hachiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.4

鈴木亮平の役作りが絶妙すぎてすごいし、泣かされる!

役を作り込みすぎてもっとネットリとした仕上がりになっているかと思ってたけど、とても爽やかでピュアな作品だった。

エゴイストというタイトルの意味合
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バビロン(2021年製作の映画)

4.5

デイミアン・チャゼルの新作は、映画史を振り返る豪華絢爛な大作!  

今のようなコンプラ社会では考えられないような無秩序でバブリーなパーティシーンが煌びやかで撮影シーンも破天荒。

スターやスターにな
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.2

オゾンの新作は、安楽死についての家族の物語。

シリアスなテーマなんだけどどこかユーモアがあって優しさを感じる仕上がりに。
絶望にかられていた父親が、安楽死の日取りが決まってからは逆にいきいきとして残
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ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

4.0

『イニシェリン島の精霊』の監督とキャスト2人による2008年制作の作品。

2人のヒットマンが仕事で訪れたのはベルギーにある古都ブルージュ。
この美しい街で起こるクライムサスペンス。

とあるルールに
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.5

#MeeToo運動の発端となったハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題に真正面から切り込んだ良作!

アカデミー賞作品『スポットライト 世紀のスクープ』を思わせる新聞記者の執念の取材により巨悪を追い
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.4

モリコーネの偉大なる軌跡が、本人へのインタビューと周囲のコメントで構成されるドキュメンタリー。

食うために映画音楽をやり始めたとか、ニューシネマパラダイスでアカデミー賞を逃した時とか、エピソードがい
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.4

マーティン・マクドナーによる不条理劇!

なんで指切るの〜
突然と始まった不思議すぎる大人のケンカ。
美しいアイルランドの自然と共に描き出される戦争を暗喩した寓話。
犠牲になるのは当人たちじゃないんで
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.3

野蛮なヴァイキングを期待通りに野蛮に描く。
この不条理劇すごい。

ハムレットや北欧神話などがストーリーに上手く融合されてるし、映像も相変わらず雰囲気あっていい。

不穏な世界観の良さはそのままに、本
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.3

これは歌って踊らないタイプのインド映画。

少年が映画に目覚めて色々な障壁を乗り越えて、周囲を巻き込んで映画の環境を作ってゆく。
お金がなくたって気持ちが強ければできることがある。
そんなことを教えて
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.3

名探偵再び。
こういうオールドスタイルの王道ミステリー少ないからたまに観たくなる。

天才企業家のミステリーゲームに招待されてギリシアの孤島にある別荘に集まったセレブたち。
そしてその中になぜか名探偵
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.4

しゃべらない岸井ゆきのの迫力。

静かにビシビシと伝わる作品。
聾者であることを殊更に取り上げない姿勢がわざとらしくなくて良かった。

16mmフィルムのざらついた映像も美しい。
ボクシングジムのある
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ある男(2022年製作の映画)

4.4

おもしろい!

愛した男は別人だった。
この人は誰なのか?
というミステリーながら、いろいろと登場するキャラクターにも込められたアイデンティティを問うテーマ性。

なかなかよくできていて、
中学生の息
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

圧倒的な映像美!
「水」表現がすごい。
これはもはやアトラクションです。

ラージフォーマットの映画館がやっぱりオススメです。

ストーリーはとてもシンプル。
そして家族の物語。
前作では反植民地的な
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日本侠客伝 関東篇(1965年製作の映画)

4.5

面白かった!

U-NEXTで観るよりやっぱり映画館のスクリーンと音響は全然違う。
高倉健は愛嬌があってとてもチャーミングで長門裕之のコミカルさが楽しくさせるしその分最後が可哀想。
鶴田浩二が意外とな
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あなたの微笑み(2022年製作の映画)

4.5

映画監督が、自分の作品を売り込みに全国のミニシアター を行脚する!

映画ファンであれば誰しも応援してしまいたくなってしまうような、不器用すぎる珍道中がおもしろい。

しかも監督役が渡辺紘文監督が本人
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

名シーン連発!

あの山王戦をどう描くのかと思ったけど、こうきたか!っていう展開。
サイドストーリーも原作の井上雄彦が監督・脚本もしているのでさすがのクオリティの高さ。
世代にはたまらない内容。

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あのこと(2021年製作の映画)

4.5

思ったよりハード。

1960年代フランスを舞台に妊娠・中絶を正面から描いた作品。
今まで映してこなかった部分を映す事で、女性だけが辛い思いをすることをより強烈に表現している。

『セイント・フランシ
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恋は光(2022年製作の映画)

4.1

ちょっと風変わりな学園ラブストーリー

神尾楓珠の侍みたいな喋り方のおかしなキャラも悪くないけど西野七瀬と平祐奈の女優陣が可愛かった。
宿木さんもいいキャラ。

1人の男子を巡っての話なのに女子同士が
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.3

オリヴィア・ワイルドの新作!

