おおたさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

おおた

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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

「若草物語」と同じグレタ・ガーウィグ監督、シアーシャ・ローナン、ティモシー・シャラメの共演が、もうそれだけで最高。

思春期の拗らせてる演技/演出がうますぎる。
後半の別れ際の母親との距離感も最高。
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聖なる証(2022年製作の映画)

4.0

冒頭の「私たちは物語あっての存在」
が一貫したテーマ。

大きな飢饉の後で教会が信仰の象徴を欲していた背景や、家庭内のある大きな秘密など、様々な思惑から「聖なる者」を引き受けた子の話。

脚本が凄くよ
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.5

トム・ホランドとロバート・パティンソンの共演という事で見た。

盲目的に神を信仰できてそれが救いになってる人を見ると、どこか羨ましさを感じていたが、本作は信仰が故に引き起こされる悲劇しかなくて…地獄
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ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

3.8

王道な冒険物!面白かった!
インディージョーンズとかセンターオブジアースとかと同じで、5歳くらいの感性で観てワクワクしたかった。

川版パイレーツオブカリビアン

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

2.9

森見登美彦の小説の不思議さって、
日常の風景の1本隣の路地には、並行して異世界が広がっていて、ふと接触してしまう。みたいな内田百閒的な怪奇感だからこそ京都って土地と凄くマッチしてたと思うし、不思議な話
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.6

「編集長の遺言により終刊となった雑誌の最終号」という箱の短編集。

オムニバス形式だから、1話1話のウェス・アンダーソン感がより強い。とにかく洒落てる。
そしてオールスターの惜しげもないキャスティング
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.3

死の受容と「正しい」継承の話。

シュリがブラックパンサーを継承する過程での葛藤がもっと見たかった。憎悪を乗り越えた形での継承としては微妙な着地だし、もっと言えば憎悪を乗り越える以外の形での継承が見た
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貞子DX(2022年製作の映画)

1.0

もはや何を見せられているのか、全く分からなかった。

ホラー路線から完全に脱却した新しい貞子。
ゼロ貞子ではなくウィズ貞子!
最高!!


あとで知ったけど、知ってる人の姿で近づいてくるって「It F
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

脚本の完成度が恐ろしく高い。
オルフェウスの寓話と、アベラールとエロイーズとの往復書簡の2つが大きなモチーフになっている。

オルフェウスが冥界から亡き妻を連れ戻す途中で振り返ってしまった理由について
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.9

アフリカンアメリカンの受けてきた奴隷制/被差別の歴史背景から生まれたブルース文化(と、その思想性)が、まさに差別を行ってきた白人によって剽窃されホワイトウォッシュされ、白人向けの商品にされていくという>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.4

裁判の形式を取った吊し上げが酷い。
複数人が同時に裁かれる場合、被告の社会背景も様々な事から、突かれる隙はいくらでも出てくるためそもそも戦うのが難しい。

後半のアビーの「文脈を無視すれば言葉は好きに
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

3.9

マルコムXとキング牧師の暗殺後、急進的でラディカルな黒人解放運動を指揮したブラックパンサーの若き指導者と、FBIの密偵として同党に潜入する事になった黒人男性との物語。

あやふやだった歴史が整理されて
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.2

家父長制の強い富裕家庭において、専業主婦である主人公が受ける抑圧をテーマにしたジェンダーもの。

抑圧を内面化し正当化してしまった先行世代/義母からの、自己の経験に基づく「正解」(成功体験)の提示とい
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.6

先に森見登美彦の小説版は読んでいた。
「サマータイムマシンブルース」をベースに、「四畳半神話体系」「夜は短し-」等、森見作品にお馴染みの登場人物達の話になっている。「四畳半神話体系」のスピンオフとして
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

あんまり乗れなかった。
ワンダヴィジョン見て出直そう。
予習してから見ればよかった…

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

遅ればせながらNetflixで。
前半はホラー要素強めな「ストレンジャーシングス」かなと思って見ていたら、後半は全然違って実体感バリバリのアクションだった。

病院の古城感とかガブリエルの服とか、ゴシ
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.3

「呪詛」「来る」とかと同じ、東アジアの宗教観をベースにした「呪い」もの。

ビビらせる演出や不要な性描写も多く、表層は大衆向けホラーとして楽しませる一方、本筋の「信仰」と「信仰し続ける事の困難さ」は根
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呪詛(2022年製作の映画)

