密室の中で何かが起こるのではなく、密室の中から外で何かが起こるという「逆密室トリック」が楽しい。そして、密室に至るまでの短い時間に伏線が張られているのがすごい。
謎解きも十分に面白いけれど、作品に通>>続きを読む
「オタクたちのラ・ラ・ランド」というコピーを見かけましたが、単に貧乏臭いラ・ラ・ランド、は仕方ないとして、ラ・ラ・ランドを唄うならオタク感=人生観の違いで激しく切磋琢磨しないとあかんのでは?
それ抜>>続きを読む
『ベルリンは晴れているか』が好きな人には刺さる。
予想もしない方向へ話が膨らんで驚きますが、一番すごいのは最後の看護士の台詞でしょうか。いろんな含みがあって素晴らしい。
夢落ちパートは夢落ちってわかりきっているので、工期の話持ち出してどうする、としか。いろいろ間に合わないじゃないですか。
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映画『史上最大の作戦』脚本を手がけたロマン・ガリ(ガリー、ギャリとも)の生涯を描く。作家であり、映画監督でとあり、戦後は外交官も務める──とたいへん多芸なのは、全て母親(シャルロット・ゲンズブール)の>>続きを読む
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リチャード・ジュエルと言うよりはワトソン・ブライアントの話かよ、と思って観ていたら、やっぱり最後はリチャード・ジュエル。
政治的な主張やら、ステロタイプな女性の描き方やら、鼻につくという人もいるでし>>続きを読む
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劇中の時系列と史実にギャップがあったので、「ははーん、これは全体主義が少年の刻を止めたんやな」と勘ぐりましたが外れました。当時のドイツ国民には正しい情報が知らされていないためだと、IMDBに書かれてい>>続きを読む
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vs フェラーリと見せかけて、ドラマはフォード vs フォード。個人 vs 組織が一つのテーマになっており、実に興味深いです。ブレイクスルーは組織からではなく、個人から起こるという示唆も印象的。
テ>>続きを読む
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是枝裕和『万引き家族』のエンターテインメント性を高めるとこうなるか、的な作品。笑えて、驚かされて、いろいろ考えさせられる。北朝鮮のスポークスウーマンの物真似は、笑いをこらえるのが大変だった。
ケン・>>続きを読む
最初にDisclaimerで、特定の国や宗教、言語に批判的な意図はないとエクスキューズしてから「邪悪の帝国」イギリスを容赦なく描いてくれるので、どれだけ血と涙を流そうとインド独立は果たされなければなら>>続きを読む
「さらにいくつもの」エピソードが追加されたことで、主題がより明確になった印象。
世界は無数の人々の選択で成り立っており、自分の選択と誰かの選択が、世界の片隅で影響するかもしれない。その偶然が人を幸福>>続きを読む
1ほどではないものの、2から再浮上。1のエピソードを伏線に泣かせるシーンが多いのは嬉しい限り。最後はきれいに大団円。余談ながら松重豊がすこぶる非常にうまかった(気づかなかったよ)。
わかって行ったし、行く人は覚悟の上だと思うので評価なし。タイトル入ってからの長回し風アクションが見所でしょうか。
消え去る運命の活動弁士をウェットに描くかと思いきや、ローマンスあり、活劇あり、名画のリスペクトありで、年末にふさわしい賑やかな作品。
映画の面白をつたえるのが弁士の仕事なら、現代の弁士はきっと批評家>>続きを読む
吉本滅ぶべし。いやまあ滅ばなくてもいいけど映画に関わらないで。いやまあ観る前に調べればいいんだけど。
戦争映画というよりは、『タクシー』や『ワイルド・スピード』に似たテイストの乗り物アクション映画。
76のつもりで乗員を集めたら85だったので1人分の空きスペースがあるとか、第12SS装甲師団長は君だ>>続きを読む
元ネタである『おとなの事情』を見逃したのでこちらを鑑賞。
