寿司さんの映画レビュー・感想・評価

寿司

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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.8

アメリカ映画史に残る名作の1つ。
黒人差別が残るアメリカ南部で、地元の差別的な警察署長と、都会からやってきた黒人警察官が時に協力し、ぶつかりながら事件を解決する話。

主演男優賞を受賞したロッド・スタ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.2

過去の事件がきっかけで半ば投げやりな人生を送る男が、兄の死と甥の世話をきっかけに因縁の地に戻り、自身の過去と向き合っていくお話。

傷を抱えた人間全員が、痛みを乗り越えて立ち直れる訳ではない。一部では
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

映画愛に溢れた傑作。

時は過ぎていく。世の中は変わって行き、技術は進歩し、過去は忘れ去られていく。人は老いて、生きることに段々と飽きていき、記憶が薄れていく。そんな無情な世界の中で、映画は過去の一瞬
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ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

4.0

笑いと悲しみが同居すると言う、観終わった後に感情がぐっちゃぐちゃになる映画だった。
戦争という、権力を持つ一部の人間が「非論理的に、気分で」始める所業によって、一般市民・個人の人生や心がいかに壊されて
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

言語化はできない。言語化はできないが、最高のライブ映画だった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

ヨルゴス・ランティモス監督が好きな自分としては正直物足りない作品だった。
子供の脳を移植されたベラの成長過程や思考の発展の仕方が、あらすじを聞いたときに自分が想像したものを超えてこなくて、平凡なストー
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.5

とにかく映像は美しい。特に室内のシーンは小綺麗さの中にどこか寂寥感が漂っていて、荒廃した未来がひしひしと感じられるので好きだった。

個人的に作品のテーマには納得がいっていない。前作では人間が生命をコ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.2

アメリカの西部開拓時代を舞台に、パン屋とホテルの開業を目指す孤独なコックと、大金を稼ぐことを狙う中国人の友情を描いた作品。主人公の2人は各々の夢を叶えるべく、発展途上のオレゴンに初めてやってきた村長の>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

一見同じことの繰り返しに見える毎日にも微妙な機微の変化があり、生きることやありのままの日常にちゃんと豊かさがあることを気づかせてくれる作品。この映画を観て、今この瞬間を大事にしたいという思いが強くなっ>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.0

最初はビリーの横暴さにすごく嫌悪感を抱いていたのに、物語が進んでいくにつれて描かれる彼の人に愛されたいという願望や、人生・過去に対するやるせ無さが痛いほどわかってしまい、最後はビリーと自分を重ね合わせ>>続きを読む

フェイク(1997年製作の映画)

4.0

マフィアに囮捜査で潜伏するFBI捜査官と、うだつの上がらないマフィアの友情を描いた作品。
ジョニーデップが仕事一筋故に家族や幸せから見放される寂しい男を、アルパチーノが出世レースから外れて人生を嘆いて
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髪結いの亭主(1990年製作の映画)

4.0

「人生と愛」をぎゅっと凝縮して描いた映画だと思う。
幼年期に恋愛や性について自覚し、その子供の頃に思い描いた憧れを意識的・無意識的に抱えて大人になる。そして、憧れを現実のものにし、壮年期に平凡な日常に
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.7

タランティーノの映画は、大きな物語の展開や思想性が無いにも関わらず、複数人の会話を観ているだけで面白いのがずっと不思議だった。その不思議さがデビュー作である本作でも遺憾無く発揮されていて、もう彼のセン>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

孤独な中年の男女が織りなす恋愛映画。

必要最低限の台詞・役者の表情・音楽でも登場人物の心情が痛いほど伝わってくる演出なので、映画としての密度がかなり濃いと思う。2人の恋模様にそわそわしたり、傷ついた
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大統領の陰謀(1976年製作の映画)

3.9

「マスコミが真実を暴く」系映画の最初の1作なのではないかと思う。アメリカ中を震撼させたウォーターゲート事件がどのようにすっぱ抜かれたかが描かれている。今見ると、昔の会社員の働き方やマスコミのあり方が見>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

ストーリー自体は面白い。教科書には載らない戦国武将達の権謀術数が描かれていて、歴史や人間の本質を観ることができる。黒田官兵衛や羽柴秀長に全て任せて自分では何も考えない羽柴秀吉や、織田信長に想いと恨みを>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

