muscleさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

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時間感覚を弄るアニメーション。波が、風が、落下する時間が引き延ばされ、空中に浮き続ける。千と千尋以降、なんか確信を見出したかのように彼岸のイメージを描き続ける作家になった。

月見草(1959年製作の映画)

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螢雪時代みたいな話なんだけど、イエの中から何かを変えよう変わりたいと願ったりする人々が散々な目に合う話ってのが猛烈に大島渚っぽい。無いはずの本音を探す若者たち。
ものすごく早いカットバックのとこがキレ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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ドラマパートがなかったら『カリフォルニア・ドールズ』みたいになってたと思う。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

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ここのセリフはひどいし、劇画的な展開もどうかと思うが、ぜんぜん悪くない。

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

5.0

地獄の淵で、追い詰められた民衆が現実逃避のために必死の思いで作り出す幻想。それが一番黄金色に輝いていて美しい。そこには彼岸への視線が漂う。高畑勲が「ペーソスを求める!」とこだわり続けるのもそこの点だ。>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

アシタカが山犬を助けようと持ち上げた瞬間、瓦礫のようなイノシシにへし押されるカット。明らかに阪神淡路大震災の瓦礫の山に挟まった死体のリファレンス。本来は硬質的な震災を流体作画に反映させるのは『風立ちぬ>>続きを読む

となりのトトロ(1988年製作の映画)

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高畑勲が「宮崎駿は飛翔シーンで絶対に本当に飛んだりしない、登場人物が機械を使わないと飛べない。人類がテクノロジーなしに進歩できないことを信じすぎている」ってことを言っていて、いやトトロでフツーに機械な>>続きを読む

飄々 拝啓、大塚康生様(2015年製作の映画)

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鈴木敏夫が大塚康生をスタジオジブリを誘ったけれど宮崎駿・高畑勲とまたやっていくのは無理だ…となり…をいろんなとこで話されてた話だけど、それを語る映像は初めて見た。『リトル・ニモの野望』の副読本みたいな>>続きを読む

じゃりン子チエ(1981年製作の映画)

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チエが電車で歌い始めてから映画が始まる。車輪と火花。ゴジラを観に行くんだけど、ゴジラとミニラの教育映像は本編映像そのままなんだけどそれが着ぐるみなのがグッとくる。アニメの世界の中で本物の映像を見る。

太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年製作の映画)

5.0

開始2秒で荒々しいカッティングと共にとんでもないものが始まったと思わせてくれた映画は、ヒルダが(高畑勲映画らしく)手を繋いで仲間たちと日常という一枚絵の中に案外大人しくおさまっていくラストで終わる。>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

5.0


本編よりも下手したら面白いドキュメンタリー『高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。ジブリ第7スタジオ、933日の伝説』が凄かった。ジブリドキュメンタリーって浦谷プロデューサーのもはや神話化した『「もの
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ホーホケキョ となりの山田くん(1999年製作の映画)

5.0

開始早々、お父さんが車のウインドウをキコキコ回しながら車を運転するのが描かれるが、そのお父さんの右手から先のウインドウ自体がなんと省略されて描かれない。真っ白な空間に手を突っ込んでいるお父さんの絵を見>>続きを読む

ゲド戦記(2006年製作の映画)

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全然悪くない。というか背景を見せてそれを世界の話に置き換えて、世界の悪意を描きまくるという。どこまでもアンチ駿。みんなどうしてこれのセリフの青臭さを批判するのにジャンプ+の漫画とか読めるんだい。うろ覚>>続きを読む

魔女の宅急便(1989年製作の映画)

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かの有名なニシンパイのシーンが扉越しで切り返されるのが高畑勲っぽくてグッとくる。
しかし全編ビビるくらいシャバい。
街に挨拶する宮崎駿。街と群衆が一致する。そこに個人が埋もれそうになる。でもそれを快と
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ラセターさん、ありがとう(2003年製作の映画)

