つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 38ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

1.4

ガイウス

御大層な楽曲が目立つが、音響演出には確かな進歩を感じる。
しかし画面演出、特に場面転換はまだまだ鮮やかで無い。
また、ペルニラ・アウグストの表情とユアン・マクレガーの体捌きは惹きつけられた
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

2.2

秒針

音楽は中盤以降良い。
しかし画面に華が無く、主人公よりも脇役の方がキャラが立っている為、全体的に地味で鈍重な印象を受けた。

目新しさは無いが、その分安心して観れる。
しかしその単調なリズムが
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スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

1.4

草葉の陰

演出が全体的に良くなっているが、現代の映像表現を基準にすると、やはり突っ込みたくなる箇所は多い。

また、最後まで脚本がフォース(御都合主義)と共にある為、この壮大で切ない物語に能天気な印
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スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

1.2

判別機

前作とは対照的な白銀の世界に吸い込まれるが、カメラワークがダラダラしている為、展開の割に物語のテンポが間延びしている様に感じた。
また、お馴染みのダースベイダー卿のテーマが新たに増え物語を支
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.0

開眼

主演男優女優助演男優賞持ってけドロボーと言いたくなる程の名演技の数々。
皮肉屋の脳味噌を擽る画面演出に唸らされる。

本来見るに堪えない代物であるのに、それどころか凝視してしまう挑発的な冒頭。
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

3.2

恋文

燃え上がるような油絵の儚さ。
抽象的であるからこそ、際立つ人間の垢。

過度に美化された脚色は本人にとって赤面ものだろうが、それも彼の願いが成就した証のひとつ。
潔く、向日葵の様な笑顔で鑑賞し
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

1.1

感謝

冒頭、本作の有名なテーマソングが流れた瞬間驚いた。
幼少期から知る馴染みのこの曲が、とても新鮮に聴こえたのだ。
一見大味なメロディの様で実に不思議な魅力がある。
しかし、カメラワークや画面演出
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.0

静謐

波打つ光と黒々とした影のコントラストが、美しき恐怖を際立たせ、馬や羊、蜂や聖痕などの表現のバトンを受け継ぎ、歩みを進めようとする気概を感じる。
また、音楽は低音の強調が耳障りな所もあるが、未踏
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

2.0

赦し

雨に反射するネオンの圧倒的な光量、梟の目や折り紙の暗示など演出力が際立っている。

しかし冴えた画作りに対し、役者の演技にはまるで興味が無い監督の姿勢が、デッカード怒りのハラスメントを誕生させ
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

1.9

誰が為に

画面演出のバランス感覚は冴えているが、音響演出はストレート過ぎる。
数々の伏線に気付いた瞬間のみ高揚するが、リアリティの無い描写に恐怖など抱くはずもなく、白人のチープな演技も相まってどんど
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

2.2

遠くの絶景

本作への意気込みを音楽に感じる。
雪山でのシーンはキャラクターと同調し、歓喜の心が画面から伝わってきた。
しかし、その他の演出やキャラクターの表情・仕草は丁寧ではあるが、予定調和の域を越
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

1.1

夢の跡

さらに熱を帯びる画面、真っ赤に燃え上がる男達に水を差すのは、既視感のある薄く軽いデモ、本心からで無くとも結局は己を正当化する事で逃げ続けた京子の下品な叫び、覚悟も無しにしゃしゃり出てくる竹輪
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower(2017年製作の映画)

1.5

延命措置

物語が熱を帯びる戦闘シーンでは相変わらず格好いい画をばっちり決めており、静かな心もストーブの灯りなどで表現できている。
ただ、音響やキャラクター・声優の演技はテレビ画面サイズから広がってい
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

1.9

テレフォン・パンチ

特別な美しさや迫力のある画面では無いが、ロケーションや小道具がベタながらも生々しく、そこに役者のマイペースな演技が溶け込み、世界を構築している。
だが、画面や人間模様からは一昔前
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ドリーム(2016年製作の映画)

1.7

火種

雑なCG処理であろうと、聡明さが感じられない演技であろうと、ロケットの打ち上げには問答無用で童心に返らせる効果がある。
また、多様な楽曲に物語を預ける事で爽やかな作品に仕上げている。

暴力的
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

2.2

防衛論

冒頭30分でマシンガンの様に繰り出されるツェッペリン号、ローマ水道、ベーコンなどの画面演出。
しかし、前編後編に引き続き、キャラクターの動きや役者の演技は不満が残る。

理屈を越える為には、
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

2.9

報い

ピカソのゲルニカにパリの凱旋門をさらりと挿入し、直後にゴッホを反転させたりと、劇団イヌカレーの御二方によるサービスが嬉しい。
だが、前作に引き続き、キャラクターの表情や役者の声質は苦手なものだ
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語(2012年製作の映画)

1.9

AFFETTUOSO

抗癌治療や自由の女神、そして人魚姫など、魔女のモチーフがひたすら悲しく、そして美しい。
また日本漫画の特徴である背景とキャラクターのアンバランスさが、魔法少女という題材と恐ろし
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ダンケルク(2017年製作の映画)

