーゾーンの短編を引き伸ばして長編にしているような作風のシャマランだが、今回はよりその色が強い。まずその場にいるだけでどんどん歳をとってしまう空間という設定は、ジョジョのスタンド能力にもあっ>>続きを読む

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

1.8

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なんというか、今まで通りの宮崎吾郎映画だった。怒るほどのひどさもなく、でも出来も大してよくなく、ヤマもオチも意味もない、見終わって無の感情になってしまう映画。


世間的にはゲド戦記が特にひどいと言わ
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.3

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初のアジア系アメコミヒーローにして、久しぶりにほとんど前知識なしで見られるMCU映画だった。

ロード・オブ・ザ・リング風のテイストが混ざったカンフー映画というようなバランスで、ガチンコ肉弾アクション
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未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺(2021年製作の映画)

4.2

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AKBファン向けのぬるい怪談オムニバスだろうと思って見に行ったら、予想外に怖い体験をさせられてしまった。



再現ドラマは計4本あり、どれも「未成仏」というタイトルにあるとおり、何が原因でそういっ
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

4.8

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夫婦間の浮気をめぐるサスペンス…と聞くとよくある話だが、本作は夫婦2人ともが漫画かという創作者で、そして執筆状況が全然違うという設定がとても面白い。


順調に漫画を描けているが、夫が信頼できない妻、
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

4.6

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前作とほぼ同じような設定で同じメインキャスト、同じ舞台でありながら、ストーリーも演出も圧倒的に洗練されてレベルアップしていて、非常に楽しめた。



前作と同じように豪華キャストオンパレードだが、顔
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レミニセンス(2021年製作の映画)

4.1

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クリストファー・ノーランの映画は難解に見えて、設定がややこしいだけでストーリーは意外なほどにベタベタだったりするが、弟の映画はそのややこしさもあまりなく、わかりやすくて見やすかった。ただわかりやすすぎ>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

5.0

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娘を失った古田新太が怪物化…なんて単純な話ではなく、タイトル通り発端となった事件の中にある謎、埋められない人間関係の溝、もう帰ってこない大切な人の考えていたこと、他人からはわからない本人の考え、
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

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ダニエル・クレイグ版『007』は常にシリアスで、重苦しさ・切なさがあり、ハードでリアル路線だった。これまでの4作ではそれが強みにも弱みにもなっていて、今回もそのバランスのまま終わったというのが率
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

4.7

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いまさら小野田少尉の話?という気もしたが、見てみたら戦争の狂気の弊害を一番残酷な形で被った人物なのに、決して彼の人生を悲惨一辺倒で描いていない、それでいて彼個人の罪も描いている非常にバランスのいい作品>>続きを読む

PITY ある不幸な男(2018年製作の映画)

4.8

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ヨルゴス・ランティモスの『籠の中の乙女』『聖なる鹿殺し』の脚本を担当した奇才エフティミス・フィリップの脚本最新作。ギリシャの「奇妙な波」と呼ばれる近年の系譜に連なるサスペンス。



妻が事故でこ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

5.0

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2021年2位!

リドリー・スコットの、個人的には最高傑作だと思ってしまった独自のフェミニズム歴史超大作。

黒澤明の『羅生門』的構成を小手先だけでなく“男と女でどれだけ見えている世界が違うか”を描
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

4.9

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長大な原作を2時間半に無理にまとめているのでかなり話は駆け足だし、何を言っているのかわからなかったり不親切な部分が多々ある作品なのは認めるが、筆者はそれでも、といいうかそういう作りだからこそ大好きにな>>続きを読む

ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

4.4

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前作からしてすでにこんな続編の作り方があったかと驚かされたのだが、今回はさらに斬新。前作の直後から始まり、今度はマイケルの恐怖が伝播して町全体が狂気に駆られて暴徒化してしまうとは、よく考えたものだと思>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.5

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何とも奇妙な映画だった。明確に何を言いたいのか、話がどこに向かっているのか、結局何が起きていたのか、お金がいくらかかっているのかもつかみづらい、どこか散文的で、しかし強烈な一本。振り返ってみればそこま>>続きを読む

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)

4.8

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予告編や邦題からして「本当は超エグイ『ピノッキオ』」みたいな話題性を狙った宣伝がされているが、実際は特段ディズニー映画版とも差もないストーリーで、ちょっとはトラウマになるかもしれないが基本的には子供に>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