食事シーンの咀嚼音やサラダ(?)を食べるタイミング、まだ食うか、のスープなど、食文化の違いが気になって本筋に集中できなかったものの、「スマホ>>続きを読む
『地獄少女』と言うよりは『地獄お姉さん』。チーム地獄少女で玉城ティナが最強(物理)な感じだし、いつ「このクソ虫が!」と言い出すか期待できる見下し具合が素晴らしい。混ぜるな危険。そうそう、ラスト・シーン>>続きを読む
原作をうまく消化。オリキャラも二人の人間性を深めるのにたいへん有効でした。石橋蓮司は金子信雄ばりの好演で、決め台詞は声に出して読みたい日本語ですよね! パンフレットも充実していました。
クラシックなモンスター映画への愛情がたっぷり詰まった作品。小難しく考えるとテーマはコミュニケーション。作品内では「人は見たいと思う現実だけを見る」、メタ的には観客が本作に何を観るのか。それらからアウト>>続きを読む
老獪な投手なので、変化球が来るかと思えば前作同様の直球で呆然と見逃す感じ(130キロ台、内角低めにズバッと)。有事の際には「普通の人々」が自然に英雄的行動を取る、というのがアメリカ的な美点なのだと再認>>続きを読む
原作未読でしたが、漫画原作の映画化は3巻までが限度という、三池崇史監督の言葉が重く感じられた、よろしくない意味での換骨奪胎気味なアレでした。
原題通りまさに『妖猫伝』。化け猫が主役で空海は狂言回し。小品を豪華キャストとCGで薄く引き伸ばした感のある、残念な角川映画を観るようでした。
クソみたいな予告からの外角ストライクゾーン一杯に鋭く変化するスライダー(球速142km/h)。完璧なデートムービーでした。綾瀬はるかに北村一輝、観ているだけで幸せになれます。泣けるほど美しいシーンも多>>続きを読む
ちょっとこれ何すごい、という映画。いろんなメタファーが散りばめられ、理解しにくいユーゴ内戦をわかりやすく説明してくれます。
ユーゴ内戦は「戦争」ではなく「内戦」であるのが厄介で、劇中でも内戦であるが>>続きを読む
今年暫定ナンバーワン。社会から顧みられないプアホワイトの絶望と、絶望から派生する負のスパイラル。そこから抜け出すにはいるのかいないのかわからない味方を待つのではなく、自分で努力しなければならないという>>続きを読む
誰が言ったかディザスター・ムービーならぬムービー・ディザスター。音楽がもっと良くてカタルシスある展開なら、『アルマゲドン』のように愛されたかも。100分少しで終わるところに良心を感じます。あ、「結婚し>>続きを読む
冒頭の長回しから息がつけません。水中にたゆたうスマホが美しくも悲しい。もちろん話題の空中飛翔のシーンも息を飲むような美しさ。
セルビアからハンガリーを経由して、多くのシリア難民が目指すはドイツ。しか>>続きを読む
上映前舞台挨拶ライブビューイングつき。小野D氏、福井氏のコメントにあった「一緒に背負う」「世の中が複雑になって解決できない問題が多い、結局背負っていくしかない」という言葉に期待が高まりましたが、劇中で>>続きを読む
デボラ・モガーの同名小説が原作で、チューリップ投機に沸き立つ17世紀オランダを舞台にした不倫譚。チューリップ熱同様、欲望のおもむくままに生きると大変な(傍目には面白い)目に遭うことを教えてくれます。そ>>続きを読む
戦車でサラエボ市内を爆走しつつナチの金塊を強奪するユーゴ内戦版『戦略大作戦』ではありません。ハートフルなタンク・ストーリーは冒頭10分、あとは力業で金塊「奪還」作戦が展開されます。残念。ネイビー・シー>>続きを読む
グレートの後日談。みんな大人になっているので大人の事情でいろいろ面倒なことに。「もっと馬鹿で浅はかな(Dr. ヘル)」話で良かったんじゃないでしょうか。
『800万の死にざま』でアル中探偵をやっていたジェフ・ブリッジスがステイツマンのチャンプ! 『スーパーマン』の悪役ジーン・ハックマンを意識したというジュリアン・ムーアも大企業のCEOかつサイコパスっぷ>>続きを読む
原題『デニール』のほうがしっくりきまして、歴史修正主義者のテクニックがよくわかります。アーヴィングは反ユダヤ主義であり機会主義者、自分に注目が集まるなら何でもしちゃう御仁なんですね。若気の至りとは言え>>続きを読む