英雄でも悪魔でもない、1人の人間としてのナポレオンが描かれていて好感が持てた。頭脳明晰でカリスマ性がある偉人的側面と、血も涙もない悪人的側面に加えて、1人の女性に恋煩ったり、後継ができないことに悩んだ>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

イーニドのモラトリアムの感じが身に覚えがありすぎてしんどかった。

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

4.5

まるでドキュメンタリーのようにリアルに裁判を描くことで、冤罪という社会問題の根深さを明るみにした傑作だと思う。淡々とした演出だが、罪を被せられる恐怖がひしひしと伝わってきた。また、人がいかに物事を曖昧>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

2.5

ものすごく中途半端なところで終わる。海江田の思想や、彼の謀反の目的がまったく明かされないまま終わるので、観終わった後に作品について考えるフックがなく、モヤっとした後味だけが残る。
肝心の魚雷の戦闘シー
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男と女(1966年製作の映画)

3.5

あらすじは何てことのないラブストーリーだが、台詞での説明を端折って映像だけで出来事を伝える演出や、雰囲気に合った音楽の使い方が秀逸。

ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

3.8

しっかりとした青春映画。若者だから経験できる恋愛の喜びや家族との不和、失望を経た成長などが描かれていて、クストリッツァも若かったのだなあと思った。
クストリッツァ特有の音楽を使った演出やコメディ、ドタ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

気づかない内に、人は暴力の渦中に身を投じてしまうのだと感じた。
加害者は悪を悪だと思わない。

バービー(2023年製作の映画)

4.0

男性も女性もステレオタイプに縛られずにありのままで生きて良いという力強いメッセージを感じた。

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.5

2人の芸術に生きた人間が、戦争や革命といった歴史の大きなうねりに翻弄されていく様子は観てて辛いものがあった。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

アクションシーンは最高にカッコいい。肉弾戦もカーチェイスも迫力がすごかった。特に崖からバイクで飛び降りる場面は、予告編で何回も観ているはずなのに、本編で改めて観ると息を呑んでしまった。
ただ、ストーリ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.7

良い作品。良い作品なのだがその凄さを言語化できない。
多分色んな文化的教養を学んでから観たらちゃんとこの映画の素晴らしさを説明できる気がする。

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

3.7

ストーリーは少しガバガバなところがあるが、ジーン・ケリーのダンスと音楽が素晴らしいので見飽きない。

駅馬車(1939年製作の映画)

4.3

80年以上前の作品なのに、今観てもとても面白い。特にアパッチが場所を襲撃する場面の迫力は、現代のVFX技術では絶対に表現できない凄みがある。
インディアンの描き方等、前時代的な場面はあるにはあるが、現
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

「インディ・ジョーンズ」という歴史を愛し、考古学に人生を捧げた男へのご褒美として、とても綺麗な結末の持って行き方だとは思う。

ただ、本作では教授を引退したインディ・ジョーンズの老いや孤独みたいなのが
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.4

題材はすごく面白い。科学的な根拠に基づいた知見や提言を選挙の為にことごとく無視する政治家や、独自の謎理論で科学を語ろうとする経営者、陰謀論を考え出す一般人等、コロナ禍に散々見受けられた人間模様を的確に>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.8

アクションシーンやコミカルな演出は最高。マルチバースの話はちょっと食傷気味…。

プライドと偏見(2005年製作の映画)

3.7

原作がイギリス文学史きっての名作ということもあり、物語はとても面白い。役者たちも気合が入っている。
画面は綺麗だが、綺麗に撮ろうとしすぎていて逆にあざとさを感じてしまった。原作の最大の魅力は風景描写よ
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

カンヌで脚本賞を取るのも納得のでき。
細かいセリフ1つ1つが大きな破局の伏線になっていたり、いくつものミスリードが最終的に1つの事実へ集約していったりする構成はすごいとしか言いようがなかった。

タイ
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.1

タイムスリップの理論は色々破綻しているような気がするのだが、細かい伏線が丁寧に張られていたり、主人公の人間的な成長がしっかり描かれているので、エンタメ作品として純粋な気持ちで楽しめる。
主演のエズラ・
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