ふじPONっさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

破戒(2022年製作の映画)

3.0

1871年に廃止された身分制度
島崎藤村の『破戒』が1906年

初の映像化が1948年で本作は三度目60年ぶりの映画化
今よりも部落差別が強かった時代に観たらどれ程のインパクトがあったか原作共々想像
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プリンセスと魔法のキス(2009年製作の映画)

3.6

ニューオーリンズを舞台にしたディズニーらしさとジャジーな作風
ストーリーのどうのこうのよりもヴィランのファシリエ登場のシーンがサイコーにツボ
魔術、奇術、ブードゥーな演出
影で内面を描く描写が特にハマ
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.8

「独楽を回すには糸も必要」

CM、"とりあえず"の一択、朝ドラ、品薄、転売等々、ブームの中ついにアニメーションにまで扱われる様になったウイスキー
ジャパニーズウイスキーの人気もあり、この間まで数える
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.2

彼を語る時、人はどこをフューチャーして語るのか?
皇帝まで上り詰めた英雄譚か?
戦争で多くの被害をだした悪名か?
戴冠式や侵略戦争にみる尽きない野心か?
本作を観て思ったこと
それは愛した女性と望まぬ
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青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023年製作の映画)

4.1

ピンチに対応しているうちに、自然なカタチで慣れ、忘れ、成長していく
時に人はそれを"大人になった"と呼ぶ
家族間の心のもっていきようから発した思春期症候群。咲太のそれに自分を重ねてアツくなった

シリ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.1

"ある行為"があったかなかったか
三者(被害者・加害者)の視点、章立てて展開されるストーリー
視点が変わることで印象も変わり、誰が良い・悪いで語られないだけではなく、なんとも言えない後味の悪さが余韻に
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青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023年製作の映画)

3.8

「ブタ箱に入れられる前兆だと思う」

花楓の想いはかえでの想い
かえでに出てきてほしかった私に花楓のセリフが刺さる


花楓の部屋にジュンク堂のブックカバーのついた本有り
こーゆー現実との繋がり好き

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

「HEY Siri……」

ミスリードに次ぐミスリード
積み上げてきたものが崩れる中盤からのスピード感と仕掛けに感嘆が止まらない

ネット技術や知識を駆使して目的にたどり着くそのスゴさに称賛と同時にヘ
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.0

「I trust my life to providence
 I trust my roul to grace」

ポール・シュレイダー×スコセッシ

アブグレイブ刑務所にて、米軍人側で犯した罪によ
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かぞく(2023年製作の映画)

3.4

土田世紀原作の同名漫画の映像化
未読

四人の男の"家族"をテーマにしたオムニバス
ストーリーは交錯するが人物が関わる事はない
無駄を削ぎ落とし過ぎた演出は良い意味で無骨、悪い意味で不親切
原作者らし
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.2

良い方にも悪い方にも一途で自分勝手な10代の想いっつーのは見ていて恥ずかしくてむず痒くて、ちょっと羨ましい
山田杏奈のビジュアルじゃなきゃ視ていられないくらい居心地の悪いシーン有

ラストのセリフに違
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.6

わたしは男だから藤原季節演じる直哉のセリフや仕草、会話の間なんかを意識して観ていたんだけど客観的に見ている分、かけるべき言葉・かけて欲しい言葉はそれじゃねーだろってのが節々にある
でも、いざ自分も同じ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

天才ではないが熟練者
打率10割の凄腕殺し屋
The Smithsを聴いて心を落ち着かせる

そんな殺し屋がミスをする

始まってからしばらく独白により彼の仕事への向き合い方やポリシーなんかを聞かされ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

マリオ愛、任天堂愛を感じる
背景、小物、BGM、演出等々、見つけたりわかるとニヤニヤしてしまう
兄弟の就職先が『レッキングクルー』ってトコからワクワクする
マリオが家に帰ってするゲームは『パルテナの鏡
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.6

『インセプション』や『テネット』等のノーランが得意そうな設定をまさかロバート・ロドリゲスがやってくるかという衝撃はあった
特別頭を使うワケではないが、コンパクトな時間で畳み掛けてくる展開は見ごたえがあ
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大河への道(2022年製作の映画)

3.2

一般的に受験用の知識枠に過ぎない人物を大河ドラマの題材にして人を呼び込めるかどうかには大いに疑問が残る
案の定、作中では早々に退場してしまう
それでも伊能忠敬をキッカケにしたプロジェクトをクスッとさせ
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キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)

3.4

「たわごとはバカに言え」

内なる狂気に蓋をしてきたが、あるキッカケでそれが目を覚ます所からスタートする

保安官補佐を演じるケイシー・アフレックが連続で殺人を犯すのだが、これが行き当たりバッタリ過ぎ
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.1

養子縁組や国際結婚等、市民権に関わるアメリカの制度の穴にハマった一つの家族の物語

この問題に明るければ主人公の行動にも理解できたのかもしれないが、切羽詰まっているはずなのに問題解決から遠い選択をする
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

