げるにかさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.0

プロットは元祖も元祖で捻りのないストレートな展開なんだけど子供の頃、目をキラキラさせながら観てた記憶を辿りながら終始見入ってた。

反骨心じゃなくて自分を曲げないジャッキーのラスト間際のブチ切れから捲
>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

世界線変化による存在や結成の史実歪曲が齎すifの世界観に是非はあれど、それが救いになる示唆でギリギリ持ち直した感。

美談だ!と息巻いていてもフィクションで現実に打ち勝つ描写にNOを突き立てるのはナン
>>続きを読む

NO SMOKING(2019年製作の映画)

3.5

生い立ちから制作やバンドの変遷、ライブ映像やオフショット含めると90分では収まり切らないという予想だったが、その分密度の高いドキュメンタリーだった。

1つジャンルに囚われない渡り鳥ライクなスタイルが
>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.6

抑圧された生活からの反動でテルマが呼び込むトラブルを一身に背負うルイーズのメンタリティに驚いた。
普通だったら激昂する場面でも宥めたり泣き崩れたりで…絆や友情ではなく根本からの性格と自身の経験則からだ
>>続きを読む

旅猫リポート(2018年製作の映画)

2.5

ナナの演技猫としては最高レベルの技量に対してストーリーテーリングが読めてしまうのが残念…。
ペットじゃなくて家族なんだよなあ…というメッセージ性を強く押し出せてはいたけど、題材的に難しい現状もあるのか
>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

3.9

原題の"ピートに寄りかかって"、
邦題の"荒野にて"。
どちらも言い得て妙な納得感。

世間と土地のダブルミーニングである荒野で待ち受ける過酷な現実、自分の家族や環境そして得たものを奪われるチャーリー
>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

ポリコレ的先入観を持たずにグリーンブックと合わせて観る事がある種、問題提起になってるのが最高の皮肉。スパイクリーが受賞式でキレてたのもわかる。

事実は小説よりも奇なりと言わんばかりの目を覆いたくなる
>>続きを読む

貞子(2019年製作の映画)

1.5

貞子のルーツや正体、加えてポップアイコン化しているハンディを負ったまま転調無く進行していく起伏の少なさ…。

POV演出導入に関しては時代の流れを取り入れていて斬新だったものの、一部だっただけに活かし
>>続きを読む

FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー(2019年製作の映画)

3.0

インフルエンサーの広告塔として機能性が反転した際の残酷さが克明に記されていて、何というか運営よりそっちの方がある種被害者なのかも…と。
大前提として客がいて成立するのが重要なんだけど、携わる上で煽る役
>>続きを読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.5

実写版魔界村を彷彿とさせる鬼展開。
強くなって再ゲームの悪い部分演出が個人的にツボで、単なるミリタリーに落とし込まれて無かったのが高評価。

ストーリーの進行具合に比例して凛々しくなるトムクルーズの表
>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.1

長尺での群像要素は流石にダレるだろ、と高を括るも割と体感短くコンパクトに仕上がっていた。
ジュブナイルが薄れた分、ロジックやプロットの厚みで勝負するかと思いきや精神論での決着だったのには正直なところ拍
>>続きを読む

ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット(2012年製作の映画)

3.0

原作絡みのキャラを出してのプロットとしては悪くはない。が、ゲスト声優の演技力のバラつきが酷くて非常に残念だった。

初見に優しい説明過多な台詞に尺を割くのは必要最低限だったものの一本の映画として鑑賞出
>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.0

今年観た映画の中でブッチギリのカタルシス。
台詞回しの伏線は数あれど表情の伏線は類を見ない。
映画館で観れて良かった。

松岡茉優は言わずもがな鹿賀丈史登場からのピリついた雰囲気が良いアクセントになっ
>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

2.5

未解決・1969年・フィンチャー。
もうこれ以上にモヤモヤさせられる材料無いし、オチも想像出来るのに着地がクレジットで尚更…。

事件が風化するのに反比例して加熱する取り憑かれたような個人捜査が長尺で
>>続きを読む

コピーキャット(1995年製作の映画)

2.8

シリアルキラー作品にしては犯人が小物て鬱屈としていたが、黒幕の存在でトントンになったかな…、という印象。

《悪×正義》の羊たちの沈黙方式ではなく、
《正義×正義》なのでプロファイリング的にはセブンみ
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

サイコロ振っても全部ダメなマスのボードゲームをプレイしてる感覚に陥った。

ヴィラン化以前のプロセスに多少の共感を持ち合わせても同調は全くしないが、年齢制限を設けていたのは全力共感する可能性の高い青少
>>続きを読む

男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.0

近しい人間に対して恐ろしい程に感情論を展開する寅次郎。
段々と粗が目立つようになる中盤からの収まり良くなる終盤にかけての自己問題についての描写が作品の本質かと思う。

役者陣!倍賞千恵子の美しくも幼げ
>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.5

"自分が正しい"を純粋に突き詰めると狂気でしか無いし、実力不足も自己肯定で反転する。
それってある種究極のポジティブなのかなぁ…?、と考えさせられた。

近々で観たクライムってカテゴリの中ではズバ抜け
>>続きを読む

惡の華(2019年製作の映画)

3.0

思春期の危うさを再現するには些かキャストの年齢が高かったように感じた。

駆け足気味な進行の中にも原作リスペクトを漂わせていたのが高評価だが、重要なシーン(覚醒教室荒らし)での音楽の使い方などPOPさ
>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

いやーーー!OPの格好良さよ!

