つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 35ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

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最強のふたり(2011年製作の映画)

3.0

夜風の便り

フィリップの望み通り、本作にはユーモアと清々しい風が吹いている。

複製された男(2013年製作の映画)

2.2

ママン

冒頭からアクセル全開、色とりどりの演出に感心する。
顔にかかる糸を払い除け、辿り着いた先は敵の巣の中、己の性だった。
けれど僕らはそれを自覚した上なのだからタチが悪い。

みかんの丘(2013年製作の映画)

2.0

ヒューストン

演出は地味だが、簡潔で明瞭な構成が光る。
だが、何か足りない。
自家撞着の何かが。

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

1.6

平凡パンチ

他者に依存する程、繋がっているとも思えない。
単純に熱量が足りない。

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

1.9

だらだら延命

込み上げるものはある。
ただ、それだけの事。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

2.2

遺影

煉獄を彷徨う清太。
成熟した人間になる事をどう償えば許されるのか。
待て、而して希望せよ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

2.8

思い上がり

前作とは打って変わって、全ての演出が映画仕様にアップグレードされている。
その新しい風を声優も感じ取っているのだろう。
とても丁寧で直向きに演技されている。

命がけで積み上げてきた美を
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

1.5

スーパースロー再生

元がテレビアニメである為、映画として非常に退屈でこれ見よがしな演出が多い。
停電に輝く夜空を見上げてから、漸くキャラクターのドラマも発進した。
するとあっさり終わるものだから消化
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

1.5

マカロニサラダ

キング・シュルツの計画の進め方はまだ理性的であり、だからこそ内に秘める激情にグッとくる。
それに比べジャンゴは凶に走っている。
寄せては返す人種差別意識の一端を担っているのはタランテ
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

2.3

ジ・エンド

美しいエンディングを迎えた後の余韻の中で、彼は本当に心からアニメを楽しめたのか。
そう思わずにはいられない。

アニメは大人と子供の狭間に位置する。
正確には、不自然にも自然にもなれる自
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ダークナイト(2008年製作の映画)

1.3

ババ抜き

画面のアメコミ具合は笑ってしまう程忠実で、絵コンテが目に浮かぶ。
しかし、ハービーの悪堕ちやゴッサム市民の選択など陳腐なドラマは健在で、アニメなら兎も角人間が演じるとむず痒い。
加えてバッ
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

1.7

蜘蛛

前作に比べ、脚本や演出面では劣っているが、ベニチオ・デル・トロの役者としての厚みが数段増している為、締まって見える。
また、カオスなメキシコの悲劇は前作以上に生々しく胸に刺さった。

互いに解
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

1.8

孤独の境界

素晴らしいサスペンスドラマにぐいぐい引き込まれるが、過度に真面目で退屈。
監督、脚本家のジャーナリズムが自由に生きる土壌を奪っている。

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

1.2

演出が過ぎる

画を追求するのは結構だが、人間の見せ方がコミックのままであり、アンバランスな仕上がりになっている。
どうしてCGの嘘臭さに敏感な監督が、この違和感を見過ごせるのかが分からない。

オマールの壁(2013年製作の映画)

1.2

スーパーマスターベーションブラザーズ

つまるところ、誰も自身の罪を省みていない。
非常に短絡的な物語。

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

1.5

彫像

横たわる死に添い寝する。
無機質をなぞる指先も同じモノクロ。
光を見つめる事さえ死を見つめる様に思える。
ただ、底冷えの物語。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

1.9

もぬけの殻

静かで動かない演出に酔いしれる程、私は貴方を知らない。
何かを成そうとして空回りするならば可愛げがある。
美しいが志が低い。

斬、(2018年製作の映画)

2.2

冥土の土産

監督としても役者としても、塚本さんは好きだ。
だが、池田氏のアニメの様にキャラクターをデフォルメした演技や、蒼井氏のテレビドラマの延長にある身体の動きやテンポに落胆する。

剣に生きる時
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アルゴ(2012年製作の映画)

1.3

弟を見習え

初めて鑑賞したのにも関わらず、まるで同じCMのリピートだ。
ハラハラドキドキの焦らしも、こうも御約束だと逆効果である。
マルチな活躍を見せるベン・アフレックの引き出しには空の薬莢しか存在
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

2.3

友よ

事実に忠実なだけではなくエンタメとしての嘘を織り交ぜる事は良いが、上から塗しただけで満足しているチープなドラマが目立ち、楽曲の強さも相まってクドく感じた。
外野の感動や興奮を取り上げてばかりの
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

1.3

マジカルミステリーツアー

イエローサブマリンをパンクに寄せたのだろうか。
しかし、土台が無い印象を受けた。
積み上がらないオーケストラ。

続・終物語(2018年製作の映画)

1.5

供養

傷物語の様な劇場仕様感は皆無。
それは御約束でありお馴染みの絵作りで無くてはならない理由があるから。
シリーズ物の辛い所はここにある。

マルドゥック・スクランブル 圧縮(2010年製作の映画)

1.2

枯渇

既視感ある安いドラマや演技が古臭い。
予想外を見せるのがSFでは?

神々と男たち(2010年製作の映画)

1.8

御題目

良い顔を揃えてあるが、単調な観せ方に飽きがくる。
中盤以降より漸く演出に力が入るが、彼が映したいのは存在や葛藤。
劇や本を媒体にした方が楽しめるだろう。

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)

1.0

目障り

君は人間を見ていない。
その程度の魂でジブリの城は崩せんよ。

(2007年製作の映画)

1.2

ヘルパー

男は心に何らかの傷を受けておりますが、それはまた別のお話。

大人のためのグリム童話 手をなくした少女(2016年製作の映画)

1.7

手探りで、あの頃へ

観終わる前から心地良い余韻がある。
童心に帰る為の物語。

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

2.0

フィクションの壁

前半からミュージカルとしての役者達の全力が美しい。
だが、物語が盛り上がっていくにつれ、浮かび上がってくる穴に意識が向いてしまう。
やはりこれはカメラ越しに観るものではない。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

2.0

大地

生き延びる為の理性と野生、母胎に還る罪。
救いの無い永遠との戦い。
勝利の代償を語るは野暮。

search/サーチ(2018年製作の映画)

1.8

フィルター

ディスプレイだけで成立する世界。
映画として窮屈に思うが、視覚情報の氾濫を楽しめる。
Catfish、9日間、ユクシーとカクレオン、25ドルの詐欺、ローズマリー、SVPD Expands
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

想像のワルツ


「ザ・マスター」
原題「The Master」
製作国 アメリカ
監督/脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
時間 138分
公開日 2012年9月1日


○原点

本作の舞台は1
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

2.5

YA

埋めようがない心の隙間に舞い降りた幸運。
涙、涙のありふれた物語だ。
しかし、何か目の覚めるような一撃がある。
世界をハッピーエンドに変えるなんて大それた事、言葉も行動も躊躇われる。
密かに燃
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

1.5

世紀末

冒頭のチープさに肩透かしを食らったが、どんどんエンタメな不快感が増大していった。
この時代のアメリカナイズな小道具やキャラクターを観て、現代との差を痛感する。

偽りなき者(2012年製作の映画)

1.7



己をキリストに重ね、どこか酔っていただろう?
光は声なき声を照らす。

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(2012年製作の映画)

1.5



キャラクターばかり映している割には、遠い距離感。
生真面目が取り柄なら、取り扱う題材を誤ったのではないか。

2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

2.4

初夜

サピエンスからデウスへと駒を進める業深き無垢。
時流に楔を打ち立てた者の点と線の交わり。
ラブロマンスの限界地点。