3.2

土着宗教の禁忌に触れて呪われ、その呪いが伝播していく系。東アジアの「呪い」的空気は日本でも違和感なく理解できるから怖いし、やはり微妙に文化が違う分、禍々しさがさらに強調されて感じられる。邦画だと「残穢>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

2.4

佐々木は底抜けに優しく純粋だが、家庭環境から道化を演じていた。その道化感が同性から受け、周囲はその優しさに無意識に救われていた…

主人公は佐々木と疎遠になってから、佐々木の存在とは無関係に、怠惰に決
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.8

作法やディテールはきちんと「ウルトラマン」をやっているが、シン・ゴジラが当たった後の二匹目のドジョウ以外の、今リブートする意義は感じなかった。

ラスト、ゼットンの火球をワームホールから別宇宙へ移動さ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

昔の名作を今アップデートさせて続編を作る意義という点で、ダニエルクレイグ版「007」とは正反対の解釈/回答を提示していて、どちらも本当にカッコよく説得力がある。
さらにトムクルーズの筋肉に文句無しの説
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

オスカー作品賞取ったが、大作ではなく万人受けする佳作として凄くいい映画だった。

実際に聾のトロイコッツァーが父親役でオスカー助演賞取ったのは本当に意義深い。

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.3

ある男の破滅譚としてメチャクチャ面白かったし、見世物小屋の不気味さ、残酷さ、カーニバルに流れ着く人の悲哀、、デルトロっぽさしっかり出てて最高。

「キャロル」の2人も「ヘレディタリー」のトニコレットも
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

2.5

前作は面白かったが、、
残念な2作目。

キリアンマーフィが出てたのは嬉しい!
エミリーブラントとまた共演するオッペンハイマーが楽しみ。

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

ケネスブラナーは「テネット」の獰猛な演技から「ハリーポッター」の残念な先生まで本当に幅広いし、監督までこなして多才。

前作でもそうだったけど、自分の好みとして、ポアロの恫喝の様な尋問スタイルに乗れな
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.2

どんなに辛くても人生は勝手に続いていくし、生き続けなくちゃいけない。
理性的な振る舞いを美徳として、内なる感情を抑えつけ気づかないふりをしてやり過ごす限り「正しく傷付く」ことはできない。

車は、自分
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

最高。

「アメイジング2」のMJの例のシーンを再現してくれてありがとう。アンドリューガーフィールドを救ってくれてありがとう。

過去作を無かったことにせず向き合い、サムライミ版とマークウェブ版とをこ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.8

良質なシスターフッドもの。

勉強が取り柄で自尊心の拠り所だった主人公。だが周りの同級生達は、遊びながらもそつなく名門大に入学を決めていた。
その事を知って、自身のアイデンティティが揺らぐが、、そこか
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

評判通り傑作。

2人がすれ違っていく過程、距離感が細かい演出で表現されていて心えぐられる。
「終わりの始まり」として作中でも言及されているが、「始まり」と「終わり」で、主題も細かい伏線もきちんと円環
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

居心地の悪さをずっと感じながら鑑賞したが、男性は絶対見るべき傑作。

純粋な性的欲望だけではなく、ホモソーシャル関係における女性性の消費の仕方など、男なら誰でも経験している女性性への目線を改めて提示し
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.8

豪華すぎるキャストを集めたコメディ映画。

人類滅亡規模の彗星直撃の予測があり、
その事実を知りながらも保身のための政治に奔走する人、利用しようとする人、事実から目を背ける人、事実を受け入れながらも解
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.5

半年に一度は見返している傑作。
マークの天才性と、俗っぽいルサンチマンを拗らせてる感じが最高だし、ジェシーアイゼンバーグもアンドリューガーフィールドもジャスティンティンバーレイクも最高。

あとアーミ
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.4

「この世界の片隅に」に幾つかのシーンを追加した版。
遊郭の描写が増え、よりリアルで多層的で深みのある映画になってる。

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.2

エドガーライトも、クイーンズギャンビットのアニャテイラージョイも、ジョジョラビットのトーマシンマッケンジーも好きで、めちゃくちゃ楽しみだった。
男性性/女性の受ける性的搾取をゴーストとして捉えてホラー
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

5.0

ジョンウェイン、ゲイリークーパーらが活躍していたハリウッド全盛の当時、小市民を主人公にした小さい世界のシチュエーションコメディ。

上司の不倫場所として自宅を提供する主人公。思いを寄せていたエレベータ
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