空きっ腹に酒さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

空きっ腹に酒

空きっ腹に酒

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午後3時の女たち(2013年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


オープンに話せるマッケナが羨ましかったのだろう。ストリッパーなことも、セックスワーカーであることも隠さず話す彼女が、新鮮で、かつ刺激的で、自由で、惹かれたんだろうな。自分と真逆な人間とか、接点のない
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

日常は脆く簡単に壊れる、それをこれほどにまで静かに、かつ雄弁に物語る日常の映画に出会ったのは初めてかもしれない。
ふとしたことで崩れるルーティーン、それは彼女の毎日のバランスを崩すことを意味するのだと
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すべてが許される(2006年製作の映画)

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記憶は嘘をつくことがあるから、真実を確かめることは生きていく中で時に必要となるのだろう。止まったままのふたりの時計の針が動き出し、そこには変わらぬ愛があることを知る。空白の時間を埋めるかのように会話を>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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ここではないどこかへ行きたいのに、どうして抜け出せないままなんだろう。ある出会いを果たして、何かが始まるんじゃないかって予感めいたものを感じたはずなのに、やっぱり結局何にも変わらない。一年の早さには
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アスファルト(2015年製作の映画)

5.0


この広い世界の、たくさんのひとがいる中で、とある団地で出会った、小さな世界に住むひとたち。小さな出会いは、誰かの特別になって、なにげなく交わす言葉が、昨日までの人生をちょっぴり変えることがあるかもし
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

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麻薬の所持および使用の罪で捕まったボクサーのビリー。その収容先は、世界でも特に最悪と言われているタイの刑務所だった。レイプ、ケンカ、自殺、殺人、賄賂の横行…が日常茶飯事なそこで、ビリーはムエタイを始め>>続きを読む

ブエノスアイレス恋愛事情(2011年製作の映画)

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こんなにも近くにいるのに、すれ違いまくりなボーイミーツガールinブエノスアイレスなオシャレ映画だった。
medianerasって、境界壁、共有壁、って意味らしい。ひととひととを隔てるものでありながら、
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メランコリック(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


色々とツッコミどころがあるので、たぶんこの作品はコメディなんだと思う。なんとなくバイトを始めた銭湯、ここまではok、で、死体処理。って、燃やしてハイおしまい!そんな簡単じゃないでしょー!!!どう考え
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退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

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“死”は特別なものなんかじゃない、すべての生きるものに唯一平等に与えられた避けられないものだ。それはある日お別れの言葉も用意させてくれない程に突然やってきたり、静かに少しずつ忍び寄ってはひとを飲み込
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

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テルちゃんがマモちゃんに言ってた“手が綺麗”、“手だけは綺麗”って、ささやかだけど恋をするのには充分すぎる理由だ。

細くて骨ばったからだとか、それからは想像がつかない大きな、でもちょっとなで肩な後ろ
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南へ行けば(2009年製作の映画)

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とらわれたまま、夏、南へ行けば。

幼い頃に父を亡くし、母と別れた過去にとらわれ心を閉ざした男と、恋がしたい、愛が欲しい、自由を求めるふたりの兄妹、と、ひとり旅の道中ナンパされた男。旅は道連れなんと
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砂時計(1973年製作の映画)

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再鑑賞。

ようこそ迷宮の世界へ。
足を踏み入れたら最後、もう戻ることの出来ないサナトリウム。さながらサラサラと落ちては積もり、またひっくり返してはサラサラと落ちて積もる砂時計のように、行ったり来たり
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母という名の女(2017年製作の映画)

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母という名の仮面の下にいるのは怪物。

自分の美しさを自分で分かっていて、“女”であることを最大の武器にして生きてる姿がとっても怖い。欲しいものは欲しいのだと、愚直なまでの欲望に、手段を選ばず、自身
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

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過去の自分に“あなたは今、しあわせ?”って聞かれたら、自信を持ってyesと答えられるだろうか。
 
タリーは結婚前の彼女自身だった。
とても賢く、愉快で、子供の世話も、家事までパーフェクト。子供を産ん
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マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)

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少しおかしくても、わたしはお母さんが大好き。だから一緒にこのおうちで暮らし続けたい、わたしはお母さんと一緒にいたいの、どんなことがあっても。お母さんはわたしと一緒にいるべきなのよ、ねえ、そうでしょう
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

