TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

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若さも出会いも季節のように過ぎ去るものだから俳句なのかしら。

シティポップ画風デザインが秀逸。ただ、日本人が憧れる西海岸イメージの永井博や鈴木英人ではなく、わたせせいぞうのキャラデザ刷新してホイチョ
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

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MCU付き合うのメンドくなって来たがとりあえずフェーズ4の一発目予定だったし観た。

描いてる時間もシリーズ内では過去に当たるし、クロスオーバー要素がほぼゼロなので久々に単体で楽しめる作品になっていた
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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これは……いい話なのか?まぁ、細田守は真面目なんでしょうね。悪い意味で。

ネット発の女子高生シンガーが匿名で活躍したところで何の救いにもならないのだ!っていう声高な主張に、おいおいAdoちゃんディス
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

題名から連想しがちな皮肉も冷笑も存在しない。デヴィッド・バーンはマジだ。

スパイク・リーは頭でっかちで映像もコテコテだから劇映画では好き嫌いあるんだが、その特性がぴったりハマる題材が正に「デヴィッド
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

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何かハーモニー・コリンに興味が持てなかったので今回が初コリン。

元天才詩人のムーンドッグが破天荒に生きてるアッパーな話だと思ったが、副題に「まじめに不真面目」と付けられちゃったのも納得な、諦観と再起
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ファーザー(2020年製作の映画)

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戯曲の映画化の中でもかなり志が高い。ちゃんと映画にしてる。

認知症患者の主観で物語が展開され、時間も空間も混沌とする。「信用出来ない語り手」を映像表現として落とし込んだ作品としてかなり良い。同じ間取
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逃げた女(2019年製作の映画)

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3時間でも30分でもいい内容を77分で作るみたいな適当さが好き。何の話してるか頭に入って来ないけど。

キム・ミニが知人女性に会いに行って会話していると第三者の男性が割り込んで来てその都度適当にあしら
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クルエラ(2021年製作の映画)

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そもそも論だけどディズニーヴィランを善玉として描く一連の企画どうなん?キャラクター崩壊してるじゃん。

クレイグ・ギレスピー映画としては想定以上にただの『アイ,トーニャ』だった。節操ない『グッドフェロ
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キャラクター(2021年製作の映画)

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永井聡は2作しか観てないけど、良いとこと悪いとこハッキリしてるなと思った。

まずオリジナル企画をメジャーでやってる時点で偉いとは思う。川村元気案件なのでバイオレンスに振り切るとかは珍しくない訳だが、
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

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良くも悪くも「舐めてた相手が〜」映画の枠内に収まってる。70点満点で75点くらい出して来た感じ。

イリヤ・ナイシュラーが主観映像だけの人ではないのが証明された点は意味がある。彼の監督したミュージック
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イエローキッド(2009年製作の映画)

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真利子哲也が初めて脚本書いて作った映画という事で真っ当に荒々しい。

底辺生活者のボクシング映画としてストレートには作らず、性格破綻者の漫画家との交流を挿し込みながら、最後には現実と非現実が入り交じる
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マリコ三十騎(2004年製作の映画)

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ようやくリアルと創作の折り合いが付いて来て見易い。それにユーモアも含まれているので単純に面白い。時間軸を操作した上でむき出しの「奇行」にドラマを肉付けする。今までの不器用過ぎた自己探求を、ルーツを紐解>>続きを読む

極東のマンション(2003年製作の映画)

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『ほぞ』より映画らしくなったが、その過程自体を見せるメタ構造が面白い。わざわざカンボジア行って衝動的で意味不明な映像を撮って帰って来た真利子哲也に両親が、芯を付きまくった酷評をし続けるくだりが爆笑。リ>>続きを読む

ほぞ(2001年製作の映画)

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映画の為なら何でもする!と映画の為にならない献身を突き進める青臭さがチャーミングだが、腕切ったりするの痛いからやめた方が良いぞ。デスマッチやってんじゃないんだから。平野勝之もAVで自傷行為(巻き添えで>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998年製作の映画)

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WOWOWでやってて何となく観てしまった。子供の頃に何度か観た筈だけど、ディティールのほとんどを忘れていた。

原恵一のクレしん監督2作目で、前作『暗黒タマタマ大追跡』に引き続きリアル・アクション志向
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アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

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『エンジェル ウォーズ』以来のオリジナル、って聞くとスゴいバカっぽくて良い。

ザック・スナイダーにこの手の娯楽作は期待してないので、案の定な結果でもあまり怒れない。それどころかテーマに関してはちょっ
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GAMERA1999(1999年製作の映画)

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開始2秒で上手く行ってない/行かないのが分かる現場の記録。

『ガメラ3』の制作裏側を摩砂雪が撮影し、庵野秀明が例のタッチで編集したメイキングビデオ。『ラブ&ポップ』、『ドキュメント ラブ&ポップ』、
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

