ちゃんゆいさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ちゃんゆい

ちゃんゆい

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8 1/2(1963年製作の映画)

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ある監督の男のスランプ期を描く。
彼を取り巻く環境が、名前もなく押し寄せてくる数多の人々や声、関係の曖昧な女性たちの登場によって描かれる。
本人は多くを語らないが、彼の頭の中の混乱が、夢かまことか見分
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

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統合失調症について勉強になった。
その症状を抱える人たちにはどんな世界が見えているのか。

本人が抱える苦悩を体験することはできない。
周りを巻き込むことに怯え、聞こえる声に従うか常に迷い、自分と必死
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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ナチス政権下、ある少年の純粋な瞳を通して、ヒトラーに忠誠を誓う彼に見えている世界や、彼を取り巻く人々を描く。

戦時下であっても、子どもたちにとってはそのときが人生の最前線であり、戦争中の日々が異常な
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

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親の教育方針とは、結局、子どもたちを将来どんな環境で生きていかせるかで決まる。
そして子どもの瞳の光を生涯失わせないために、親には、子どもの意思を絶対的に尊重するという固い決意が必要だ。

森で、生き
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

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自然の描写はすごく美しい。
前作よりも、空の色や雲の形が自然に描けている。
雨から晴れ間の変化はいささか都合よすぎる。

東京しか知らない人の作品かなと思ってしまう。
電車の混雑や匂い、うんざりする気
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

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見なくてよかった。

絵が下手。
キャラクターの言動や動きが不自然。セリフが説明的。
カメラワークがありきたり。作為もろ出しで、意図を押し付けられてる感じがする。
空の色が不自然。月がピンクだったり。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

世界の均衡と人間たちの選択の物語。
もしも、どこかに世界の均衡を司る塔(空から降ってきたもの、鳥たちもその象徴)があって、この世のバランスを保つため(石のつみき)の選択をしている人間がいたとしたら。
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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主義や主張の狭間を描く作風なのかもしれない。

14歳で国を離れ、次期王妃となる運命を受け入れざるを得なかったマリーアントワネットの生涯のある時期を描く。
伝記ではなく、脚色もありそうだが、マリー自身
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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すきだー。

自分が日本人だから、作中に出てくる日本語が理解できるはずなのに、感情なく浴びる日本語が理解できない。
翻訳されないから、自分の理解力に自信がなくなっていく感覚になってるのが不思議。
言語
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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すきだー。

引き、固定のカメラで静かに人物を観察するユーモアセンスが散りばめられている。
流れるような日常会話で、重要な意味はない言葉たち。でも、情緒がきゅっと引き締まる一点で放たれるセリフが秀逸。
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わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

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人生の使命はなにか。
それを本能的に知っている人間と、見えぬまま行動した先で悟る人間がいる。

自分には為すべきことがあると突き進む人間の背中は潔く、つい羨望の眼差しを向けてしまう。しかし、当人からす
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

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母、娘。ひとりの女性のなかで、その二面は明確な線引きがなされているわけではない。場所、時間で区切られることのないその役割は、ゆるやかに切り替えられながら日常を編んでいく。
親の介護をするひとが、一日中
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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最後は詰め込みすぎ。
メッセージがブレて、結局マッツがかっこいいだけの印象が残って終わってしまった。

着眼点は面白かった。
体内のアルコール度数0.05%を保つと人間は能力を拡張できるらしい、という
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AIR/エア(2023年製作の映画)

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NIKEの人気シリーズAIR JORDAN誕生秘話。
当時のNBAとシューズメーカーの関係、メーカー同士の力関係が、数字やセリフの言い回しから表現される。

NIKEのバスケ部門担当者の機転が、ぐんぐ
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オアシス(2002年製作の映画)

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感想に困る。
程度はさまざま、神経系や身体に障がいのある家族を持つことには、必ず困難が伴う。
その環境で起こってしまう決めつけや、面倒が、本人たちの居場所を蝕んでいく。
自分がどの立場であっても、理解
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

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画角がかなり好きだった。
人物を映すカットでほぼ必ず手前に遮蔽物があり、立体絵本のような奥行きを感じた。人物のいる周辺環境が伝わってきて良かった。

寡黙な主人公だからこそ、間や仕草で察することを必要
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

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30分の短編×3のオムニバス作品。それぞれのストーリーには、少しずつ関わりがある。
どれも登場人物は、主に男女2人。
それぞれのパートは彼らの会話で構成されており、パリ市内を歩き回りながら、恋愛模様に
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東京物語(1953年製作の映画)

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話者を正面から真ん中に据えるカットが印象的だった。
本心ではない言葉を話しているときにそのカットが多かった気がする。

どこの家族でもありうる物語。平凡といえば平凡だが、こんな物語を映画として成立させ
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

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緩急は特にないので途中寝てしまったが、登山というのはそんなものなのかもしれない。
ただ頂上を目指す。途中で未知なるハプニングがあっても、自分自身と闘うしかない、周りは大自然の静寂。
自分にとっては重大
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RRR(2022年製作の映画)

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ラーマぶちかっこいい。
全てがうまく行きすぎて、ただただかっこいい。
スローモーション使い倒してるのもあり、緩急の差がものすごくある。
削ろうと思えば削れる部分もあるが、インド映画なので全部詰め込む粗
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ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

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今作も、移動し続ける中でひとつの愛の形を描く。
前2作よりは空間に留まることが多いか。
それは安定・定住・変えられないものが増えてきて、移動というものができにくくなってくる世代を連想させる。

年齢を
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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【脚本】

映画は、ひとに夢を見させるものだ。
登場人物がいささか魅力的すぎるが、自分の家族や出会ってきたひとたちをキャラクターとして描くときに、フィクションの解釈を加える部分もあったと思う。
"過去
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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自分にピンとくるものへ移り続けることをいとわず、気付けば30歳を迎える主人公が抱く定まらない心を、13の章題をつけ区分けしつつ、一連の物語として描く作品。

「これだ!」と思う方へ向かうことをいとわな
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

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環境に恵まれない青年が数学の才能を見出され、避けてきた過去と向き合う力と自分の意思を獲得していく物語。

才能を持っていても、それを引き上げてくれる人と出会え、またさらに、本人の意思が伴わないと、人生
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

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かなり良かった!
展開が予想つくんだけど、お約束すぎない。
軽やかにテンポよく進んでいく。
調理シーンすごくこだわって撮ってる。

主演、監督、脚本までやっちゃってるから、自分の夢を映画でかなえたかっ
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

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3時間弱あるのに、なぜかずっと飽きない。
ストーリーの緩急とツッコミどころ満載のテンポ良い展開。
恋愛も友情も世の真理もごちゃ混ぜだが、許せてしまう。
胸ぐら掴まれる勢いで急に泣かせてくるのも、引き込
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

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役者の良さ。
イーサン・ホークが良い。
人生で「これだ」というものを見つけた人間の、それ以外へのだらしなさを見事に演じている。

色使いが良い。
海、砂浜、木の影に切り取られるサンセット、雪の積もる農
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

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終始学びの連続だった。
映画音響の変遷についてじっくり学ぶ機会がこれまでなかった。

音響にも区分(環境音、声、音楽など)がある。
現在も昔も、人の手で作られる効果音がある。
モノサウンドから5.1サ
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