新たに異母兄弟姉妹が見つかる度に、想像の範囲を超える衝撃的な事実に絶句し続ける
お互いに自分の言いたいことだけ捲し立てて相手の話はろくに聞こうとしない、「長くは続かない」男女の関係を、記者会見シーンで象徴的に見せたアイデアはめっちゃ秀逸だなと思った。
好みかと問われたらまったく>>続きを読む
渋谷の街の再開発の躍動、陰陽の対比、高低差を活かした設定など、現実世界と虚構世界をマッチアップさせた構造が秀逸。隅田川に架かる橋の位置関係を活かした『異次元の狙撃手』には感嘆したが、本作はより多面的に>>続きを読む
こういう映画が観たかった!
・育ちのよい台湾系の高学歴女子エミリー
・高校教師の黒人男性カミーユ
・家業の手伝いをやめて上京したアラサー女子学生ノラ
の3人を軸に物語が進行する。エミリーとカミーユは>>続きを読む
一見、オフビートに美しいものを乗せただけのソフィスティケイトされていない自主制作映画のようでもあるが、決定的にそれらと異なるのは人物の「動き」に吹き込まれた生命力・躍動感だと思った。走ったり跳んだりす>>続きを読む
キャサリン!キャサリン!キャサリン!
『哀愁しんでれら』で裏表のあるキャラに開眼した田中圭のサイコパス役、緊張感あって目が離せなかった!
虚構と現実の境界を取り払うことを試みた初長編。活写されるのは、参加者を変えながらゲリラ的に連続開催されるワークショップといったところだが、生活風景のようなものを織り交ぜたりカットをかけたあとの場面を写>>続きを読む
都市生活は本来とても情報量の多いものだけど、映画はそれらを単純化して視聴者に提示する。そうして、得体の知れないものに遭遇したときの不安やストレスが生まれる要素を排除することは、コンテンツ制作の鉄則だ。>>続きを読む
東京都現代美術館の昨年のコレクション展で上映を観たときは亡霊の話だと思ったけど、『メモリア』のあとにもう一度観ると部屋の記憶の話のように思えた。解釈の余地がある、アピチャッポンらしい短編。
最新作『メモリア』の印象的な場面に通じるものがある。アピチャッポンの好きなものなんだと思う。
『ドライブ・マイ・カー』『英雄の証明』『アネット』との激戦を制してパルムドールに輝いた本作。まずあらすじや宣伝文句を読んで頭に疑問符がいくつも浮かび、「理解不能」というレビューも多数目にして「いったい>>続きを読む
正直言っておもしろくない。古典のようにセオリーどおりにフラグっぽいものをすぐに回収する展開が続くのですぐに飽きてしまう。様式美的なものを追いつつ守破離の離を波状攻撃のように打ってくるが、それらが絶妙に>>続きを読む
巷にありふれているハートフルコメディじゃないかと当たり前のようにスルーした『エール』。米国でリメイクされても「アメリカンは家族の絆めっちゃ大事にするもんな」とまったく食指動かずでしたが、作品賞のオスカ>>続きを読む
ベルファストの街角とその周辺のみで展開するミニマルでプライベートな物語。
過激派の襲撃に巻き込まれる場面のBGMに『真昼の決闘』をチョイスするケネス・ブラナー監督の映画へのスタンスが好き。パパとママ>>続きを読む
画面の中で何が起きているかは把握できるもののその意味がさっぱり理解できない。かと言って退屈だったわけではなくむしろ静止や無言は雄弁に何かを物語っていた。その何かを理解したくて映画館に二度足を運んでみた>>続きを読む
「世界を救ってやる」ヒーローのうすら寒さを実写で見せられるのが苦手でマーベルから距離を置いてきたが、「親愛なる隣人」たるスパイダーマンだけは好きだった。ファン感涙のキャラクター勢揃いは個人的にどうでも>>続きを読む
高校生くらいのときに僕が妄想していたことがこの映画には再現されていた。
友人の親族から「あなたのことはよく聞いていたわ」と言われてみたい人生だったし、正体不明の男からトランシーバー越しに指示されてピン>>続きを読む
森の道を分け行ってムラブリの野営地へ向かう様子を捉えた映像が魅力的。
当たり前だが彼らが今もメインビジュアルのように半裸の暮らしをしているわけではない。けれど彼らの生活様式(小さなコミュニティを形成す>>続きを読む
Homecomingに続けて再生。てっきり続編かと思って見始めたら「え?トニー・スタークどこいった?」「5年前に人類の半数が死滅って何の話?」となった。ググって理解。MARVEL映画観てないです…。>>続きを読む
警察署長役のフランシス・マクドーマンドがとても愛らしい。田舎娘×キレ者×妊婦というクセの強い設定のキャラを役者魂で演じきっている。ひさしぶりに『スリー・ビルボード』を観たくなった。
諸悪の根元である>>続きを読む
秀作だった『自分の事ばかりで情けなくなるよ』以来の、松居大悟監督×池松壮亮主演×クリープハイプ音楽のタッグ。それぞれがしっかり円熟味を見せてくれている。ジム・ジャームッシュの映画の要素を換骨奪胎するこ>>続きを読む
これめちゃくちゃおもしろくないすか!