5.0

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本作はとにかくネタバレ厳禁な一作で、具体的なワードは出せないのがもどかしい。しかし、グロが平気な人(とはいっても景気のいいグロで嫌な気分になることはなさそうだが)なら誰しもが楽しめるのは間違いない娯
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聖地X(2021年製作の映画)

4.7

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まったくもって奇妙な映画で、つかみどころがないが確かに面白いし、予想がつかなくて目が離せない。入江悠が初めて日本を離れた映画でまさかこんな怪作を作ってくるとは予想外だった。

自分が想像したもの、口
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ダーク・アンド・ウィケッド(2020年製作の映画)

4.1

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具体的な恐怖の事象と姿を表さない脅威、そこに絡む家族のしがらみ。いくらなんでもこんな家からはさっさと出た方がいいだろうとツッコミながら見てしまった部分はある。寝たきりの父がいるとはいえ、というかだか
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

4.3

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前作もヴェノムのキャラクター性に頼った良くも悪くも緩い映画だったが、今回はクオリティが若干アップされているうえでいい意味での緩さも残ったよくできた続編だったと思う。何よりもウディ・ハレルソンとナオミ・>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

5.0

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2021年1位!

すごい作品が誕生した。これは間違いなくアカデミー賞の作品賞にはノミネートされるのではないだろうか。大げさに言うと、21世紀の、ネット時代の、そしてコロナ禍経た後の新時代の『博士の異
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.9

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なんだかよくわからないがすごいものを見ている…と前シリーズがうろ覚えの筆者でも衝撃を受ける始まり方をする作品。
ここまでメタ構造を斬新な手法で利用した映画があっただろうか。「今いる場所が現実か仮想現実
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.6

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『キングスマン』にしては内容がまじめすぎる、みたいな意見もあるようだが、個人的には扱う題材への敬意と慎重さはありつつも、いつも通りふざけるところはとことんふざけているという印象だった。ネットの雑な陰
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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

5.0

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個人的にはドニー・イェンの最高傑作と呼べる見事なアクション映画だったと思う。カンフー優先というわけでもなく、アクションとストーリーが有機的に絡んでいて、ド派手なスタントが繰り広げられながらも話が止まら>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

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『ブルー・バレンタイン』のようなカップルの終わりも描きつつ、しかし恋愛の尊さもガッツリ描いている稀有な映画。

浮気も、裏切りも、難病も、事故も、衝撃の秘密も、なんにも無いどこにでもいるカップルの始ま
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ノンストップ(2019年製作の映画)

4.3

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今時珍しいくらいのコテコテのコメディと、現代流にブラッシュアップされたアクションが組み合わさった、ベタベタだけどフレッシュな映画。

どうせ主人公が元々は北朝鮮の凄腕エージェントだという設定はすぐばれ
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あの頃。(2021年製作の映画)

4.5

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今泉監督作品にしては珍しく、男ばかり出てくる映画だが、これまで彼が手を変え品を変え描いてきた「何かをたまらなく好きなことの尊さ」「最高の時間は永遠には続かない」というテーマを、男たちとアイドルに置き換>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.7

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同じ東京といっても、東京の見え方はずっと住んでいる人間と東京を目指してやってきた人間でまるで違う。

当たり前のようにある人混みやビルが、東京にあこがれて、そこでもがく人々には敵に見えるともある。華子
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太陽は動かない(2020年製作の映画)

1.8

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日本でも本格的なノンストップスパイアクション映画が作れるのかと期待していったのだが、正直かなりがっかりさせられた。

もちろん、ロケーションやアクションはお金をかけて普通の邦画より頑張っているのだが、
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ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

本広克行という監督名と、予告編のライトな「スポーツエリート高校生が戦国時代で大活躍」みたいなノリから予想していた生ぬるいアクションとは全然違う、ハード展開の続くバイオレンスアクションだった。

まず、
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ベター・ウォッチ・アウト: クリスマスの侵略者(2016年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレは厳禁な内容だが、『〇〇』だと思ってたらいきなり『〇〇』に変わるというハイ・コンセプトなアイデアを雑に出オチにせずに丁寧に作り込んでいる。それは子役を始めキャストたちの素晴らしい演技も有ってこ>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

いやー、凄まじい一作を見てしまった。ストーリー面はブレードランナーっぽいし、いろんなキャラクターデザインはデル・トロの作品をほうふつとさせるのだが、トータルでは見たことがないような新しい作品になってい>>続きを読む