TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価

TaiRa

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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美形の顰めっ面映してブオォーンって音鳴らして、だだっ広い景色映してブオォーンって音鳴らしてもエピックは描けないぞドゥニやん。5時間掛けてハイブラのCMみたいな映画作られても困るずら。

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

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ドミー・シーはピクサー唯一の希望。日本のギャグアニメみたいなテンポ感、スピード感が最高。親子対立のこじんまりした話を巨大生物映画として展開させるクライマックスにバク上がりした。

猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

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かわいい猫と犬の友情物語かと思ったら動物虐待からの救済がテーマだった。鳴き声リアルなん地味にウケた。

(2023年製作の映画)

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戦国大名でヤクザ映画作るって意外と先例ないと思うので、その点は流石だなと思う。武将だなんだ言ってるが、要は人の命なんてなんとも思ってないやつが成り上がってるだけで、ヤクザと大差ないという冷めた目線が武>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

5.0

一夜物の次はリアルタイム物という味変が巧
み。座って歩いて、座って歩いて、のシークエンス設計がきれい。ときめきの時代が終われば後悔の時代がやって来る。出会えなかったふたりが出会ってしまったら、途端に自
>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

5.0

『ビフォア・ミッドナイト』まで観た上で観直すとシリーズの円環構造に気付けて面白い。中年夫婦の喧嘩がふたりを引き合わせ、初めて交わされる会話がそのままこのシリーズのテーマになるのも凄い。役者の佇まいとロ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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こういう普通のアメリカ映画をちゃんと作れるリンクレイターを永遠に支持したい。「宇宙よりも遠い場所」まで自己再生の旅へ行ってしまう母の姿にも、それを追い掛ける父娘の姿にも泣く。常識を超越した人間をこそ映>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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会社のジャンパー着て、太陽に照らされながら自転車漕いで同僚の忘れ物届けに行くことが、世界で一番美しい瞬間に成り得ると信じているから感動する。『ケイコ』に続いて真当な「東京」映画。エンドロールは『耳をす>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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ジャースキン・フェンドリックスの劇伴が良い。過去10年の映画音楽で一番くらい。衣裳と美術もナイス。役者の大仕事を笑いに繋げるのがヨルゴスのふざけた良い所。『フリークス』踏襲したサディスティックなオチは>>続きを読む

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

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メディアが人格を侵食し、デバイスが身体の一部になり、現実は誰にも定義されず人の知覚しか存在しなくなった現在において『ビデオドローム』はもう難解ではなくなった事実が一番面白い。思想を持たない人間そのもの>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

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超能力者が頑張ると鼻血出ちゃう演出の元祖だと思うので、その点だけでも偉い。目に見えない超能力バトルを彩るディック・スミス先生の特殊メイクも凄い。頭が爆発する映画の中で一番面白い。寒々しい景色とショット>>続きを読む

火祭り(2006年製作の映画)

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結婚控えた若い家政婦が仕事先で目撃する家庭という地獄。ファルハディの中でミステリー要素が出始めた作品。真偽の揺さぶり方が巧いし、真相の明かし方も「下衆い!」と掛け声したくなる感じで流石。人間のイヤさを>>続きを読む

美しい都市(2004年製作の映画)

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脚本家としてのファルハディの強さが出始めた作品。登場人物に与える葛藤の作り方がスゲえ巧い。倫理的にどの選択肢も選べない状況をよく考えるなと。話の展開で追い込む前提に人物描写の豊かさがあって、その辺は役>>続きを読む

砂塵にさまよう(2003年製作の映画)

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ファルハディはデビュー作から愛に纏わるハードモード試練を描いてる。割れたガラスの反復が丁寧。荒野で男二人という状況もシュトロハイムはじめ、映画の古典であり王道。蛇との対決とか宗教的象徴も織り込みながら>>続きを読む

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

5.0

「監督」ビヨンセとしても「DIVA」ビヨンセとしても座長力が強過ぎて優勝。てか命が強い。完璧に作り込んだステージ上では神、その舞台裏では悩める創作者、ビーはもう半神半人ってことで。

枯れ葉(2023年製作の映画)

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世界中で戦争してて、生活の不安ばかり抱えなきゃならん陰鬱な「現代」への処方箋として有難く頂戴。何度すれ違っても出逢え続ける愛しい人と優しさと、一匙のチャップリン。

風と共に散る(1956年製作の映画)

