もりひささんの映画レビュー・感想・評価

もりひさ

もりひさ

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

5.0

ド派手で痛快なアクションシーンの狂いっぷりはもう最高としか言いようがないのだけど、それとのギャップか何なのかよくわかりませんが、

闇堕ちしただなんだと己の話ばかり、その横で全く意に介さずいちゃつく2
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

スポーツ観戦は趣味じゃないのに、友達に誘われ観に行ったサッカーは感動した。久しぶりにワクワクした。

華麗なプレーや白熱する試合展開は、観てるだけで興奮する。
ただ、そのプレーヤーの過去、どんな思いで
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

正しい欲は人それぞれ。あってはならない感情なんてない。
というのであれば、1人でその欲を満たすことができればそれでお終い。めでたしめでたし。

厄介なのは、誰かとの繋がりの中でしか満たすことのできない
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シティーハンター(2024年製作の映画)

4.0

確かバカリズムが、無敵のキャラクターが敵を圧倒する漫画が好き的なことを、インタビューか何かの媒体で述べていたのだけど、観ていてその発言を思い出しました。

当方はどちらかと言えば、絶望的な状況からどう
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.0

心の傷というか心の穴というか、今まで生きてきた中で生じたそれらに身を滅ばされぬよう呑み込まれぬよう、はたから見たら異常だと思えるようなことであっても当人からしたら正常を保つためのことだからと頭ではわか>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.2

大学生と部族

既視感を感じるなと思ったら過去に鑑賞した「グリーンインフェルノ」のそれだった。

けど、エロとグロの見せ方が、牧歌的で妙に綺麗だった今作の方が個人的には好きです。

全然笑えなくなった
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市子(2023年製作の映画)

4.6

杉咲花がただひたすら圧巻。

どこで何を食べて誰と関わり何を考え何を感じればあんな目ができるのか、、、

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.7

好き嫌いが分かれるとのことですが、

それは、物語の構造はややこしいのに映像は左右対処でキッチリとしていたり、けっこうハードな言動なのに可愛くてポップな感じだったり、無表情なのに饒舌だったり、いわゆる
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.5

地に足のついたヒーローという感じで、とても好き。アメコミ系の作品は、その超人的な力がもう既に面白いから、どうせ明るくて面白いんでしょとなんとなく敬遠してたけど、これはちゃんと人間臭くて暗いから好きです>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

5.0

庵野秀明の自問自答が、他者の妄想や想像すらよせつけない壮大なスケールで描かれた、極上エンタテインメント映画。

人間生きていたら誰しもが一度は持つであろう普遍的な思いを、誰にも理解できないわかりにくさ
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クリフハンガー(1993年製作の映画)

4.6

「仕事上のミスは仕事上でしか取り返せない」

本作を観て、いつどこできいたのかもわからないセリフが頭をよぎった。そのミスが、取り返せないほどのミスであればあるほど、乗り越えるのは難しい。

山岳レスキ
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グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

4.6

意識高い系のボンボン学生たちが、想い出づくりのために立派なことをしようとして、ひどい目にあうお話。
主語が大きい言い方をするのは嫌だけど、絵面的にも精神的にも、人間の醜い部分が余すことなく詰め込まれて
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幸福路のチー(2017年製作の映画)

4.8

もっと丁寧に暮らしていきたい。
けれど難しい。
生きていくのは大変だ。
思いは一つじゃないし、その思いだけではやっていけない。

身体と心のエネルギー。
1人の人間が持つその総量は、おそらく不変だと思
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21世紀の女の子(2018年製作の映画)

3.0

21世紀の女の子に捧げる挑戦的短篇集

セクシャリティあるいはジェンダーのゆらぎを感じた瞬間が映っている、という条件が課せられているらしい。

んーー、脚本に演技が追いついてない印象が拭えない。脚本自
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泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

コンピュータソフトが6億手読み切った所で最善手として提示される異次元の一手を、藤井聡太七段は実戦譜に置いて僅か考慮時間23分にして指したことが話題になっていますが、AIを過大評価する一方で、天才棋士の>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

5.0

フランチャイズの独立ドライバーの夫。
訪問介護士の妻。
グラフィティアートに夢中の息子。
成績優秀で、大人よりも大人な娘。

自己責任という名の下、強者が弱者を搾取する無慈悲な構図の世の中で、幸せにな
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.5

目の前のできることから、ひとつずつ

いつものレンタル屋で何を借りようかと吟味していると、パッケージの裏に書かれていたこの文字が目に飛び込んできた。
至らない自分がところどころで顔を出し、過去も未来も
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テッド・バンディ(2019年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

現実を想像できる者は少ない ー ゲーテ

現実って、見聞きして判断することじゃなくて、想像するものなの?どゆこと?
こちらの名言(迷言?)で、本作は幕を開ける。否応なく、意識して観ざるを得なくなる
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

