黒人の差別に対する憤懣がピークに達し、民衆の暴発は"When?"ではなく"How?"に変わっていた最中に発生した事件。
事件も時代背景も忠実に再現され、とてもリアルな展開に息をのむが、チョット詰め込>>続きを読む
偶然にも近所で女性ばかりを襲う連続殺人事件が起きた。その犯人と遭遇してしまった。娘が危ない。だが娘を狙うのは殺人鬼か、それとも自制心を忘れ人殺しをなんとも思わない昔の自分か?
二転三転の展開。
新し>>続きを読む
佐藤健を誤解していた。
出演作品を一本も見たことがなかったので完全に食わず嫌いである。気にはなっていたが、福山雅治と同じくらいにしか受け止めていなかった。
しかしこの作品が後半に差し掛かり、それまで>>続きを読む
ここでも戦争が天災のように扱われていた。
心情的には、戦争で失われた過去や狂わされた人生が、たとえ死の間際であっても報われるような結末は、モツ煮の中に混じったゴムチューブの切れっ端をモツだと自分に言い>>続きを読む
「自分がされて嫌なことを、他人にするのは良くない」子供への教訓。これは大人にだって当てはまる。
しかし嫌な奴に、自分がされて嫌なことをあえてしたくなるのは、仕方ないのではないか?それが嫌がらせなのだか>>続きを読む
「フランスでは、三色旗の"白"って"ホワイト"ではなく"ブランク(空白)"なんだね。」と『トリコロール』の公開当時、友人が教えてくれた。色ではなく"無"なのだ。
だとすれば"平等"を表すのも合点がいく>>続きを読む
『ふたりのベロニカ』にも通じる展開。
ここでもイレーヌ・ジャコブは運命の赤い糸に翻弄されながら未来につながる新たな糸口を見つけ、他者の途切れた赤い糸を頼りに繋げていく。
キェシロフスキは大人の童話作>>続きを読む
類稀な才能を持つ年端も行かない子供のために、周りは何をしてあげられるのか?何をしてあげるのがベストなのか?
子供の思うがままにさせてあげたいが、たとえ両親から取り残された子供とは言え、社会性を養うた>>続きを読む
キェシロフスキの作品に登場する女優は皆、溜め息が出るほど美しい。角度美人のジュリエット・ビノシュが一番美しく見える作品だと思う。うつむき加減で何かを見つめる、少し陰りを孕んだ横顔が特に素晴らしい。>>続きを読む
イレーヌ・ジャコブの美しさに兎にも角にも脱帽。
もう一人の自分の存在をテーマにしたものは、大抵そのつながりを紐解いていく物語が多いし、見る側もそれを期待する。
しかし『ふたりのベロニカ』は既に"つ>>続きを読む
戦場で起こる全てのことに善悪など関係なく、ひたすら地獄の沙汰である、ということ。見たくも無いものをみせつけられ、終始銃弾に脅かされ、他人を全く信じられず、腹を下しても食べられそうなものはとにかく食べる>>続きを読む
LAIKA印の作品は素晴らしい!『KUBO』絡みで見てみたが、嬉しいくらいに凝った作りでタマラナイ。
コレ、非常に真っ当なおとぎ話。好きなことばっかりやってると痛い目にあう。でもその根底には、親から>>続きを読む
何よりイザベル・ユペールがスゴい!
やはりフランスの女優さんは映画に対する意気込みが段違いだ。
全てのキャラクターが笑顔の裏に秘密を持ち、色んな可能性が並行して進行する中、救いようの無いお人好しでチョ>>続きを読む
これ、アーサー・ミラーの『セールスマンの死』を事前に見とかなきゃいけないものなんだろうか?
この作品の進行と芝居の題材とが全くリンクしないので、ずっと勉強不足と言われてるような気がしてた。
丁寧に作っ>>続きを読む
今更の話だが、黒沢清の作品はいつも不気味だ。
神妙なシーンになると極端にライトが落ちて、主要人物の顔だけが弱々しい光で仄かに浮かび上がる。まるで寄席で怪談話の講談を聴いているようで、むしろ滑稽さすら誘>>続きを読む
NHKドラマ版がとても良かった。
県警、警察庁、記者クラブ、そして「64」事件の被害者の全てから、まるでサンドバッグのように叩かれ続けながら、耐える三上役のピエール瀧がハマっていた。
だから正直、も>>続きを読む
わけもわからぬまま、イキナリ何でもアリな状況に飲み込まれ、全てにチグハグさを感じながらも、とにかく松岡茉優の千変万化な芝居に目を奪われっ放しだった前半。
ところが「一」との再会の顛末から、それまでの>>続きを読む
「また、新しいCG作ったんで見てください!」って作品。
なんだろう?
