つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

映画(1420)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

インセプション(2010年製作の映画)

1.7

ペンローズ

迫力ある画面演出は流石。
しかし、音響や役者のリズムは古い。

また、夢とはいえ多勢に無勢のアクションは嘘臭く、心にずけずけと入り込むアリアドネにペラペラとトラウマを打ち明けるだけの信頼
>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

1.8

祈っているのか

喜劇的に話は進むが、素材の面白さに頼るばかりで画面や演技は退屈。

教訓でも何でも無い。
彼の人生はこれからだ。

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

2.3

天窓

演出はありきたりだが、それが映画を観る者に安心感を与えている面もある。
だからこそ、時代も国も立場もまるで違う彼に寄り添う事が出来る。

人は喜び。
窓を開け放とう。

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

1.8

戦勝国、止まれず

演出の細工は控えられており、キャラクターとの距離も一定を保っている。
確かに物語の狂気を増幅させてはいるが、鑑賞時に日本人という人種の差異がもどかしく感じ、とてもストレスだった。
>>続きを読む

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

2.6

放射

エディ・レッドメインの表情筋は見事だが、見た目が然程変わらぬままに夫婦に家族が増えていくのはホラーである。

報われているからこそ、物悲しい。
ご冥福をお祈りします。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.4

怪人

現実と超現実を全てフィクションに包んだ画面に、制約の音楽と役者のエゴが映える。

自己愛と自己否定の嵐の中、オペラ座の怪人が見つめる。
夢か現か、真実か挑戦かなど、どうでも良い。
愛について語
>>続きを読む

世界最速のインディアン(2005年製作の映画)

1.7



演出面ではさっぱりだが感動した。
それは、純度の高い結晶体に対してなのか、触れ合う人の温かさに対してか。
いずれにせよ、憧れによるものか。

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

2.9

薔薇色

音響や役者による演出面では退屈な場面が多いが、画面は冴えている。

この、アメリカという国のどうしようもないボタンのかけ違いの馬鹿馬鹿しさと美しさに誰もが救われる。
全ては新たなる悦びなのだ
>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

1.7

だっちゃ

演出全てが稚拙で、監督の観たい世界が分からない。

しかし、ラストだけは爽快。
ようやくアニメキャラクターは次元を超える事が出来る様になったのだな。

傷物語II 熱血篇(2016年製作の映画)

1.5

ぎゃらくしー

センス、ナンセンス、変幻自在ではあるが、所詮は小手先の技。

全力疾走で空回りしているギャグに引く。

傷物語I 鉄血篇(2016年製作の映画)

2.1



短い尺の中で画面に力を注いでいる事は伝わるが、だからこそ惜しい。

四肢をもがれたハートアンダーブレードとリンクさせているつもりか知らないが、何一つ満足感が無い。

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

2.0

決別

豊かな音楽がスクリーンを彩っていたが、キャラクターのテンションが一定で鬱陶しい。

何故そこに至るか。
構成が虫食いの分、演出に意地悪なミスリードは無い為、画面と音響で明確に示されているが、単
>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

囁き

バラエティ豊かな画面の裏地に忍ばせたメッセージ。
緩やかに流れる音楽とダニエル・デイ=ルイスの鮮やかな表現力が心地良い空間を形成している。

ドレスに込められた純粋な祈り。
己を捨て、全てを得
>>続きを読む

火垂るの墓(1988年製作の映画)

3.0

ドロップアウト

呪いの光は美しく、衰弱していく節子の痛ましさをこれでもかと安全圏にいる我々に観せつける描写により、鑑賞後頭痛が酷くなった。

母になれず、父になれず、獣にさえなれぬ清太は、全体主義か
>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

2.8

一死、大罪を謝す

アニメーションの動きや画面の色は、まだまだ宮崎駿の持つイメージから遠く及ばず、心象を丁寧に表す曲は幾つかあっても、時折聞こえる安い打ち込みのサウンドがノイズとなる箇所もあった。
>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

1.2

監督不行き届き

目線は私の好きなピーナッツの高さで、子供達の飾らない仕草がとても生き生きと映っていた。
だが、社会問題を手掛けた映画にありがちな音響の詰めの甘さも見受けられ、役者の演技は良くてもキャ
>>続きを読む

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.2

イカロス

数値化できない葛藤、収束。
神ノ線を越えなければならなかった彼等の無念を感じずして、今日を生きる事などとても出来ない。

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

2.8

藪の中

本作の演出全てに言えるが、中でも音楽は終盤までキャラクターを突き放しており、凡ゆる笑えないジョークをコミカルに映す事に成功している。

悲劇や不条理を斜めに捉え、映画へと昇華する事で、忌まわ
>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

2.2

五里霧中

オーセンティックな作りである為、演出に目新しさは無いものの、愛情を込めて丁寧に撮れている。

しかし、己の都合で発足したバンドであるのに、メンバーを置き去りというのは些か不誠実に思う。
>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

