げるにかさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.8

A24だとレディバードに近いニュアンスかと思いきや性別要素は特に無かった。SNS(YouTube)での発信が自分に対する自問自答に帰結する描写は救いだったように感じたし、父親が理解者で本当に良かったと>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

身なりや佇まいを正しても払拭出来ない"匂い"というモチーフや、雨に喘ぐ貧困層と嬉々として空気が澄むと浮かれる富裕層の対比で社会構造をソリッドに描いていた。
屋内シーンでの複数導線や高低差を活かした不穏
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

終始SFCファイナルファイトの様な錯覚を覚えた…罠が登場してから主人公の表情がソリッドに変貌、ラストに到達する頃には心身とも完全なる別人に。
ワンカット(風)も勿論だけど、光と炎の演出が不気味。街灯も
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.5

教科書通りのロードムービーにご都合主義の展開が見え透いて物足りなさを感じる終盤間際、リングに上がって現実を突きつけられる様が残酷で。それに物怖じせず立ち向かう姿勢が逞しく美しさを体現していたのは流石。>>続きを読む

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

1.0

感動する…?いや、選民思想に舵を切るストーリーテーリングには恐怖しか抱けないし導入される音楽のミスマッチ感…。
未来を託すようなニュアンスに多少の感動を煽る曲流せば誰だって気持ち持ってかれる典型的な例
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ドラえもん のび太の恐竜(1980年製作の映画)

3.0

のび太のマッチポンプ全開。中盤まではロードムービーの様相を呈しているが要塞へと舞台を移してからはダレ気味感が否めなかった。流石にタイムパトロールで風呂敷畳むのは雑過ぎたなあ…と。

しずかちゃんに海パ
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ベイブ(1995年製作の映画)

3.0

「お前は食べられる為に生きている、私は愛される為に生きている。」とベイブに言い放つ猫のヒールっぷりが堪らなかった。
鶏が丸焼きにされてレモン焼として再登場する件も含めて動物とは…と考えされられる作品。
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.1

トビーマグワイアへの熱い風評被害!との触れ込みで。プレイヤーXに梯子外されてから圧倒的な"転"が絡んでくる様が酷い。

後々…いや最初から折れないファクターが"結"に収束するのが美談過ぎるように見えた
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.0

終始大杉漣演じる堀部にクローズアップしてしまった…。仕事が趣味だと言いつつ始めた絵画。劇中では誰からも評価されるモノでは無かったが退廃的な空気と相まって視覚に訴えるチカラが強すぎる。

構図が完璧で何
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スウィートホーム(1989年製作の映画)

2.5

胴体真っ二つになる古舘伊知郎と眼球から白濁汁が出るまでハードに焼かれる伊丹十三…。1989年にコレだけ迫力ある映像を作れたのは本当に凄いと思うし、メイキングも目を通したがアイデアと役者のチカラをヒシヒ>>続きを読む

マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.0

四連ボウガンが強すぎるしインターセプター大破するわでツッコミどころ盛りだくさん。飽きの来ないディストピア映画の金字塔!と銘打たれてるのも納得のプロット。

前作ボスは小物感全開だったのに対し、今作ボス
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.6

五輪開催とメディアリンチを題材に描かれた作品を東京五輪前に公開する意義は大いにあったと思う。それプラス役者の演技も相まってバイアス半端ない。

オリビアワイルド演じる女性記者の立ち位置が不明瞭だったの
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オトトキ(2017年製作の映画)

3.0

CDJ16/17でのアクシデント以外に揺さぶられる要素が皆無。個人的にはヒリついてるのがイエモンの魅力だと思うんだけど、メンバーが異口同音に"家族"と形容してたのでまぁ…円熟味は体感出来たかなーという>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.2

煩わしくないエンジン音の応酬、マストIMAX。

ルマンや車に関する知識は昔プロジェクトX観て多少は知っていたが何ら支障無く没入出来た。説明調を極力省く作りがフォード視点で描かれていたのにチラホラ出て
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0

"妻子が殺される"って映画あらすじ、「あ〜序盤か〜!」と思ってたら割と後半で笑った。めっちゃ重要なのにあらすじ…。
家族が被害被るパターンの映画ではシンプルイズベスト級の惨さ。引っ張って引っ張って一瞬
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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年製作の映画)

2.6

やっと鑑賞。他所で評されている"歪な人間関係"も結局は家族単位の共依存だから特筆するような歪では無く"因果応報"って形容するのがしっくりくると思った。
佐藤江梨子の演技がナチュラル過ぎて役柄とマッチし
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.6