3.5

6本の短編
昭和なバーのマスターで探偵のマリコ(伊藤沙莉)
彼女の周囲はザワついているのに、"探偵"という程の"所謂"な描写が少ないのが特徴的

私は『鏡の向こう』『姉妹の秘密』がお気に入りだった
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スワンソング(2021年製作の映画)

3.8

愛しさも憎しみも入り交じった地元からの予期せぬ便りは亡き知人への死に化粧の依頼

老人施設住まいでやることといったらこそこそタバコをふかすか、紙ナプキンを丁寧に折るくらい
シャバに出ればすっかり変わっ
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レベッカ(2020年製作の映画)

3.2

ぶりぶりの恋愛モノの様な入りから、女性の成り上がりモノの様な雰囲気もある序盤
中盤からはサスペンスやホラーの香りが漂い始める
そしてラストカットの威力
ここに至るまでの長いフリが決まった瞬間じゃないだ
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わたしの魔境(2022年製作の映画)

2.9

マルチ商法の会社に就職した一人の女性がカルト集団に入るドラマパートと、オウム真理教の関係者のインタビューパートで交互に展開していく形の作品

ドラマは令和にオウムの様なカルト集団がいたら…という設定。
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ザ・カンファレンス(2023年製作の映画)

2.7

スラッシャーホラーのテンプレの様な作品
登場人物もストーリーも可もなく不可もなく
スウェーデンの人なら笑えるのかな~と思うような箇所がチラホラあるが、私は笑えなかった
頭ずるむけと、ラストシーンで被害
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次元大介(2023年製作の映画)

3.1

「2発もありゃ充分だ」

玉山次元がどーみてもバーのマスターにしか見えないのは置いといて…
ハードボイルドな世界観に闇に生きる人間達
原作よりも暗い雰囲気は次元大介の孤高さを際立たさせる
観賞後の印象
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.9

「正直になるには後押しがいる」

※先にリメイクの方を観てしまったので、比べるかたちで観てしまった

奥さんの好きなピンクの花の値段でもめる冒頭のシーンで、私はオリジナルの方が好きだなと思った
リメイ
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.7

ロープ
ホース
電車
排気ガス
ショットガン…

超頑固者の心の壁を無遠慮者がガスガス踏み込み氷解させていく

向かえに引っ越してきたあの奥さんのドアの叩き方がメチャクチャ嫌いなんだけど、時間が経つに
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スマイル(2022年製作の映画)

2.9

患者が医者の目の前で、患者自身が顔を傷つけながら死ぬ…それも笑いながら…。

『リング』の亜流の様な雰囲気のサイコホラー
現象への理由は一応ある
が、何故smileなのか理由はなかったように思う(見逃
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峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)

3.0

越後は長岡藩の家臣・河井継之助
その最期の一年
数百人で数万の大軍と渡り合うという作品の触れ込みだが、作品としてそこがキモなワケではなく、一人の幕末の武士として藩や武士、幕府への考え方、そして抗うこと
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レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

3.7

骨太過ぎる演技とストーリー
よそ見も早送りも許さない、現代の流行りからは遠い作風
ベニチオ・デル・トロ以外なら、よくあるストーリーとオチに記憶に残らない映画になっていたと思う

説明セリフなど皆無な為
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(2023年製作の映画)

3.5

ねぇ、ちょっと!あれ蜘蛛じゃない?
と、深夜に部屋の白い壁に黒い邪悪を感じて暫く対峙する私。
結果、メガネのゴミがそう見えただけというハイボール5杯目の夜の出来事
そんな身近にありそうな勘違いから始ま
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.6

"名前を言ってはいけないあの人"が、ワームテールになっていると思うと少し笑えてくる

作品自体はタイトル通りネズミ捕りの男の話
シャツの中のアレは…レイフ・ファインズ扮するネズミ捕りの男のなんともいえ
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白鳥(2023年製作の映画)

3.5

友人が観ていて複数ある事を知ったウェスの短編(シリーズ物?様式を統一?)
昨日観たワンダフルな方で絵本みたいだと思ったが、こっちはより寓話的

笑えないし幸せな気持ちにもなれないが、短編としての切れ味
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.9

短編なのが勿体ないが、これくらいが丁度良い
語りが早口な為、実質60分くらいの内容か?!

一目見ただけで誰が監督かわかる唯一無二の世界観
こちゃこちゃしたセットに相変わらずの色使い
その画面の構成か
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.9

"最も黒くて最も邪悪"な絵
それを見たものは…
という古典オカルトミステリーの様な安っぽい設定なのに満足度は高い
なによりちゃんと岸辺露伴のキャラが立っていて、彼ありきの作品だと認識できる
ドラマから
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.5

「進歩の敵は?」
「カオス」

50年代辺りのアメリカの裕福な生活
旦那は稼ぎ、妻は家庭に収まる
一見幸せそうな家庭・街だが、時折地震が起きる
サブリミナルの様に何かの映像が見え隠れし、ついに決定的な
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ブロウ(2001年製作の映画)

3.5

エスコバルともズブズブの実在したドラッグディーラー、ジョージ・ユングの半生
ドラッグがらみの作品でハッピーな終わり方をするモノは少ないワケで、彼の物語もまた例に漏れず
成り上がり、裏切られ、落ちぶれて
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