5.0

青い夜に爆走する黄色い車、闖入するピンクの暴力、サークは色彩表現だけで満足度カンストしてくる。中盤における死とダンスの暴力的なクロスカッティングは映画史上一番イケてる編集の一つ。それにしてもあの富豪一>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

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親の務める美大で事務職やってる中年アーティストっていう人物造形に痺れた。壊れた給湯器、羽の折れた鳩、我儘な猫、狂った弟、友人への嫉妬、主人公の満たされなさを表現する術が豊富。その解放の呆気なさに見る清>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

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フィンチャーが今後もすっとぼけた映画作り続けるならそれは支持したい。殺し屋コントの羅列を大VFX映画にする点は書割世界ハリウッド、ひいてはヒッチコックイズムの真当な継承と思う。

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

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役者が役者の芝居を撮った映画って感じ。キャリー・マリガンの登場場面が何だかとても良かった。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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海軍善玉論をよすがに旧陸軍と米軍を雑に排除した「俺たちの戦争」で不能感とサバイバーズ・ギルトを解消しようとする物語に、戦後日本や反戦やゴジラが描けているのかは甚だ疑問だが、永田町から立ち上がるキノコ雲>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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戦後日本の戯画として非常にまとも。鬼太郎のエピソードゼロを『犬神家の一族』と『儀式』掛け合わせてノワールにしようと思った企画力で勝ってる。『総員玉砕せよ!』の引用で水木しげる論にもなってるのが周到。大>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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回転数遅くなったいつものスコセッシ映画に前妻デ・ニーロと今妻ディカプリオ集合って感じ。加害の歴史を扱う上で省略を避ける誠意は感じるが流石に鈍重。

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

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狂人主観をやり切っていてスゴい。映画という表現形態は狂気を描くのにすこぶる便利。今作は混沌を全うしてたけど、同じ表現方式で普通に感動させた『ファーザー』って改めて良い映画だったな。

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

5.0

結局これが最高。映画100本観るよりこれ100回観た方がQOL上がる。休む間もなく奇人が登場し続ける映画は面白いに決まっている。終始フザけたことやりながら、最後は堪らなく寂しい。猫に振り回されるような>>続きを読む

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

5.0

プロットが狂ってる傑作。どういう話か知らずに観たからジャンルの飛躍にブチのめされた。コヴァックスの撮影もヤヴァい。画面に狂気を映せているアルトマンの演出力バリ高。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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もはや何をやってるかさっぱり分からない。今まで撮影監督バフ掛かってたのもバレちゃった感がある。取って付けたようなデ・パルマの真似も何だかな。

これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

5.0

元祖メガミックス映画。サイレントでありながら音楽的な映画としか言えん。モンタージュが生み出すグルーヴが厳ちぃ。マジでカッコいい映画である。

チェス狂(1925年製作の映画)

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チェス狂を中心に人々がどんどんチェス狂いになっていくSF短編集的パンデミックコメディ。一緒に狂った方が楽しかった、というオチは真理。服から次々と出て来る子猫が可愛い。

バービー(2023年製作の映画)

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時勢に対して何が云いたいかは分かる。意味性が強くてSNLコントの豪華版という感じにしか観えなかった。クライマックスはビリーの歌に乗っかり過ぎだが、あれは良曲です。

帽子箱を持った少女(1927年製作の映画)

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でかマフラー女子萌えという概念と遊戯する素敵なラブコメ。モーションの豊かさと胸キュンアイディアの集積がエンディングへ突き進む感じが最高である。

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

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少年編終わってキューバ・グッディング・Jr.出て来た瞬間、老け顔過ぎて全然ティーンエイジャーに見えんくてビビった。20代監督の撮ったフッド物としてエポックな作品だとは思う。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

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良くも悪くも大変マジメな少年成長物語。相棒にイノセント象徴させ系プロットを真っ当にやってる。チャステインがトランプの姉貴を嬉々として演るという出オチギャグがある。

怪人マブゼ博士/マブゼ博士の遺言(1932年製作の映画)

5.0

既に幽閉された純粋悪から外界へ悪意だけが感染するという90年代サイコホラー的世界の原点。前作を超える完璧な発狂オチ。

ジェニーの肖像(1947年製作の映画)

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余りにもラノベな展開に打ちのめされる。大林映画にも通ずるし、新海汁の源泉と云っても過言ではない。いつの世も時空超えロマンスはボンクラの心躍らせる。

ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

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面白えけど流石に長い。特に第一部。混沌主義なマブゼ的悪役という雛型を作った功績は素晴らしい。あと発狂エンドってイイよね。

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