おさもさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

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社会の端っこかギリギリ外に成立してる社会を描く作家だなぁ

ファンタジア(1940年製作の映画)

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ディズニーのセルアニメ見ないからか、フレーム数が多いぬるぬる動く絵がすごいし、動物の体の動きのねじれやたわみがかなり凝ってるなあと思った。音楽を大胆に読み替えるアダプテーションもそれぞれ面白い。

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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

変則的なロードムービーだと感じた。
話のオチはライカートのリバーオブグラスを連想した。元ネタか。

登場人物は日本人、イタリア人、イギリス人、黒人、とアメリカ社会のアウトサイダーを配置してる。公民権運
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巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

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コンサートに出なくなったピアニストのアダムを演じるオスカー・レヴァントは実際にピアニストだった。作中、夢の中でガーシュウィンのピアノ協奏曲を演奏するシーンも出鱈目でなく、実際に弾いているふうである。彼>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

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京都みなみ会館の爆音上映で観られたのが本当に最高の体験だった。

街が壊れる作画がよい。作画が最高。

アキラの力は核のメタファーとして描かれているように思えたのは、福島原発事故後の世界に生きているか
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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ライカートほんと映画うまい。

ダメな大人たちがダメっぷりを発揮するのを、ダメな大人としてビールでも飲みながら観たくなる、そんな映画。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

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ライフステージが変わる男と変わらない男の旧交の微妙な温度がロードムービーで描かれる。

音楽がよい。映画が非常にすぐれている。絶妙な心の機微が男2人と犬1匹でうまくバランスとって描かれている。
こんな
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

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邦画のクリシェというか、よくある要素を換骨奪胎して、中流の「ふつうのしあわせ」的なものをすかすかに見せてしまう。黒沢清さすが映画を母語のようにあやつるなと感じた。

生を極端から位置付ける。

深津絵
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

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ブレッソンの中でもかなり分かりやすい面白さだと思う。

ほとんど主人公のモノローグでこんなに息を呑むサスペンスを作っちゃうのかと驚嘆。

お得意の手の描写が自然に連なって物語をつくるし、効果音が物語を
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東京オリンピック2017 都営霞ケ丘アパート(2020年製作の映画)

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オリンピック反対を声高に叫ぶんでなく、淡々とオリンピックに向けて東京がどう変わっていったか、権力が何をしたかを記録する映画。

生まれ育った東京とは違う、全然知らなかった東京がおさめられていた。
アパ
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8 1/2(1963年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

40男の行き詰まり感が重くて重くて、なかなか悲惨な話だなと感じてしまった。
親ももう死んでしまう年齢、広げた風呂敷に追い立てられる年齢の感覚は、25の今はなんとなく想像できるだけだけれど、あと15年も
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

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セリーヌとジュリーのエキセントリックなキャラクターは北の橋の登場人物と同じ類型で、リヴェットっぽいキャラクター、好き。

イメージの断片が物語に組み上がって行く仕掛けが気持ちよかった。

ヌーヴェルヴ
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ヴェロニクと怠慢な生徒(1958年製作の映画)

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フランス語のコメディとしての楽しさと絵づくりのモダンさと全てが気の利いた素晴らしい短編。

フランス語から生まれた作品だという感じがしてとても楽しんだ。

愛の昼下がり(1972年製作の映画)

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女を意のままにするネックレスをつける妄想のとこ、取ってつけたように入る70〜80年代SFアニメのピピピピって感じのBGMがかわいい。

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

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アマンダ・ラングレの魅力が炸裂…まだこんな少女時代なのに、画面に出てくるとドキドキしてしまう。

映画自体はかなり居心地の悪いもので、男たちがそれぞれ持っているズルさとダサさ、見苦しさはいずれも心当た
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湖のランスロ(1974年製作の映画)

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騎士道物語の背景を全く知らずに観たのでどう観たらいいのか全くわからなかった。西洋人が日本の時代劇を観るとこんな気持ちなのだろうか…

多分悪魔がの方が絶望感が強いように感じたが、とかくわかってないだろ
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

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観るのが大変という評判を聞いていたので恐々として観たが、普通に楽しめたので拍子抜けした(というのもなんだかおかしいが…)。

暮らしのミニマムさというか、本が一冊もないのにどうやって時間を過ごしている
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マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

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奴隷制廃止前のアメリカ南部の黒人農園で展開される家族のメロドラマ。黒人農園というのは、家畜として黒人を育てて出荷するというところ。
黒人の男、女、白人の男、女、それぞれが家父長制のヒエラルキーの中に縛
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水を抱く女(2020年製作の映画)

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ベルリンのお金持ってそうな男ヨハネス、水の精の女ウンディーネ、田舎の潜水技師の男クリストフの三角関係。途中ウンディーネとクリストフが会うために電車に乗っているのは、クリストフが作業するダムがベルリンか>>続きを読む

幻影(2005年製作の映画)

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原題の意味は「幽霊」らしい。

主人公の十代の少女は孤児で内向的な性格、管理する大人たちは彼女を期待通りにふるまわない存在とみなしている。大人の悪意と対照的なのが、20歳くらいの女性トニ。生きていくた
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

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デカローグのような強烈なオチを予期しながら観てしまったので、観るモード設定を間違えた。再度みたい。

デカローグの2話で老医者を演じていた役者が、今作では指揮者・作曲家の役で出ており、指揮の演技がとて
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イェリヒョウ(2008年製作の映画)

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男2人女1人の三角関係。トルコ系移民の男は経済的に成功しているのとは裏腹にドイツに根付くことはできず(かといって幼少期からドイツで育ったため単純にトルコが帰るところというわけではない)、妻と間男は経済>>続きを読む

治安(2000年製作の映画)

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めっちゃおもしろい!
逃亡中の地下組織の両親の元に生まれ育っているため、国家から把捉されない(≒存在しないことになっている)主人公の女の子。状況に応じてペルソナを演じ分けないといけない、地に足のつかな
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逃げた女(2019年製作の映画)

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絶妙な軽み。人間関係の舌先に残るような後味を味わい続けられるような。

旧交を温めるときに浮かんでくる距離、アンバランスさ。
見せてくれない3階だったり、飲み屋で会ったちょっといいなという上階の男だっ
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