ブックスマートとはジャンルをガラリと変えても女性目線と多様性を問う姿勢は変わらずで面白い。

フローレンス・ピューはイキイキとしていたし、クリス・パインのダンディな感じ
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.6

改めて傑作!

生徒それぞれの視点で繰り返される金曜日。
当時無名だった若手キャストたちによる青春学園ドラマ。
よくできてる。

最後の吹奏楽との融合するシーンは鳥肌もの。

禅 グローグーとマックロクロスケ(2022年製作の映画)

4.1

グローグー meets マックロクロスケ

瞑想してるグローグーを邪魔するマックロクロスケがかわいい。🌺
わずか3分の作品。

制作はスタジオジブリで、手描きのアニメーション。

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.2

これはレストランスリラー!

孤島の最高級レストランに招待された選ばれしセレブたち。
洗練されて美味しそうな料理の数々に舌鼓を打ちながらも不穏な空気が増してゆく…

ショーが始まって戦慄しつつも、なぜ
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

4.3

山で美味しい土地のものを料理して、後は執筆をしながら暮らすツトムさんの元に編集者のマチコが時より訪ねて来る。

冬の雪だらけの山から始まって、四季折々の自然の表情と共に旬の食材をいただく贅沢を教えてく
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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

3.9

『スペンサー』のパブロ・ラライン監督。

ジャクリーン・ケネディのJFK暗殺直後の4日間にフォーカスした作品。
記者からのインタビュー、神父やロバート・ケネディらとの会話で構成。
神経ギリギリなジャッ
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宮松と山下(2022年製作の映画)

4.3

映画の構造がおもしろい!

役者の世界なのか、私生活なのか、どちらを描いているのか最初分からない。
エキストラ俳優の宮松。
端役の他人を演じる彼は、実は過去の記憶がない。

ある男が訪ねて来たことによ
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街の灯(1931年製作の映画)

4.4

うーん。素晴らしい。

盲目の花売り娘に恋をした無職のチャップリンはひょんなことから大富豪と仲良くなり、彼女からは金持ちだと誤解されたまま
あれやこれや世話を焼く。
途中のやり取りがコミカルでチャップ
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チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

4.2

コミカルながらシリアスなメッセージのあるチャップリンの長編。

連続殺人犯である男の裁判での言葉。
「戦争の殺人兵器は日々作られているのに、それは罪には問われない」(ニュアンス的にそんな感じ)が皮肉め
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.3

アルモドバルの新作。
ペネロペの演技も評判通りの良さ。

赤ちゃん取り違えによって起こるサスペンス。秘密を守り抜くのか真実を言って失うのかの決断に迫られる。

洋服やインテリアのビビッドなカラーが毎回
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.6

稲垣吾郎への当て書きだけあって映画に溶け込むほどのフィット感。

妻が浮気してるのにショックを受けない自分にショックを受ける男を好演。
そういうどこか感情が読めない雰囲気がプラスの方向に生きている。
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

『君の名は。』に続き、震災をテーマにした新海誠の最新作。

過疎化による空き家、廃墟の問題も取り上げつつの日本を横断し、民俗学もモチーフにしたお得意の展開を背景にしたラブストーリー。

主演の原菜乃花
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.2

Netflixのリメイク版。
ドイツ語によるドイツ映画として蘇る。

映画『1917』でも描かれた第一次世界大戦の泥沼化した塹壕戦の西部戦線。
余りに多くの犠牲者が日々出ることから、それが日常となり犠
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.5

期待に応えてくれる!

今回も剛腕で次々となぎ倒してくれるのが爽快。
笑いもあって脚本も練り込まれてるし、何と言っても悪役が本当に最凶で良かった。

今回はベトナムにも範囲を広げてたのでまた次回もどこ
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.3

ポスタービジュアルも良くて好きなタイプ。

性に目覚め始める時期の同性愛の機微をポップな青春映画としてしっかり描いた良作。

主演のエディ役のフィン・オシェイ、どこかで見たことあったけど同じテイストの
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.4

セリーヌ・シアマの新作!

喪失をめぐるテーマをこんなファンタジックな切り口で表現できるなんて。
まだまだ引き出しのあるセリーヌ・シアマがすごいです。

主演の女の子がすばらしいし、似てるなーと思って
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王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスター版(1987年製作の映画)

4.5

いま観ても古臭くないメッセージ!

架空の王国。初めての有人宇宙船の打ち上げに向ける男たちの話。
最初は誰にも見向きもされず本人たちもやる気のない三軍的な存在ながら、最後にはカタルシスある盛り上がりに
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.6

素晴らしい。

家族の一員であったAIロボットのヤンが壊れてしまったことによる喪失と、秘められたヤンの記録(記憶)が明らかなってゆく。

AI自らの意志で記録できる映像があって、それはもはや記憶ではな
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