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うおー。観るのがきつかったよ。

クソ男が!!って何度心の中で舌打ちしたか…。飼い犬蹴るわ(ほんと無理)、嫁に手をあげるわ(絶対無理)、警察という仕事にしたって尋問する相手へ容赦ないわ、浮気はするわ
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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すべてを失った中でも諦め切れなかった聴力。再び音のある世界を手にした彼を取り巻くは、サウンドオブメタル。そこには彼の知っていたかつての音はなかった。ずっと欲しがっていたはずの音に囲まれた時、彼を救っ
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

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春は嵐を呼ぶ季節。
うずく欲望を抑えることも出来ず、欲しいままに貪り合う互いのからだ。まだ少し寒さの残る中、彼らは眠っていた花を咲かせる、春がくるのを待っていたかのように。初めて咲いた花と、摘むんだ
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

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虚構と現実が混ざり合うかのような世界に感じるのは、不思議な心地好さ。男たちが恋をしたのは、淡く儚く、いつか泡となり消えてしまいそうな人魚の姿となった女たちだった。人魚たちはあまりにも自由に、どこへだ
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メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

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若さは無敵だ。 
って、そこを通り過ぎてきた大人が言うと、途端に無責任な言葉に思えたの、これが初めてだ。ショックだった。私も常々若さは武器だし無敵だって思っていたけど、まさに“そこ”にいる彼らにとって
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2046(2004年製作の映画)

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本当に欲しかったものは、あの頃の君だけ。

唇を重ねようと、肌を重ねようと、打ち明けられない淡い想いを抱こうと、別れと出会いを繰り返し、前に進んでいるようで、その実違う、僕の心にずっと居座って離れな
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花様年華(2000年製作の映画)

5.0


大人たちの悪戯な遊びは、いつしか恋へと変わっていった。
お互いのパートナーが不倫関係にあることに気付き、始まった関係。それぞれの相手への復讐心からなのか、はたまたいたずら心からなのか、それとも半ばヤ
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

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zzz...

寝ても覚めても夢の中
記憶だって、夢のように曖昧で朧げなもの、目を閉じればそれは突然現れて、つかめないまま消えていくんだ
会いたかったあのひとは、いつしか姿を消したあのひとは、そうだ、
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欲望の翼(1990年製作の映画)

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一分間の友達から、二分間への友達へと、そしてベッドをともにする仲になり、いつしかあなたの全部が欲しくなっていた。手に入らないのがわかった途端、悲しくて虚しくてやりきれないまま手放して、でもあなたは追
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死者からの手紙(1986年製作の映画)

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絶望のトンネルから抜け出せなくなった時、ひとは死を選ぶけれど、歩みを止めないひとだっているのだ。生き続けるのだ、そこがディストピアな世界だとしても。「前進してさえいれば希望はある」からだ。
終始流れる
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

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モノを捨てることも簡単ではないのに、人間関係を手放すことは、もっとずっと難しい。モノにもひとにも、感情や思い出がまとわりついてきて、いる/いらない、だけで選別することが出来るほど単純でもなかったりす
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

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恋の始まりから、愛の終わりまで。
この世界にはたくさんの男と女がいるのに、どうして私はあなたじゃなきゃダメなんだろう。一目惚れも、恋に落ちるのも、そこに理由なんかいらない、性別なんて関係ない、もっと
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

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本当の幸せってなんだろう。
誰もが羨むような広い家に住むこと?稼ぎのいいひとと結婚すること?妊娠すること?
どれも違う、なんか違うの、そうじゃないの。
食事の席で、会話を遮らないで欲しいし、スマホの
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

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欲しかったのは容れ物♂
でも受け継ぐのはあなた♀
だからあの夜の出来事は、すべては、起こるべくして起きたこと。
抗おうとしたって無駄だわ、あなたたちにはあたしの血が流れてるんだもの。
引き継がれていく
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

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生まれ落ちた時からいつか迎える死へと歩んでいるのに、“生きよう”と希望を持つ、そんなん人間くらいだ。
不確かなことばかりのこの世界で、物事が好転しないことも本当は分かっているのに、“もしかしたら”と
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