5.0

快作、傑作と来て3本目にこの怪作。歪だが破壊力は一番。

『大怪獣空中決戦』でヒーロー怪獣=ガメラの大正解をまず叩き出し、より洗練された『レギオン襲来』でSF作品として満点の怪獣映画を作り上げた。そし
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

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ストーリー性のない原作ゲームを映画化した方がWSの良さが出る。やたらとテンポが良い。

『モンスターハンター』の映画化として異世界転移を採用したのは正しい。ゲームを映画化する際に必要な世界観の説明、ル
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

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ウェルメイドなのかもしれないけど、飛び抜けた良さもあんまない。何か出版業界における問題もちょっと古い。

コンゲーム的な騙し合いが繰り広げられる訳ではなく、権力者たちが大泉洋に一方的にしてやられる展開
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有りがたうさん(1936年製作の映画)

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初期トーキー映画というのもあり、清水宏の役者へのスタンスがより極端。上原謙の独特な「ありがとーさーん」が耳から離れない。

バス運転手の「有りがたうさん」こと上原謙が乗客と共に街道を走るロードムービー
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暁の合唱(1941年製作の映画)

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初めて清水宏観た。役者の棒読み演出とか独特でかっこいい。

木暮実千代が女学校進学をやめてバス会社に就職する女性労働映画。石坂洋次郎の原作だけど何で「合唱」なんだろ。最初は事務員兼バスガールやって、そ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

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三部作構想らしいので話も途中で終わる感じだった。印象としてはシリーズものの総集編一本目って感じ。

めちゃくちゃ凝った美術デザインで、アート系の世界観売りで来るかと思ったら、クソしょうもないギャグ(褒
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街の上で(2019年製作の映画)

5.0

全部観てる訳じゃないけど、これが今泉作品で一番かな。

「作りかけの下北沢」が映ってるのは、いずれ意味を持ったりするんだろうな。個人的にはあの工事だらけの風景にこそノスタルジィ感じるし。冒頭で宣言され
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

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この10年で100本くらいループもの作られてるんじゃないだろうか。意外と少ない複数人でのループ。

あまりにもループものが作られた結果として、ループが当たり前の人物を登場させたのが新鮮。「よくあるルー
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

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ループものの次は入れ替わりものっていう短絡さが良いと思う。

元々のタイトルが『Freaky Friday the 13th』だったらしく、要は入れ替わりものの『フリーキー・フライデー』と『13日の金
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ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

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メイヘムに関する知識がデッドの死体ジャケと殺人事件くらいしかなかったので物語自体も楽しめた。

『SPUN スパン』の頃のヨナス・アカーランドが帰って来た感じで嬉しい。青春映画として良く出来ていて、観
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

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スクリューボール・コメディやろうとしてるんだけど、多分資質的にラブロマンスの方が向いてる。

『婚前特急』覚えてないけど、こっちの方が面白いと思う。アスペ男性の成田凌とストーカー女子の清原果耶に、ペテ
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ビバリウム(2019年製作の映画)

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『世にも奇妙な物語』の一編で丁度いい。長編にするには展開が足りないしダレる。

住宅バブルと侵略SFを掛け合わせた寓話なのは面白いし、マグリット的なシュールレアリスム調の世界観も毒々しくて可愛いんだけ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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初監督作から『ザ・ライダー』を経て完成された手法。

現地の人間に当人を演じさせる前2作の手法とは異なり、プロの俳優、しかも熟練の名優を主人公に置く事で、彼女の異物感を描き出すというのは理に適っていて
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

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ドキュメント・ドラマの現代西部劇というより馬ドラマとして観た。馬がかわいい。

実在の人物に当人を演じさせるのは、それこそフラハティからイーストウッドまで長い歴史があるので特筆すべき事もないかな。もち
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ミナリ(2020年製作の映画)

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ユン・ヨジョンがお祖母ちゃんとして出て来る映画、今年で3本目だ。

クリスチャンであるリー・アイザック・チョンの想い出と聖書の引用で成り立っているので、無宗教の人間からするとピンと来ないと思う。ジャン
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

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色々あって話題にならなかったけど、ディズニー近作の中でも面白い方だと思う。

『モアナと伝説の海』と同じプロデューサーってのが大きいのかどうか知らないけど、今回も若干『ゼルダの伝説』っぽくて好き。東南
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あの頃をもう一度(2021年製作の映画)

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歴代のディズニー短編の中でもトップクラスに傑作。

台詞なしのミュージカルだが、それが形式的な模倣に終わらず、ダンスをセックスのメタファーとして扱うなど、ジャンルへの理解が深いのが素晴らしい。老夫婦が
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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おつかれ、全ての庵野秀明。

どちらかと言えば『シン・式日』という作品だった。宇部の線路をポスターに使った事からも分かるように、精神的には同じ作品だと思う。庵野の帰還。必然的に結末も同じ。どちらも「虚
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

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311から10年経ち、それもコロナ禍真っ只中に観ると感慨深いものがある。

改めて考えると『ゴジラ』のリブートとして、ゴジラというキャラクターではなくゴジラという概念を創造し直したのが正解だった。庵野
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