「子ども映画」ってジャンルが昔あったような気がするが、最近は"大人も楽しめる"的な作品でないと良くないような風潮がある。
これ>>続きを読む
内容知らずに、ただ友人が今年のベストワンに選んでたので、アップリンクに見に行った。
最初は、田舎娘が美貌だけでモデル界でのし上がっていくために、関わる人物を蹴落としていく話だと思ってみてた。
とこ>>続きを読む
合う合わないってのが映画にはつきものだが、好きな評論家とか芸人とかが褒めてる作品がイマイチ面白くなかったときは残念だ。
水道橋博士が勧めてたので、少し期待してた。
間宮祥太朗って役者も、若手の中で>>続きを読む
現在の『スター・ウォーズ』シリーズは『帝国の逆襲』から始まっていると思う。
『新たなる希望』ではまだぼんやりとしていた"フォース"の輪郭をくっきり浮き立たせ、主要キャラクターの関係性をより明確になる>>続きを読む
オープニング、居酒屋で徳永(菅田将暉)と意気投合した神谷(桐谷健太)が、別れ際にさっそうと階段の手すりに乗っかり、ツルツルと滑り降りていく。
涼しい顔をしながらどこか危なっかしげで、終いには勢い余って>>続きを読む
「クボ」?苗字?また国辱映画?なんて心配は杞憂に終わった。
確かに和洋折衷ならぬ和"中"折衷な感じがプンプン臭っていたが、途中からそんなのどうでも良くなった。
オープニングの、大波が三味線の一打ちで>>続きを読む
ああ、やっぱり韓国映画はスゴい。
最前線で最も大切なのは自分の命。その命を守るため一番頼りになるのは、最も身近にいる戦友だと思う。独りだと簡単に損なわれがちな気力も能力も、傍らで一緒に銃を担っている>>続きを読む
『パターソン』とは違う"詩人"のテイスト。
『ブレードランナー』とは違うアートがそこにある。
「なんだこれ?、これでいいんだ、いやむしろこの方がいい。」
そして最終的に「これでなければダメなんだ!」>>続きを読む
人生が交差するとき必ず摩擦が生じる。それが心地よいときもあればヒリヒリとした痛みを伴うときもある。
若い時は加減を知らず全身でぶつかり合うので、その熱は高く、激しく、時に身も心もボロボロになってしま>>続きを読む
TV版の再放送をまとめて見たのが5~6年くらい前だったか?
DVDに録画したのをケータイに落として、通勤電車の中でクソちっちゃい画面を覗き込むようにして見た。
それでもメチャクチャ面白かった。
この時>>続きを読む
ウシジマ=山田孝之、この図式は誰も崩せないだろう。
ファイナルともなれば色んなものを詰め込んでしまい、結構大雑把になりがちなのだが、この作品はきっちりまとまってた。
キャストも豪華で、なぜ安藤?とも>>続きを読む
マトモな人間が一人も出てこない中、唯一蒼井優の姉だけはシッカリ地に足をつけて生きてるような感じだったが、その姉でさえ「浮気する男なんてみんな死ねばいいのよ。」とつぶやく。
誰しも心に闇を抱えて生きて>>続きを読む
'10年代、現在進行形の日本の若者像を、等身大に切り取ったような作品。
脚色はあっても虚飾はない。
無言の時間の方が多くの言葉を内包していて、本来の出発点であるはずの詩のモノローグが、あくまで映像の効>>続きを読む
ハンセン病
樹木希林の可愛らしいこと。
永瀬正敏、幅広い役者。
樹木希林の孫でモックンの娘さん、結構堂々としていた。
「わたしたちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれ>>続きを読む
希望、向こう側、前から向かってくる。
一番好きなものを捨てる。
次に進む。
夕日の向こう。
すがる思い。
見ているものの見え方を決めるのは自分。
失われるものは常に美しい。
光とは感じるもの。
映画の>>続きを読む
映画は待っていてくれる。
この映画を、やっと観ることができた。しかも劇場で。
闇の中でざわめく少年たち。
殴ることも殴られることも厭わず、大人たちをも手玉に取って争いながら、奪い合うのは一人の少女>>続きを読む
この、切なさ。
いつかどこかで感じた事があった。
「地球は綺麗だなぁ...」
地球を救うため太陽に突っ込んでいくアトムが、小さくなっていく地球の姿を眺めながらつぶやく言葉。1966年の大晦日の出来>>続きを読む
このシリーズはウシジマくんと悪の組織との抗争ではなく、あくまで闇金を借りなければならなくなった、どこにでもいる小市民の没落と再生を描いたものである。
だから本編にウシジマくんが登場する時間は極端に少な>>続きを読む
前のレビューが長すぎたので...。
無差別殺人。
死刑囚となったその犯人と家族。そして突然現れる、死刑囚と獄中結婚を希望する若い女性。物語は田中麗奈扮するこの女性の視点で、その家族の経過と過去を追っ>>続きを読む