1.8

埋められど喰われず

小道具のひとつひとつが懐かしく、舞台構成に貢献していた。
また、強烈なエログロは無いが、本気の東映ノワール映画を撮らんと奮闘しているのが伝わり、久方振りに画面から血の匂いがした。
>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

3.1

幸せだと私は叫ぶ

これまでの暗喩的表現や構図の巧みさはそのままに、本作では撮影でも新境地を開いており、音響演出も圧倒的で、かつて無いほどに雄弁。

本作は音楽を通して諦観という青春の瞬きを幸福に捉え
>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ(2017年製作の映画)

1.9

アダルトチルドレン

前作よりも脚を強調しており、黒タイツに意味を持たせている事が伺える。
しかし、京アニ演出と私の波長が合わない為、さして響くものは無かった。

だが、個人的に大嫌いだったテレビシリ
>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ(2016年製作の映画)

1.7

早送り

星の対比以外は画面は退屈で、役者の演技・キャラクターの仕草や表情にも心を揺さぶられるものは無かった。

また、久美子の技術的な成長の裏付けとなる練習部分や青春を駆ける心理描写は丁寧とは思えず
>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

2.5

解放

豪華絢爛の画面と音楽。
役者の演技は、まあ酷い。

自慢のおもちゃ箱をひっくり返して見せびらかす所から始まり、そんな自分を眺める所に行き着き、次世代のオタクに説教じみた事を言いながら、羨ましさ
>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

2.4

時代錯誤

中盤からの伸びは良いが、演出全般がスロースタートである為、どこか物足りない気持ちが残る。

ありふれたハリウッド映画の構成に本作も当てはまり、鼻に付くプロパガンダや稚拙な勧善懲悪も幾つかあ
>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

1.8

ネバーランド

音響演出に工夫が無い為、単調さが際立っており、画面や役者の力もそれを覆す程では無かった。

また、予告編より懸念していた稚拙な地下鉄シーンは言わずもがな、チャーチルもその他の議員も、奥
>>続きを読む

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

1.3

無効

どこか他人事の社会に対する怒りも、容赦無いタイムリミットに焦る心も分かるが、幼稚で低俗で非効率的な行為の数々を見過ごす訳にはいかない。
かつては真摯に訴えていたのかも知れないが、描かれているの
>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

2.6

玉座

チキンとポテトの対比や、バリー・コーガンの独特のリズムが背景になる程にアガメムノンの張り詰めた弦を想起させる音響演出が際立っていた。

マーティンの父親の死が描かれていない為、彼の復讐に爽快感
>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.9

融和

五月雨式に動くカメラに酔いはせず、幻想的な世界に魅入られた。
幻想と言えば、音楽。とても可愛らしく、饒舌。
善悪問わず役者の演技も良かった。
ただ、カレンダーに記入する行動が浮いており、観せ方
>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

1.5

綺麗事

冒頭より嘘臭さ全開で画面や役者が彩られており、いつ裏返してくれるのかわくわくしていたのだが、ひっくり返ろうがシリアスだろうが、一向に舞台から降りてこない。
人間ドラマの安さが演出では無い事に
>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

1.8

弱者利権

怒りの赤が徐々に変化していく物語に軽やかな音楽が良く映えていた。
が、見飽きたキリストのモチーフが鼻につく。

また、キャラクターの殆どが短絡的な思考の持ち主であり、倫理観もおかしい。
>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

2.9



画面演出に暗喩的表現が殆ど無く、非常に現実的である為、評価が難しい。
また、ハンディカメラで舐める様に映し続ける為、キャラクターと受け手の距離が近く、良くも悪くもデトロイトの長い夜を共に過ごした
>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

1.9

アケルダマ

画面・音響はベタながら最後まで格好良く、前作に引き続き旧三部作に絡めた演出が、往年のファンを喜ばせる作りになっている。

だが、脚本構成が悪い。
特にローズの決断など、味方を全滅させかね
>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

1.4

懐古

懐かしの画、懐かしの音、懐かしのキャラクター頼りの演出だが、旧三部作以来となるコメディのノリが復活しているのは良い。
辺境の星の寺院で佇むルークが振り返ると、先ず最初にフレームインしてくるのが
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

1.6

カエサル

希望を知らせる音楽、仮面の艶やかな黒が印象的だった。
しかし、ユアン・マクレガー以外の演技は如何にも大仰で、肌に合わなかった。
冒頭でオビ=ワンに助けを求める自軍の兵がいる。
その彼に冷た
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

1.4

ユリウス

終盤の暗闇に映えるライトセーバーは少年心をくすぐるが、不自然なまでに血液を見せないのに違和感を覚える。
子供への配慮ならば、尚更カメラと役者の技量が問われるところだ。

本作の肝は、クロー
>>続きを読む