ありとあらゆる映画技術を用いて描いたのは、愛されない醜男の妄執ミュージカル。
一秒たりとも飽きさせまいとするデ・パルマの気合の入りきった演出に痺れっぱなし。
鉄の扉を勢いよく開けて、逃げる女を引きずり込むレザーフェイスに映画を感じる。
見たこともない映像の連続で観客を発狂させようとするトビー・フーパーの本気度。映画一本で与えられる影響の範囲をこの映画は越>>続きを読む
寒々しいヴェネチアと赤い影。
論理的思考に依存する夫の愚かさ。夫を救うたったひとつの道は、論理を超えて妻の主張を信じることしか無かった。
これは一組の夫婦のすれ違いがもたらす悲劇の物語だ。だからこ>>続きを読む
人気の無い住宅地。恋人が何処かへ攫ってくれる。恋人は殺人者。
マリックの美しい映像の中、無感動に人が殺されて行く。逃避行の有限性、青春の有限性。殺人旅行も時が経てばいい思い出だろうか。
映画を作る人々の頭の中には、あの音楽がしばしば流れるだろう。
この映画にそそのかされて、映画作りに手を出した若者は多いだろう。あんな美しい世界は映画の中にしかないかもしれない。いや、現実にもあるかも>>続きを読む
路の脇に怒りん坊が一人、反対側にお調子者が一人。タバコを介した出会いのシーンが完璧。
人生を楽しく過ごそうとする男たちにも悲劇はやってくる。ずっと続いて欲しいと思う幸せほど短く儚い。
映画を観終わ>>続きを読む