たにぐそさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

カンヌの次席、グランプリといえどさくっと観れる107分

傷心のフィンランド人30代空っぽ留学生とロシアのマイルドヤンキーが呉越同舟よろしく寝台車で極北の港町ムルマンスクを目指すロード・ムービー

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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.7

あまりにも痛々しい世界仰天ニュース……

「レクイエム・フォー・ドリーム」「レスラー」「ブラック・スワン」と同じく、「正しくない人間」の精神も肉体もとことん追い込んだ末の狭窄の極地、「宗教」に救いがな
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.8

何度目かのタートルズのオリジン

スパイダーバースのチーム製作とのことで蛍光色のペイントアート的なアニメーションの技法が今回も活かされていて目が楽しい

今年だけでもスパイダーバース2に長靴をはいた猫
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

方向性は違えどどこか「菊次郎の夏」を思い起こさせる、もう二度と戻ることができない時間、追憶と哀情と成長の物語。

この世でもあの世でもない彼岸にて、美しくも薄暗い楽園の宴で、フレディとボウイが愛を唄う
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.7

いやーこれは絶対に劇場で観るべきやったと大後悔…

神童✕秀才✕素人 そんな三人衆がそれぞれの葛藤を乗り越え殻を破るスポ根青春モノ
最近だと「ちはやふる」「蜜蜂と遠雷」が近いかな

なおかつ今の若者が
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.1

言わずと知れたポール・トーマス・アンダーソンの出世作で、ポルノ業界版グッドフェローズとも言える栄枯盛衰劇

全裸監督やバビロンのインスパイア元ってことでもっと血生臭くドロドロしてるかと思いきや、アンダ
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スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)

3.9

映画の魔法にとことん惚れ込んだ不器用な男

肉体も精神も人生すべてを映画に捧げた七転び八起きの映画人「シルヴェスター・スタローン」

屈辱も栄光も後悔も挫折も反省も人一倍経験し、闘い続けたその波乱の生
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.7

耳をすませば✕ボーイズラブ

「マイ・インターン」のデ・ニーロように善性の塊みたいな老人と内省的な悩める若者が出会って云々という、正直よくある「年の差友情ムービー」なプロットだけど、演出や画作りも上手
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.3

最低野郎共の最低な年末年始

やっぱ冠婚葬祭を蔑ろにする奴はロクな目に合わんのよねぇ

藤井監督初のエンタメ作かつ韓国製クライムアクションのリメイク…控えめに言って大成功で大満足でした!

ドタバタ劇
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.5

舐めてたオヤジが殺人マシーンでしたな1作

この手の話にしてはあまり主人公の動機に乗れず…評判に期待しすぎたか

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.4

今作を観れば明日から映画を「聴く耳」が変わります

トーキー映画黎明期からあの名作の裏側にあった技術の進歩、そして最新の音響技術の妙技まで、ハリウッドにおける映画音響の総ざらいをするというとんでもない
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

仏皇帝式高速ピストン!!!!!!🇫🇷🇫🇷🇫🇷

世界的には織田信長以上に擦られまくっている「ナポレオン」という題材に対して、今作は「不世出の革命家」「天才軍略家」としての面を徹底的に削ぎ落とし、1人で
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動く馬(1878年製作の映画)

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BABYLONEとNOPEに出てきた最古のアレ


Filmarksにあるんかい!

(2023年製作の映画)

4.0

ショートコント「切腹」

チャンバラ時代劇としてド直球なエンタメやりながらガッツリゴア描写もあるし、シュールなスカしも入れまくってる。死生観を巡る哲学からおっさんずラブなロマンスまである。

けど北野
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

3.7

実写版シティーハンター組の新作

“フランスのケツ🇫🇷”

楽しみだったアメコミヒーローパロディ要素は思ったよりあっさりだったけど、いくつか爆笑してしまった

・主にX-MEN周りの扱いひどすぎて最高
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.3

「恋に落ちたシェイクスピア」「女神の見えざる手」のジョン・マッデン監督作。

「主演コリン・ファース✕史実の諜報作戦」という面白そうな材料の割に淡白過ぎる作劇で、やっすいメロドラマパートが長目で中々し
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.5

ジャレッド・レトさんありがとう〜

ジェレミー・レナーありがとう〜

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

森見登美彦感
くだらないんだけどコミカルで楽しい。

ウェス・アンダーソンはこれくらいの尺が1番いいのかもと思ってしまうくらい楽しめました。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

自分語り型アサシン・サスペンス

冒頭のまんま「裏窓」オマージュのシーンから最後までもう相変わらずバキバキの画作り、日差しや夜の灯りが美しく、いつにもまして光の陰影の撮り方がピカイチでしたね。

あと
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

Singin' in the Rainのイメージがついに時計じかけのオレンジからアップデートされた!しかも最高の形で。

トーキー映画黎明期の「業界」は、まるで現代のTikTokerやYouTuber
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.7

Hey Siri 、デススターぶっ壊して!

久々のハードSF大作の新作で胸焼けしちゃう
“世界観を浴びる”体験としては近作だとDUNEに匹敵する良さ

ギャレス印でビジュアルはバキバキ決まってるけど
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

イングロリアスバスターズよろしく、極悪ナチスが紙風船の如く弾ける快作

敵も味方も土まみれ泥まみれそして血まみれで場末感満載でクタクタなのがよかった

ジジイが強い映画は問答無用でたのしいね(^o^)

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.4

初 志 貫 徹

凱旋門のところがフォールガイズみたいでかわちい

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.5

じゃりン子チエ(ハードコア版)そんなミナミの日常。
関西弁のどつきあい上等な掛け合いが懐かしく心地いい。

んーただ通して見てみると中盤以降冗長というか、原田監督の前作ヘルドッグスの熱量、勢いと比較す
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.4

「権力、権威」に潜むの魔力についてのお話。

「都落ち」の様子が乾いたタッチと劇伴も絞って静かにねっとりと2時間半描いていて、3分の2過ぎたあたりからどんどんと引き込まれてしまった。終盤の怒涛の展開も
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.1

評判通りの傑作!

新しい映像表現と桃太郎的な行きて帰りし王道ストーリーが絶妙なバランスで溶け合っていて、前衛的でありつつ誰が観ても面白いエンタメになっている。

バチバチにキマったアートディレクショ
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.0

人を殺して捨て台詞映画に新たな1ページ!
まさにクリスマスMIX「ホーム・アローンmeetsダイ・ハード」な快作!

こんな木曜洋画劇場テイストなLOVE&暴力な映画が令和になっても作られているのが本
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.7

「ユダヤ人問題の最終的解決」が話し合われた悪名高きヴァンゼー会議2度目の映像化。言ってしまえば数多のホロコーストを扱った作品の前日譚と観てもいい作品。

官僚的でありヤクザ者である、ハイドリヒを筆頭に
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