1時間をキャラ説明に割いた分、後半に味が出る…こんな贅沢な割り振り初めて。
吊橋は唸るエンジンと軋む木、切れかけたロープ吹き荒れる豪雨の四重奏で筆舌尽くしがたいんだけれども、紫背景の岩場xタンジェリン
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007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)

3.0

サミディを観たいが為に視聴するもジェーンシーモア演じるボンドガール(ソリテール)に骨抜きに。
宗教とケシの花、タロットにカリブと闇鍋みたいな要素。中盤の水上チェイスが間伸びしてて飽きたの以外は淡々と進
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

2.0

宝探しゲームみたいに各地へ飛び回ってメリハリが無く、結局パルパティーンサーガ!?というツッコミを入れたくなるオチ。デス・スターってあんなに形しっかり残るモンか?フォース万能過ぎでは?などなどアラの目立>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

2.5

映像の進化だけは良かった。ストーリーと設定が全面的にディズニー色出てきてルーカスの貯金を食いつぶしてるようなおざなりさ。

ルークが前線に出れば解決するのにまどろっこしい展開の連続で、それこそ4-6の
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.3

6で完結してるモノから新たにストーリーが展開させる難しさ、そしてディズニー関与による演出のヌルさ等、恐れていたものを裏切るような新キャストのキラキラ感と、これから始まるストーリーに不安が吹き飛んだ。>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.0

日本の貧困を描いた映画の多くは"絆"にフォーカスしてリアリティ薄くなりがちで結局はフィクションから抜けてない印象だったものの、今作は障害や売春凱旋といったファクターが痛々しい程にリアルで。

冷静に考
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.4

ストーリーの進行に比例して芸術的になる殺害方法に倫理感が麻痺して楽しみになってしまう自分にこの映画の恐ろしさを感じた。
全方位にシリアルキラーと形容しても撲殺や銃殺、況してや肉片加工までこなした役に出
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.4

自国を扱うのもあってか見終えた後に他人と語らいたくない映画でした。右か左かで意見が割れるんだろうけど…。

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.5

懺悔する側の熱量に耐え得るファクターは文字通り支え寄り添う"人"なのだな、と。信仰が揺らいで世界が歪み、解放された瞬間の映像効果に彼の求めていた救いを観た気がしてならない。
無信仰な自分では完全にこの
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ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

4.0

タイムリープと世界改変の程よい調和。死んでも生き返る要素も多彩な死に方(笑)で前作よりPOP且つ軽快に。主人公の成長をジャンルレスに魅せるのがこんなにもアクセントになるなんて…不思議な感じでした。SF>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.0

始まりと終わりで主人公が別人のように成長する映画は良い映画…。同ジャンルのオールユーニードイズキルは着実に駒を進めるプロットなのに対して本作は謎解き要素が強く引き込まれてしまった。
実行犯から黒幕判明
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.0

ストレンジャーシングスやグーニーズ、ITを踏まえると終始非常に薄味な印象だった。キャラが立ってない上、ピークが遅くてダレるし終始イライラ。
"殺人鬼も誰かの隣人"ってコピーは活かせてたと思うがオチと過
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.4

男目線と女目線を巧く描けてて怖かった。特にラストの歌唱パート、歌詞の内容が真逆過ぎてゾワっとした…ブラック過ぎ。

特筆すべきは離婚に関する労力と時間と費用で荒む精神に関する演出。長尺の喧嘩→リスペク
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ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.5

アクションもプロットも前作を踏襲且つアップデートされてた。ダニーグローバーの好演に胸踊るもジュマンジに入ってからは内面のみの演出にスイッチしたので物足りなさが否めない。内容的には老人同士の友情にフォー>>続きを読む

東京残酷警察(2008年製作の映画)

1.0

内容だとか面白さが全く感じられない。映画上での表現について深く考えさせられた。ゴアや造形に魅力を感じられるならば素晴らしい映画として受け止められるんだろうな、と思いつつ鑑賞。傷付いた部分がビルドアップ>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.3

【人生】という感想しかない。

友情も忠誠も裏切りも組織の中では当たり前なのに"マフィア"って形容だけで箔がつくし根深いモノに格上げされる。

説明口調を極力省いたスマートな映画を望むなら予習ありきの
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.9

白が灰色、そして黒に染まる過程が只々生々しい。自分自身北海道在住なので見終わってから道警のパトカー見かけたら当作が脳裏によぎる程度には嫌悪感を覚えた。

綾野剛の憑依型演技とキメセクの相性がすこぶる良
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.5

キングがキューブリックを批判した前作の改変部分を汲んだ上である種の折衷案に着地させたんだな…といった野暮ったい感想しか抱けず仕舞だった。

"シャイニング"というファクターに魅力を感じるのであれば評価
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