舞台は第二次世界対戦下のドイツ。
といったら、ほとんどの確率でヒトラーが出てくる。史上最悪の独裁者。らしい。
登場させるだけで、ものすごい嫌悪感を催す人たちもいることだろう。そんな取り扱い注意の危険人
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

5.0

世間で言うところの、ゲイカップルと、ダウン症の障害児(人様の子)の物語。
「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作されたとのこと
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

5.0

ボクシングのボの字も知らないのに、なんの間違いか、世界タイトルマッチのリングに上がってしまい、開始早々にボコボコにやられてノックダウンしてしまったような気分、、、一言で言うと、ヘビーすぎる。

岬(田
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

金もないし、彼女もいないし、仕事もないし、おまけに前科持ちの主人公の男ビリー。しょーもない理由で(やっている本人はいたって真剣)、少女レイラを誘拐してしまう。
ないしばかり言うと、電気グルーヴのN.O
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聖の青春(2016年製作の映画)

4.5

29歳という若さでこの世を去った棋士の物語。村山聖は、羽海野チカの人気漫画「3月のライオン」に出てくる人気キャラクター、二階堂晴信のモデルにもなっている。

皆が笑ったり泣いたり怒ったりぼーっとしたり
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.7

主人公は税関職員の女性、ティナ。中身も見ずに匂いだけで疑わしい所持品がわかるらしい。鼻をヒクヒクさせて仕事をこなすその姿は、鼻がきく新種の動物を思わせる。

羞恥や罪悪や怒り、その他諸々の感情を匂いで
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

まずこの映画を観ようと思ったきっかけが、「パラサイト 半地下の家族」に寄せた監督のこちらのコメント。

「傑作」という言葉では足らない、現代映画の一つの到達点。
映画とはここまで面白くなくてはならない
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

4.5

何だってできる、心さえ決めれば

言うは易く行うは難し。心が決まる出来事。それはときには非常事態だったりする。
俺は尿管結石(今朝の午前中、七転八倒しながら救急車で運ばれた)という身体の非常事態で少し
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.2

異国のロケで思うように撮影が進まず、なにやら不穏な空気漂うクルー達。そもそも、全然楽しそうに見えない。嫌々ながら、どうにかこうにかこなしてる感じ。

リポーターを担う女性には、歌手になりたいという夢が
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

5.0

あまり映画は分析的に観ない方で(そもそもそんな技量は皆無に等しいしその作業が億劫)、映画を観て思い浮かんだこと(今までの自身の経験や実際に触れてきた音楽やら本やらSNSやら)と映画の内容を繋ぎ合せて、>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

狂っているのは僕か?それとも世間か?

物語の冒頭で放たれるこのセリフ。
予断を許さないコロナ禍において、それぞれの立場でそれぞれの日常を生きる人たちはどう答えるだろうか。
少なくとも今の俺は世間だと
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

4.1

キューブリックのシャイニング続篇。

シャイニングは狂気にかられてあちら側にいってしまう人間の怖さを描いている印象だったけど、その続篇にあたる本作は、最初から(もしくは物心ついたときから)狂気側にいる
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.8

後悔しない生き方。
しようと思ってもできるわけではない。
過去を悔やみ、最低最悪だと嘆いている現在も時が経てば、なんであんなことで悩んでいたのだろうと、アホらしくなって笑っているかもしれない。
もちろ
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.8

気晴らしに映画でも観ようかな。
なんて思うことがなくなった今日この頃。
このセリフの意味は?このシーンは物語の中でどう解釈すれば良いのだろう?結局、この映画は何を伝えたかったんだろうか?
といった具合
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.5

怪物が出てくるのがすっごく早い。
ここから物語をどうやって魅せていくのか?
結果、退屈せずに最後まで観れました。面白かった!

怪物よりも、怪物の出現によってあらわになる政府やら警察やら軍隊やら医療機
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サラバ静寂(2017年製作の映画)

3.7

映画やら音楽やら小説やら、あらゆる娯楽が国家権力によって禁止された世界が舞台。それらに毎日どっぷりと依存している(特に音楽)自分からすれば、非常に興味深いテーマの映画。音楽聴いただけで殺されるって、ど>>続きを読む

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

4.0

可愛い人たちって どうしてでしょう?
性格めちゃくちゃに悪いよね?
つけ上がらせてる世の中のせい?

とある合コンで、男として見られないならまだしも、あまりにも雑な扱いをされて頭がひっくりかえってしま
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

なんで宮本は腕の骨折ってんの?前歯がないの?

映画の冒頭から生じる疑問を置き去りにして、前半では主に2人の男女の微笑ましい幸せな光景や、それに冷水をぶっかけるような互いの家との交流が描かれる。
いく
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