げるにかさんの映画レビュー・感想・評価

げるにか

げるにか

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.0

悪意がメイクマネーを蹂躙する行程が生々しい…ジャンルが変わる瞬間に目眩したし救いすら見当たらない現実にひたすら絶望。

いつも眩しそうな表情してるイーストウッドが毎回暗闇で眼がギラついてるの恐ろしくも
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

2.5

007とモンスターパニックの比率がアンバランス過ぎてどうも…。

ストーリーしっかりしてるのにサメが装置扱いされていて拍子抜けしたし、お決まりのヒューマンエラーも真新しさに欠けていて前作を越えれず終い
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.0

関係性の変化とユーモア溢れる登場人物の応酬。アクション性やシリアス感を削いだロードムービー、こんなにも愛に満ち溢れるとは…。

親子で観れる古き良きエンタメ映画でした◎
(詰めの甘さや絶対に当たらない
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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man(2005年製作の映画)

3.5

「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。」

その体現。

主要エピソードをコンパクトに詰め込んだ分、9課の関係性や
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.9

影の濃さは光源の数で変わり、木漏れ日は風や枝葉の数で変わる。良い比喩ですね。

日常を愛する気持ちと変化を愛する気持ちを持ち合わせて初めて人生を謳歌すると言えるんじゃないのか…?、と、ひたすら自問自答
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

意気込みと巨額の制作費を漂わせつつ期待に応える実写映画ってだけで快挙な上、VFXを適切に用いた一連の動物描写は後進の漫画原作に対する可能性を示したとも思えた。

フードコーディネート、雪景色の映像的説
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

倫理観や価値観を誰かの受け売りで語る女性に対するアンチテーゼとしては金字塔。

そして知識欲を含む様々な欲を成長に昇華するカタルシスに揺さぶられた。

女の子とは。性とは。時代とは。
それらの答えを非
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007/ユア・アイズ・オンリー(1981年製作の映画)

2.8

マッチョな演出ばかりで間延び感が否めず仕舞い。ヴィランも今ひとつ。

技術的に水中戦を映えさせるには早すぎたのかも知れないが、ヴィランや飛び道具もイマイチピンと来ない辺り察し…。

ボンドガールは綺麗
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

STファンなので終始デヴィッドハーバーのバフかかった説得力に包まれてた。親父より親父っぽいし。

シンデレラストーリーのメイクマネーに少年漫画由来の"友情努力勝利"の黄金比を混ぜたら傑作なのは言わずも
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.1

野生動物と飼育動物の狭間で揺れ動くEOの感情。車窓から放牧された馬を眺める瞳、ハンターに蹂躙されるオオカミを横目に彷徨う姿、アテレコ無しでも十二分に伝わるEOの感情。

エゴだらけの人間社会に振り回さ
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.0

作品自体の完成度や演出は過去作に比べると劣るものの、珠緒師匠が全部掻っ攫ってく様が痛快。スピンオフ作って欲しい。

歴代最強クラスの霊媒師をポッと出す辺り幕引きを感じずにはいられない。ズルズルやるより
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KUSO(2017年製作の映画)

1.2

引用元や劇伴に携わる全てが自分のルーツにも関わらず駄作にアウトプットされていて歯痒かった。ハイセンスの皮を被ったナンセンスの免罪符込みにしても畑違いの監督作として粗過ぎる。

山岡晃やエイフェックスツ
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IDOL-あゝ無情-(2019年製作の映画)

3.0

2期BiSの消耗に反比例して結束を強めるギャンパレとの対比構造が残酷だった以外はドキュメンタリー風エンタメの様相を呈していたし、ジュンジュンの物語でもあるような作りにひたすら疑問符。

アイドルの搾取
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キリエのうた(2023年製作の映画)

2.9

「あなたにとって私 ただの通りすがり
ちょっとふり向いてみただけの 異邦人」

この歌詞を含み持たせて子供に歌わせるシーンがハイライト。
メイクマネー、過去への贖罪、自己矛盾。この三本柱を支える為の1
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くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.8

クリエイティブなおっさんの同窓会。
バンドの歴史を紐解くよりも尊い瞬間が詰め込まれたドキュメンタリー、くるりらしさ溢れてて堪らなかった。

ジャムセッションから輪郭を探り練り上げる工程は言わずもがな、
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クリフハンガー(1993年製作の映画)

3.0

雪山の湖に飛び込んでも身震い一つしないスタローンのタフネス、Tシャツで雪山を闊歩してる割にローなスタローンのリアクション…ツッコミどころに満ち満ちた怪作。

冒頭の落下シーンはエポックメイキングだと思
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.1

酒の良さと恐ろしさのバランス感覚が秀逸。正に緊張と緩和。
依存するまでの過程が割とトントン拍子だったのに妻の浮気描写がマーティン擁護パートに見えてしまい非常に残念。フラットに酒類周りのエピソードで収め
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.9

殺しの美学を携えた悪役の底知れない恐ろしさ、007シリーズの強キャラに通ずるソレで説得力に満ちていた…。無駄に哲学披露したりね。

生き埋めシーンからの嘘みたいな脱出劇、鍔迫り合い中の急な眼球抉り、復
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.6

