カミュ『異邦人』のヴィスコンティによる映画化。何年も前に読んだのでうろ覚えだったが、ほとんど原作通りなんじゃないかなと思う。
もう少し冷淡な語り口をイメージしていたので、イタリア語の語りはドラマチッ>>続きを読む
カメラの勢いが特徴的。くどくないカメラの振りがきもちよかった。
幼馴染の恋人を失ってからの白黒のシーンはタルコフスキーの『アンドレイ・ルブリョフ』で人を殺してしまったルブリョフが沈黙の行に入る部分を思>>続きを読む
恋人に裏切らたと知った女が占い師になるところのシーン、ある種の容れ物になるために時間がたって占い師になる過程が振り子みたいなうごきをするシーンで象徴されていたのが印象的だった。
前半の展開は唐突な印象もあった。
逮捕されてからの展開のおもしろいのなんの。映画的な面白さに溢れたシーンの連続。
リタ・ヘイワースのかっこよい美しさに惚れ惚れしまくり。船の上のシーンとか陶然としてし>>続きを読む
長回しの映像で世界をニュートラルに観る映画の楽しさがまずあったと思う。
ドアから出入りする人々の群れがあたかも巣穴から出入りする蟻のように見える瞬間があって、かつて文字通り人間より劣った家畜として扱>>続きを読む
予告編でなんとなく想像した、女性同士の恋の話という印象を、いい意味で裏切られた。公共圏と親密圏の間の話であり、ハッピーアワー的な女の群像劇としての性格を持っている物語だった。
あらすじ
舞台はたぶん>>続きを読む
全ての場面が素晴らしい。イタリア映画らしい多幸感が溢れていた。
野外映画館で上映されるオデュッセイアとの対照。マストにくくりつけられて誘惑を退けるユリシーズと、映画館、そして故郷にくくりつけられる誘>>続きを読む
動く対象に対してカメラで追いかけてからズームアウトとか、ごちゃごちゃした中にズームインとかの撮り方が、作品を街の映画にしていてよかった。
家族の記憶と性の記憶が染み込んだアパートメントの物語。そこに>>続きを読む
生活に巻き込まれざるを得ない大人がとりうる政治に対する態度を描いているな、感じる。