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宮崎駿と鈴木敏夫との中華料理屋での飲み会ノーカット60分が最初続くハードコアな作り。
宮崎駿があまりにも何度もあのニッ!っていう照れ隠しの笑いをやるのだけれど、アレは自分の言ったことが伝わらなかった時
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ジブリの本棚(2010年製作の映画)

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一番最初に我々世代が読むべき最初の本は資本論ですと言ってはじまる。
阿川佐和子との会話の噛み合わなさ。宮崎駿があらすじで「君たちはどう生きるか、それがこの本には〜」と連呼していて、あれは単なる口癖なん
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ザ・グリード(1998年製作の映画)

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こういうの褒めると昔のこういう映画好きと思われてアレな気がするが、ビックリするぐらいクレバーで感動した。デカい方の船には貨物船と客船で船が二つあることが、主人公たちの船には海賊船と貨物船の二つの側面が>>続きを読む

火垂るの墓(1988年製作の映画)

5.0

露悪マインドMAXで凄い。80年代OVAみたいな焼死体と山野一みたいなセリフ。
血を流し指を切った駅員が缶を投げることで幻想劇がはじまる。ポニョが宗介が指を切って血を流した瞬間に人間化がはじまったのと
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

1.0

恋は光から思ってたけど西野七瀬の声が物凄くいい。

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

5.0

ジェイソン(アイヴァンも)ライトマン親子、二人とも頑張る人の背中を撮って最後に託す映画撮りがち。

ドラッグ・ウォー 毒戦(2012年製作の映画)

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当然良すぎるし、ラストは深作っぽすぎる。これはなんなんだみたいな場面が続く。というか、何か作戦を立てる→来る→実行を繰り返すんだけど、その作戦が何なのかは見ていかないとわからない作りでちょっと疲れちゃ>>続きを読む

マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)

5.0

ストイックすぎて怖い。言葉ではなくてコトでしか進まない。セリフが全て反応とか絶叫とか、揉め事の起因にしかなっておらず、また「うるさい!」が契機に何度もなっている。終わり方もすごい。娯楽として描き切るこ>>続きを読む

クリスマスのその夜に(2010年製作の映画)

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雰囲気で押し切っていて、小学校のときにTSUTAYA(ではなくてDORAMAだったけど)で並んでるオシャレな映画って全部こういう感じだと思った。カメラの倒し方とか、スローモーションが時代。

ハンガー(1983年製作の映画)

5.0

トニスコの作戦司令部⇄外部という構造がすでに。一瞬でボウイがいなくなるのにビックリだけど、ゴス!バウハウス!百合!でやり切っておられるので満点つけないほうが失礼に当たるかと…。

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

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サメに食われてぶっ放すところだけでお釣りが来るぐらい嬉しい。ためにためた泳ぐとこはもはや笑ってもうた。

On Your Mark(1995年製作の映画)

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1ミリもチャゲアスにノレない上に宮崎駿が悪趣味な象徴主義に浸かっていてちょっと嫌になる。95年は宮崎駿ですらスカムカルチャーだった……云々。やっぱりポニョ以降が本人も語っているけれどべらぼうに映画とし>>続きを読む

「もののけ姫」はこうして生まれた。(1998年製作の映画)

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有名な鈴木敏夫が明日のジョーと巨人の星の「の」の違いを説明する話がきた瞬間、一点透視で二つの消失点が出てきた時などキターーとなる。
でも鈴木敏夫や宮崎駿が若造に見えるほど、「メディアの怪人」徳間康快や
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レベル5(1996年製作の映画)

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殉死の特権階級。「自身の記憶を提供し、彼ら自身の記憶を読み解くことを助けている。記憶を直視して許しを乞うこと」。切腹と頭身自殺と火炎放射器と、テレビゲーム画面奥に消えた大島渚。映画はマウスを持つ手から>>続きを読む

アンドレイ・アルセニエヴィッチの一日(1999年製作の映画)

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かなりよかった。深作みたいに鬼監督かと思いきや現場でユーモア飛ばし笑い合ってチョコマカと動き回るタルコフスキー(そこも深作と似てる)。ウィキペディアとかにはタルコフスキーがソ連に怯えきって無駄に亡命し>>続きを読む