サイコ拷問のシーン以外は割と群像劇群像劇してて、且つ教科書並の構図が最高。
長回しで炙り出される人間性や言葉の汚さもQT節全開で許容範囲。

腐り切った中にも信頼関係
>>続きを読む

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.0

リンチ映画と一線を画しているのは異形の怪物の有無。雰囲気も相まってとにかく気味が悪い。

現実と夢の交錯モノって、片側は救いがあるのがセオリーだけど両方絶望感溢れてて終始胸焼けにも似た感覚を覚えた。
>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.5

《小池栄子の表情にストーリーの進行具合を見た!》

三谷作品、役者1人1人に見せ場がしっかり用意されているのは毎度毎度関心させられる…。
【政治x喜劇】って組み合わせは社会風刺の最たるモノなのに、偏っ
>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.2

宇宙空間での"孤独"、精神面での"孤独"

"孤独"という要素を抱えたまま海王星への片道切符を手にするロイの選択に対して、半強制的と言えど打破するべく藁をも掴む思いだったのでは?と。

道中での事象
>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.0

ゲットアウトと比較するのが無粋だって百も承知だけれど比べてしまうジレンマ。

前作は人種差別で今作は貧富の差だと言われても個人的には素直に飲み込めず仕舞いでした。
Usは根底にある風刺のメタファーが色
>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.0

2t改造車時速320㎞の煽り運転対策映像。

長回しで炙り出される人間性と下世話な会話がダラダラ展開される冒頭〜カートラッセルの凶行の緩急はQTならでは。

ゴアに耐性無ければキツいと言われながらも、
>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

2.9

反戦のメタファーがあると認識出来ず仕舞いで没入するに至らず…。

西部劇のような中盤での演出は良かったものの、いかんせんプロットが弱く役者の演技しか評価対象となる材料が個人的に見出せなかった。

中村
>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

5.0

"挫折"や"絶望"に満ち溢れてる筈なのに、あの台詞を言うメンタルの強さに救われた。

着実に駒を進めていても結局肝心なのは"環境"や"人間関係"であると痛感させられたし。
登場人物の甘さを助長させる人
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.9

事実を歪曲してでも幸せになって欲しいQTのシャロンに対するラブレターは、ファミリーに対するお仕置きと相まって多面的且つ痛快でした。

ヒッピーカルチャーや当時のHWを絡めての始め2時間くらいは情報量が
>>続きを読む

スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.1

世界観と役者が良ければ成り立つ!を体現した作品。

多少のグロとセックスシーン、ざらついた映像は見事に90年代の空気感をパッキングしている。

"よくわからないけど良い"の典型です。

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.4

温かい母親or奇天烈な毒親、どちらに映るかで大きく評価が分かれるシーンがとにかく多い。

全体を通して根底に"子を思う親の気持ち"が漂っている、と意識しながらも常人では理解不能な場面をフィクションと割
>>続きを読む

ステーキ・レボリューション(2014年製作の映画)

3.0

各々が自身の環境や持論を展開していく様が強く印象に残ってテーマである肉が霞んでた。

誇りを持つことがブランディングに直結すると思わされる一方、サラっと和牛(の精子)が海外に流出した事実を目の当たりに
>>続きを読む

ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)

3.4

お祭り的な作品だから脚本の雑さ霞む程にキャラを活かせてた。
初見に優しい説明過多な前半は鬱陶しさが優ってしまったけど、ファンにとっては許容範囲。

散々撃ち合ってたバレットがメンタルの緩みから打ち負か
>>続きを読む

シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.0

まずウィノナライダー最高。
ストーリーテーリングの丁寧な作り、理不尽さが織りなす後半の展開…様式美。

女性が強い存在(ゴネた場合)だなと思うシーン多かったけれど、それは時代的なものでは?と思わされた
>>続きを読む

サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.0

OPだけダンス色強く、以降は青臭いモラトリアムと格差社会のジレンマが延々と続くヒューマンドラマ。

終盤のダンスコンテストに関しても、
メイクマネーする訳でもなく、そこに差別要素を盛り込んだ感情フック
>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.2

若さから生まれる情熱が円熟するにつれて図らずも冷静さに変貌する残酷さが克明に描かれていたと思う。

障がいが無ければ…対等な立場なら…、と
たらればを夢想してしまうのと同時に、その一点が無ければ逆に惹
>>続きを読む

二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)

3.1

3万円からしか食べれない寿司。
一皿100円でも手を出せる寿司。
そこに纏わる国内外のパブリックイメージや軋轢は"芸術性"の有無なんだ!と認識。

"シンプルだからこそ誤魔化せない"とは語り尽くされた
>>続きを読む