刀眺めるシーンで挿入されるLily Chou-Chouは良けれど、仇に遭遇した瞬間のBGMに関してはバラエティ番組で多用されてるしコメディっぽく見えちゃってダメだった。まるでドッキリ演出。

B級映画
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

2.0

映画より小説に興味惹かれた。
文章ならではの巧妙さを違うフォーマットで成り立たせる努力は伝わったが、今ひとつ刺さらず仕舞い。

台詞も文字映えするような臭みが先に来てキツかった。神様を閉じ込める、って
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The Documentary of WACK オーディション~オーケストラ物語~(2017年製作の映画)

2.8

WACK=渡辺淳之介
WACK=プー・ルイ

やってること完全にプロレスでアイドルとはかけ離れてるし、正直オーケストラ返上の流れも茶番で虫唾が走った。
でもカウンターとして刺さるにはtoo muchな
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タンポポ(1985年製作の映画)

3.7

人間は揺り籠から墓場まで食わずして生きられない。生きる為に食い、食う為に働く。その全てがこの映画には詰まっていた。

「美味いもん作ってるなら幸せそうな顔しないと」と諭す力也の発言通り、序盤→ラストに
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

3.6

QTにしてはパンチが足りない…作家性を求める層と彼なりのアメリカンニューシネマを求める層で評価が割れるのも納得。自分は前者だったので肩透かし喰らった。

殺人に明確な理由があると善悪や俯瞰で捉えられる
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.0

ヴィヴァルディの冬が流れた瞬間以外は基本的に凪。ミステリ、というかヒューマンドラマにフォーカス且つロジックも安直で特に菅田将暉の説法が長い…タイミングが合えばストンと落ちるのに多用するモンだからクドい>>続きを読む

ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

1.0

歌唱力に頼った長尺の浅はかなミュージカル、寒すぎるオタク会話、説明調の台詞。
脚本が役者の持ち味を殺す教科書のような作品。

こういう映画で楽しめれば生きるの楽なんだろうね。2度と観ない。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

原作に忠実、そしてルイージが囚われというポリコレ配慮。昨今のエンタメに擦り合わせたとしてもファンの幻想を壊さない作りは素晴らしく、老若男女安心して観れる作りなのはディズニーと一線を画してた。

子供の
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大脱出(2013年製作の映画)

3.0

極悪受刑者が割と大人しく、厳戒セキュリティが穴だらけ。そんな人手の足りない刑務所脱出劇。

ガンアクションのスナイプ精度が現実離れな点もB級感たる所以。

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

2.5

ジェンダーやフェミニズム、そして自己肯定感の所在地。選択肢が多いのは逆に残酷なのかも知れない。

他人と関わり大切に思ってくれる誰かに巡り合う権利はドンドン行使すべきだと思うが、刹那的に生きるロールモ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.0

トロフィー再利用するガブリエルのDIY精神が唯一無二。そして昨今の多岐に渡るジェームズワンの作家性。

多重人格かと勘繰るも良い意味で裏切られて中弛みしないしコンパクトに収まってて◎

オカルトに寄ら
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.6

反骨精神は民主主義の基本。痛みが強さに変わる工程にカタルシスを覚えたので結果に不満は無し。寧ろ御都合主義じゃなくて正解。

外に出てボロボロになっても美しい凛とした一子の立ち姿に喰らいっぱなしでした。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

達観する主人公とジブリアーカイブのマッシュアップ。ファミリー層を突き放してまでジブリ版インセプションやりたかったのか…?、という疑問符は消えないが映像美は流石でした。

キムタク出た瞬間キムタクで笑っ
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怪物(2023年製作の映画)

4.1

とっ散らかったトレンドを掻き集めて全方位に喧嘩売ってるように感じたし、ここまでSNSと食い合わせ悪過ぎる作品が評価されるだけの土壌が今現在の日本にあるかと言われると疑問符しかない。

藪の中テイストの
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ゲーム(1997年製作の映画)

3.1

冗談とフェイクの連続でハードル上がり切ったまま終幕するので物足りなさが否めない…デカいの1発かませばエッセンスとして事足りるだろうに。

杜撰なドッキリとリスクマネジメントで疑心暗鬼という設定は好みだ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

ジェームズガンが打ち立てたスペースオペラの金字塔を超えるような作品が今後のMCUに作れるのか不安になるレベルで最高でした。

立つ鳥跡を濁さずとは正に。

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.6

就寝時に感じる異音をストレス性聴覚過敏と思わせつつサラッと幽霊出したり、チェリスト由来のトンデモ事故など、観客に解釈を委ねるパートだらけの単なるキャンセルカルチャーモノに括れない怪作。

交響楽団に縁
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.3

【医学と宗教を否定して娘のエッセイに救われる】というリアリズムと掛け離れた御伽噺。イネーブラー化した周囲との対比構造も映画としては良いが、せめて病院に強制連行する気概は見せて欲しかったし腑に落ちない。>>続きを読む

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