抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

吸血鬼(1932年製作の映画)

3.2

1932年の映画ですよ、90年前の映画がスクリーンで見れる事実にまずは感謝を。
勝手にユニバーサルモンスター的な吸血鬼をアート面から描いたのかと思っていたが、全然そんな感じじゃなくて鎌を持って立ってる
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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.8

酒で死体も守れねえ、なんて言ってるデンゼル・ワシントンがボディガードを通して人間性を回復しつつある中で、それを再び喪失したので復讐する話。
基本的に手がかりを1人ずつ聞いては殺して聞いては殺してで、復
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

ドゥニ・ヴィルヌーヴ、そういえばコレを見ていなかった。
死んだ母の遺言に従って父と兄を探す旅と、母が若かりし頃に息子を探した旅とが交互に描かれていく。
どうしてこうなった、というところの入り口はキリス
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.3

個展に間に合わない、というか間に合わせたいのに全然周りの邪魔が入ってもやもやする。しかしまあ本当に準備と授業の描写ばかりでドライブしていくところを感じなかった。
何かを追われている様子すら感じさせない
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.4

西武開拓は蜜の味…というが、いや、言わないが本当に蜜をかけたドーナツを作る話。
西武開拓の時代にこれまで持っていた印象と真逆の貨幣経済が侵食していき資本主義社会の成立していく様子を2人の友情を軸に見せ
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.7

試写会で見た時はスピーカーがイカれて仲里依紗の声を聞くことなく終演。
補填のムビチケを日テレよりいただいて劇場でも鑑賞してきました。

冒頭のイマジネーションの爆発する冒険とラストの想像力決戦は良かっ
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リケジョがサッカーに出会ったら(2019年製作の映画)

2.7

科学の夏季キャンプに行くはずが同じ学校のサッカーキャンプに行っちゃった!
まるでボールを触ったことない女子高生が女子サッカーの世界に触れていく。完全なイメージで語るが、かつてのアメリカドラマの匂いしか
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.4

美大予備校の夏期講習に通うために青葉家に短期下宿にきた主人公。彼女と青葉家の同居人たち、そして彼女の母を通して現状肯定していこうというか、これから先までゆっくり歩いて行った果てでやっとこう認められるよ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.3

アキ・カウリスマキ初挑戦。名の知れたベテラン監督の新作を劇場で見れるだけでありがたいことです。

全体を通してアル中男とフリーター女性(彼女の失職理由が理不尽ではある)の恋愛模様で、いわゆる社会から疎
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版(1984年製作の映画)

4.2

100markごとに名監督。マカロニウエスタンの名手セルジオ・レオーネで。

デニーロによるアメリカのギャングものではあるが、スコセッシとは少し感覚が違う気が。
一瞬デニーロの時間軸がどこなのかが分か
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パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

パウっと見事に楽しい作品だった。何より親子連れがいっぱい!ディズニーでもなく、ラジャーでもなくこれに親子連れが来るのか!

基本的にはサンダーバードと同じで救助メカ面白シリーズだと思っていたのだが、今
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

ディズニーの100周年は根幹にある「願い」を掘り下げる…と思ったのだが。割と願いと魔法が雑で、願いを人に渡すな、自分で叶えようって話なんだけど、いやいやその先の願い同士のコンフリクトとかそういうのをも>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.7

究極の美食家とその実現を達成する料理人。2人の関係を丁寧に、そして実に美味しいそうな料理と共にじっくりコトコトと描く。
30分ほどをかけていきなりぶっ通しの美食会が開かれてそこでの違和感も全て回収され
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ブルドッグ(2003年製作の映画)

3.0

録画の容量が年末に向けて壊滅し始めたので放置していた午後ローを。日付見たら2年前だった。
DEAが大物を逮捕したら、新しいヤツが現れてさあ大変。主人公ヴィン・ディーゼルも襲撃されて妻を亡くし、復讐の捜
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.3

質の高いアニメーションに、戦争の足音のしてくる日本社会の様子を子ども視点で記した素晴らしい作品。黒柳徹子が存命のうちに彼女のナレーションで幕開けるこの作品が作られたことは日本テレビ史、日本近代芸能史に>>続きを読む

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(2023年製作の映画)

3.1

長いよ!タイトルが!