どの登場人物にも裏表があって、それが小技として繰り出されたりクスクス笑わせたり、物語のドライバーになったり!
清水尋也を捉えたカットはすべて見逃せない緊張感があり>>続きを読む
好きな人は大好きであろうウェス・アンダーソン監督作品を何に例えればいいだろうか。
要素はすべて言葉で説明可能で、画面の外に余白を残さない。クリストファー・ノーラン監督がやっていることはこれに近いかもし>>続きを読む
まん防!
ごめんなさい、言いたかっただけです…
リメイクというのは、今リメイクする意義を必ず問われるもの。確かにいろいろ考慮されたアップデートではあったけれど、人種間のいがみ合いも移民がその帰属意>>続きを読む
『バードマン』のマイケル・キートンが鳥人間!笑 しかも『ファウンダー』っぽい狡猾さを見せてくれたのよかった
前半のティーンエイジャー的なグダグダで早送りしようと思ったけど、フェリーが割れるあたりから>>続きを読む
田中泯の踊りは、と書き出すと「僕の踊りじゃない!踊りは所有できない!」と諭されそうだけど、敢えて言うならば、言葉で解釈したり説明したりする気の失せるところがおもしろいと思ってきました。文学的なピナ・バ>>続きを読む
脚本と撮影、台詞と動作の一般的な主従関係が見事に逆転した映画。特徴的なカメラワークによって、市井の様子を映しつつも落ち着かない異邦感が強烈に引き起こされるし、会話がよもやま話の域を出ない代わりに表情や>>続きを読む
二宮健監督の卒業制作『SLUM-POLIS』の前日譚かもしれないと思いながら観ていました。そんな世界の終末をキングスマンのように美しく描くラストが好き。
大学の授業料は1コマあたり約3,000円とい>>続きを読む
不謹慎が闊歩する禁酒法時代のコメディ。数えてみたら計13人死んでる。父親を殺された5人の子どもたちが不憫でならないが、虚構の中ではいくら人を殺しても構わない。エンターテインメントの自由さをラストのショ>>続きを読む
相米慎二監督作品の鑑賞は「お引越し」に次いで2本目。評価の高い「お引越し」は終盤の精神的な展開に着いていけなくなっちゃったけど、本作はおおむねわかりやすく、しかし細かいところを見始めると解釈の余地が雨>>続きを読む
踊る諜報機関の原点ここにあり!
あのラスプーチンも踊る!
前2作とテイストの異なるこのエピソード・ゼロに賛否は分かれそうだが、戦争の否定の先にこそエンタメはあるのだと高らかに宣言しているようで俺は好>>続きを読む
キャラがステレオタイプな行動で押しきるゴキゲンなドタバタコメディ。
映像作品に、滑らかで自然な台詞と間合いの優れた演技、高いCGのクオリティを当然のものとして求め、それに慣れきっている僕らは、この怪作の序盤、ひたすら耐え難きを耐え忍び難きを忍ぶしかないのだが、その先に>>続きを読む
盲目的に誰かを欲する5人が邂逅する、快感パズル!爆発的におもしろい!
センターに「MARION」と写ったとき、思わずお前誰だよと思ったけど、そんなの序章に過ぎんかった…なんなのこの変態的な脚本。ラス>>続きを読む
誰かの行き場のない怒りが発露するのを、冷静に見守っている誰かがいつだっているものだ。と、ドロップキック野郎のときは思ったけど、トンネルの場面は俺だって冷静に観ていられなかった。