2.5

排除

冒頭から一方的且つ連続的な殺戮が彼等と我々を追い立てる。
画面の迫力は説明不要、音楽は無慈悲に秒刻を走らせ、銃声などその他の音響は録音賞を狙える水準にある。
また、把握出来ない人数の役者・エキ
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

2.4

神なき司法

人の心は灰色、物語も灰色。
サブキャラクターの深度は浅く、役割を果たす為に場面を選ばず心情を吐露しまくる台詞回しに現実味は無い。
また、背中越しに表情が分かるサスペンス劇場の様な演技もち
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涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

1.2

溶けて消える

演出全般に雑で地味な印象を受けたが、なかでも記号的なキャラクターの演技にはぞわぞわと寒気がする。

シリアスな非現実世界を描くならば、キャラクターに現実性を持たせないと、色物にしか映ら
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

2.8

転がる石に残る苔

ハッとさせられる画面の美しさ、幼い頃から耳に残る音楽の儚さが物語に寄り添う。

滅びの唄で朽ちるもの、残るもの。
宮崎さん、そうは言っても、なかなか人は心中の道を選べないよ。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.5

どこ吹く風

夢と人は交わらない。
神話はその矛盾から目を背ける。
今日を一粒も零さぬ。
その覚悟に風が立つ。

言の葉の庭(2013年製作の映画)

2.5

雨の形

自然を美しいと感じる人は多い。
だが、一見無機質に思える日用品や街並みを心から美しいと感じているアニメーターがどれ程いるだろうか。

しかし、詩的な美しさを持つ台詞回しがキャラクターを引き立
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花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)

1.0

阿保の華

兎に角、画面が退屈でありアニメーションで表現する意図が分からない。
キャラクターの仕草や表情、声の演技からも秀でた点を見出せなかった。

そんなやる気の無い演出より酷いのが、物語のリアリテ
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

2.8

熱闘

物語が暗く閉鎖的である為、色彩や音楽でバランスをとる配慮が有難い。
其々の役者が分かり易い演技を貫いており、作品にエネルギーを与えていた。
また、夢見るエルマーの覚悟を最大限発揮するシーンは素
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

1.6

砂上の楼閣

建造物や小物で心象や状況を丁寧に表現するも、画面に目新しさや美しさは感じなかった。
また呼吸音の表現は胸にくるも、その後の展開はあっさりしており潔くも虚しい。
浅野氏は伸び伸びと演ずる事
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

1.4

気取り屋

次から次へと繰り出される音楽がアクセルとなり、観客を易々と物語へ連れ去る。

だが、後半からベイビーを善良と示したいが為に差し込まれるリアリティの無い表現が鼻に付く。
確かに彼なりの葛藤は
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

2.6

空腹の羊飼い

人と物に忠実な楽曲と、喜劇の様な役者の表情・仕草により、すんなりと作品の中へ入り込める。
また本来の目的であるシェイクのミキサー販売とは真逆に位置する粉シェイクへ走るという末尾への伏線
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.1

ツァラトゥストラ

海面に上がる心地、山を下る心地。

匂いまで伝わる繊細な画面、象徴的且つ寄り添う音楽、キャラクターの仕草や動作、声優の上質な演技に大脳を掴まれた。

作中に直接的に引用されている「
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LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

1.9

蘇る美学。

平凡な演出だが、テーマは明確で清々しい。

これぞ私が少年時代に憧れたルパン三世。
煙草の美味さを知り得ても、永遠にその背には届かない。

ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(2017年製作の映画)

1.8

人類の勝利、個の敗北、神への引き分け。

演出に斬新さや美しさは見当たらない。
また物語の肝では無いが、声優の演技で示すのみで、実際のゲームの過程・心理面が描かれていない為、リクの心象にいまいち乗れず
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

2.5

栄光の濡れ鼠

始まりを告げるMy Generationに心を鷲掴みにされ、隠喩に富んだ表現の数々に驚かされた。
また、山田監督の描くキャラクターのあざとい仕草には辟易だが、本作では毒のあるキャラクタ
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ビニー/信じる男(2015年製作の映画)

1.9

我が証

音響効果により物語をテンポ良く魅せたが、戦場であるリングと自宅のリビングが交互に映される度に画面の温度が下がっており、大接戦の緊張感を失っていた。

自分を低く見積もらず、直向きに努力する姿
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セールスマン(2016年製作の映画)

1.8

生の破綻、死の連帯。

キャラクターの生活の中での音。
役者の表情が巧みだった。
ただ本筋から外れるが、寂しいからという身勝手な理由で押し入り暴行事件の疑いがある部屋に知人の子を預かる神経が理解出来な
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

1.1

高度に発達した過干渉は、魔法と見分けがつかない。

勇気ある長回しが、効果的に気まずさを増幅させるが、同時にそれは短所でもある。
役者の演技は素晴らしく、非現実的な家庭環境を生々しく魅せた。

ストレ
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