Moominさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Moomin

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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

5.0

たまにある、ずっと見ていたくなる映画

コーダとして生まれた主人公
家族との葛藤を描きながらも、夢だった歌の世界へ

とてもミニマムな登場人物で構成されている だけども世界観が異常に深くて広い
セリフ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.5

一貫して家族の形

赤ちゃんを、高く売る
そんな事実に集まった男女のお話

さりげない日常の一部を抜き取ったかのような空気の始まり
徹底してカットの構成が天才的だが、天才だと感じさせない程うまく馴染む
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

-

レベル高いなって映画

何十年ぶりに帰郷する主人公
故郷と家族を捨てた者に対する待遇とは

一つの家屋という狭い空間で八割方構成される 圧倒的セリフの群像劇

正直解説読むまで把握できなかったポイント
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あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

4.8

被写体との距離

「愛する」とは

韓国のある地域のおしどり夫婦
彼らの生活を覗く

流れる日常に、カメラがどこまで追うのか
彼らの日常の、何を見せるのか
何を見せ、何を表現していくのか
おしどり夫婦
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.6

続編の難しさ

日岡と呉のその後

前作と比べて、どこに着目されるのか
個人的には前作が役所広司さん松坂桃李さんの演技、演出、タイトル含め全てが秀逸過ぎた為 その衝撃を超えることはできず
前作ではどこ
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余命10年(2022年製作の映画)

4.7

監督を追いたくなるような作品

余命10年の女性
そんな彼女が出会う、死にたかった男性

よくありがちな設定
どう見せていくのか、どこを見せていくのかの演出勝負
そこにしか目がいかない程の見方にはなっ
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スモーク(1995年製作の映画)

4.5

映画を読み解くことの面白さ

街の一角に佇むたばこ屋さん
そこに訪れるお客と店員を軸に、それぞれの人生に潜り込む
感覚はアモーレス・ピレスのような

映画を観るのも受動であってはいけないなと 代わり映
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わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)

-

途中断念

世界に蔓延る社会問題に、近い距離でカメラに収めていく 記録映画

大学で勉強してきた映画とは乖離していて、どこか耐えられなかった

映画を作ろうとしたのか
映像表現をしようとしたのか
伝え
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牛久(2021年製作の映画)

-

制作の意図とは

牛久入管所を隠し撮り
どんな実態なのか。昔の話じゃなくて、ほんの少し前の話

ドキュメンタリーの強さを感じる一方
ドキュメンタリーってこうでいいのかなって
面白さに欠けるかもしれない
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スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

4.6

映画は時に芸術的に映る

16歳 高校生のスザンヌ
周りの同級生のノリとはウマが合わず
退屈した日々に一回りも歳上の男性と出会う

スザンヌのささやかな表情の変化がこの映画美しくする
それは作られた顔
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

-

映画では無いかなと。

解説映像のような
映画にするほどの内容でも

お酒のツマミにはなる
でもこれ作っちゃうと、映画の意味あったのかなあと

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

5.0

久しぶりにドハマり。

ちょっとした飲み会のちょっとした一声から2人の男女の運命が動き始めて
背景には就職が描かれ現実軸の悩みと上手く絡み合わせる

何気ない気さくな演技と、セリフと、場面設定と、今作
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

初めての人が見ても分かるような構成

武器として育てられた女の子が
郵便会社の代筆人になって世界を知るお話

画の優雅さは言わずもがな
音楽まで美しい

それでいて構成も上手い
観客を良い意味で裏切る
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街の上で(2019年製作の映画)

4.8

何故こんなにも見ていられるのだろう

下北沢の古着屋店員が主人公
代わり映えない日常に
少しの非日常が混ざったときの
混乱具合が描かれる
人生ってその連続

冒頭から始まる今泉さん特有の
台詞回し
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.9

これが映画のショットっていうやつかね  

ロゼッタ
アル中の母の元仕事を探す
数ある救いの手に彼女がどんな決断をするのか
カメラは永遠と彼女を捉える

カメラーーー。
ダルデンヌ兄弟はどこまでが計算
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.9

なんか一生敵わないんだろうなと

ふとしたきっかけに故郷に帰ることになるが 主人公にとって故郷は良い思い出ばかりでなく 彼の生きた証が深くあった

競うものじゃないんだろうけども
こんな映画作れないん
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

評価高い理由が理解できる

別れたことが前提で始まる男女の日常
ふとしたきっかけに。ある誕生日の1日を数年間分振り返る
「ちょっと思い出したかのように」

『愛がなんだ』『ボクたちはみんな大人になれな
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生きちゃった(2020年製作の映画)

4.0

観る人の視点によりけり

ある一つの幼馴染のコミュニティを切り取った作品
大人になり、結婚し、子供が生まれ
しかし付き纏う夫婦間での問題
破綻していく家族関係に、言いたいことを口にすることができない主
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃに好きだった

30歳の誕生日を迎える主人公
才能を抱える彼にとってそれは人生の岐路の1つだった
自分の身近、バイト先や恋人との問題。そういった所に細かく視点を当てていき、自分という人物が
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.5

想像以上に良質な作品

ちょっとした恋模様から近所の銭湯で働くことになった主人公
しかし銭湯の夜の顔を知ってしまった主人公
恋と暴力との掛け合い…

無駄のない脚本
要素が少ない分、余計な雑念が生まれ
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空白(2021年製作の映画)

4.7

空に放たれた「疲れたな」

日本の現代にも蔓延る中高生による万引き事件と交通事故
その被害者と加害者に焦点を当てる
いや、今回の場合は加害者ではないかもしれない

手持ちのカメラが作品を通して良い演出
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.9

感動とかを超えて、鳥肌が立つ

4人の登場人物が軸となり、それぞれの生活が描かれる
誰にでもある人生においての躓きや絶望を描く
そこで共通した「満州里に一日中座っている象がいる」という微かな希望
彼等
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帆花(2021年製作の映画)

4.8

あけましておめでとうございます。
今年で映画の大学は卒業し、テレビ業界に就職しますが、これからも映画製作への夢は続きます。何卒よろしくお願い致します
(映画を作りながら働きます)

新年一発目は先輩の
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

良質な映画であるのは間違いない

だからこそクライマックスの伝えたい所がそこなのか…という印象
そこに至る過程の映像と演出、絶妙な気持ちの表現は確かに凄かった
視線の誘導やカットバックの多用、伝わるは
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.8

松岡茉優。

彼女の恋愛遍歴のお話。
憧れた王子様一(いち)
職場の同期のニ(に)
双方との恋愛模様を松岡茉優の怪演によって映し出す

この演技を評価せず何を評価するんだろうか この作品のテンポは微々
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

5.0

ド傑作

訳も分からぬカーレースから始まり主に3つの人物構成で話を進める 一見別次元のお話に見えて、クライマックスにその意味が分かる

『愛』の物語 それもどれも悲劇の。
分かりやすくも、かなり細かい
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チーズとうじ虫(2005年製作の映画)

4.9

人の温かさの描き方の一つ

母親の姿、生活を映す 母のガンが見つかってからも、娘からの視点で家と家族と母を映し出す
いくつもの構成に分けて、物語を並べる

彼女にしか撮れない家族を、ただのホームビデオ
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

4.0

歌を歌うもののロードムービー

女性二人と男一人 解散を決めた後の全国ツアーからお話しが始まる

劇的なドラマ 恋愛がある訳ではない分
歌が輝き過ぎていた それが狙いと言われれば何というか
エンドロー
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記憶の戦争(2018年製作の映画)

4.8

ベトナム戦争時 韓国軍による虐殺の被害を受けたある村の生存者が語る

前半・後半
前半は3人の生存者にフォーカスを当てたインタビュー構成 その時何が起き、何を見て、何を感じたのか
後半はタンおばさんの
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.8

自分を形作る上で出会った登場人物達

現代軸のお話から あることをきっかけに過去とその時代を振り返る
誰と出会い、どんな言葉に自分の人格が形成されたのか それはいつ、どの時代であったのか

観る人によ
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.0

復職かボーナスか

休職中の女性が復職を目指し同僚を説得するロードムービー

「その手に触れるまで」
と打って違い、淡々と日常を映し出す
ボーナスか同僚の復帰か
ダルデンヌ兄弟監督作は俳優の演出がめち
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バケモノの子(2015年製作の映画)

4.7

キャラクターの個性

もう四回ぐらい観てる
役所広司演じるクマテツと宮﨑あおい演じるキュウタの師弟物語 クマテツのキャラクターが今作の物語を突き進めていた

圧倒的街の実景から景色や風景の印象が強い
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きこえなかったあの日(2021年製作の映画)

4.5

誰かが拾わなければ出来ない映像作品

耳の聞こえない方々の震災の日から、監督はカメラを回し記録してきた
その人達がどのように生き、社会がどう変わっていたのかまで視点を広げる

監督が対象者に寄り添う姿
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

5.0

学生最後の映画製作もあと一週間で終わる
精神的に映画を見る元気が無かったから、こんな時期にサマーウォーズを観る

2009年上映でこの内容の密度は驚きざるを得ない

先輩の彼氏のフリをする主人公のひと
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

5.0

世界中のきっとどこかにいる
まだ戦争が終わってない者の物語

仕立て屋である主人公が
1945年からおよそ70年振りに会いに行く
収容所開放から匿ってくれた一人の青年に

足の悪い主人公 80後半では
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理大囲城(2020年製作の映画)

4.2

一種の記録映画

香港であった大規模な民主化デモ
今回はその中の理大学に焦点を当て、内部からその時何が起きたのか、その過程を映し出す

撮影者も監督も分からない それがこの作品を物語っているが
見た感
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