とは言うものの、その長すぎるタイトルの中身は完全にアニメ2クールで(なんなら1クール目で)消化してしまっているので今回はゲストキャラの破滅フラグを回避する話。そのキャラも他のゲ
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宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター(1977年製作の映画)

3.6

さらば地球よ旅立つ船は。

アニメブーム、声優ブームの火付け役であり、歴史に名を残す作品を遂に。総集編映画の上に、元が打ち切られて2クールで終わっているので映画としては珍奇な作品だ。アレンジは変わるが
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メロスたち(2023年製作の映画)

4.3

うわーん、また泣いてしまった。
島根の高校生が演劇を初めて大会に挑んだ様子を捉えたドキュメンタリーのその後。
3年生になった彼らは先生の異動、進路の問題が浮上し4人ではなく、曽田ひとりが大会に挑むこと
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

ボナパルト・ナポレオンをリドリー・スコットが映画化。稀代の軍人としての側面が前面に押しでたアウステルリッツの圧倒的な光景やモスクワ遠征のロケーションなど、戦争としての本気度もあるが、クローズアップされ>>続きを読む

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

3.9

ジェームズ・マンゴールドはある程度に持ってくる。さすがだ。
西部劇のミッドナイトランだなーと思ったけど、この作品はオリジナルがあるのでミッドナイトランの方が後発か。どうしてもお金の欲しい男が犯罪者の輸
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

見事!横溝正史的な伝奇の世界に落とし込んでの連続殺人と因習が妖怪と絡み合った上で、水木しげるの周年作品として彼の生涯をそのまま取り込んだ鬼太郎にして鬼太郎を超えた作品に。最終的には妖怪的なものたちの本>>続きを読む

パウ・パトロール ザ・ムービー(2021年製作の映画)

2.8

アメリカで人気がえらいことになってるので流石にこの冬公開の新作を見た方がいいかな、と思って予習で。思ってたよりきつかった。
基本は犬がサンダーバードするんだけど、ギミックが殆ど後出しでワクワクしない。
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

3.6

前作『父を探して』がアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたブラジルのアレ・アブレウ監督の新作。巨人に襲われる森で秘密エージェントクラエとブルーオがペルリンプスを探す物語。その驚きの色彩と>>続きを読む

劇場版 ポールプリンセス!!(2023年製作の映画)

3.7

しれっとYouTubeで短編アニメシリーズが展開されてきたポールプリンセスシリーズの劇場版。女子高生がポールダンスを頑張る部活ものと言っていいだろう。何故か練習着が全員ヘソ出しのすっごいくびれだったり>>続きを読む

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作は不登校の回復を描いた訳だが、今回はこの手の青春ハーレムアニメの中で背景に後退していく親不在問題に正面から取り組んだ。この青ブタシリーズにおいては、主人公の咲太と花楓が2人暮らし、母は心の病で入院>>続きを読む

マインド・ゲーム 〜自分の道を信じて〜(2022年製作の映画)

3.2

シャドーゲームにも登場していたSKことサジドに密着している。ボスニアからいくつもの国境を越えてベルギーで難民申請を取るまで。クロアチアが結構過激な移民排斥が起きていることは聞いていたが、結構な酷い仕打>>続きを読む

シャドー・ゲーム ~生死をかけた挑戦~(2021年製作の映画)

3.3

難民の若者たちが東欧から西欧に向けて極秘で越境する様子に密着したドキュメンタリー。
危険を冒して画面に登場した彼らが家もなく危険に晒されながら山中を進み、それらをゲームと称せずにいられず、ついに家族と
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南スーダンで生きる ~ある家族の物語~(2022年製作の映画)

3.0

南スーダンで建国の父と謳われた人物の死後、その妻と娘たちが撮ったドキュメンタリー。
独立を勝ち取ってもまだ続く内戦、そこで彼女は副大統領の5人のうちの1人に任命される。
南スーダン周りの話はなかなか知
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私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~(2022年製作の映画)

4.1

アフガニスタンのライブバトル番組「アフガン・スター」では過去13回女性が勝っていない。
そこに挑む女性たちを描きながら、タリバンとの和平交渉に伴うイスラム的教義による女性が歌うことへの誹謗中傷も合わせ
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.8

傑作と言っていいだろう。
身分の差を乗り越えて騎士に任命されることになった主人公だが、任命式で女王が死亡、その咎を受けて追われる身に。
そこに現れたニモーナという少女との出会いを通して彼の持っている考
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心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~(2022年製作の映画)

3.5

カナダ映画だがフランス語。ケベックだから。
世界中から様々な経緯を経て集まった難民として逃れてきた子どもたち。彼らの傷を癒すには。
難民問題と教育、というすこーんとこれが解決策です!がないとこがクロス
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ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦(2022年製作の映画)

3.6

ベネズエラの指揮者、若き天才と言われるドゥダメルに密着したドキュメンタリー。彼の指揮者としてのオーケストラへの指示の明瞭さや音楽への想いもだが、音楽を志す子どもたちへの支援なども描かれる。
そんな中、
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.6

東大卒のフリーターのバイト先の銭湯が殺し屋御用達だった。
普通の町の中の銭湯を処刑及び解体場として使用している発想自体は面白いと思ったんだけど、主軸としては何者にもなれない主人公が優位に立てると思って
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操作された都市(2017年製作の映画)

3.5

テコンドーの選手だったけど最強ゲーマーになった主人公が罪を着せられてしまう。かつてのゲーム仲間たちと全てを仕組んだ黒幕に挑んでいく。
いきなり始まる戦闘がかっこよさ優先でいってるゲーム画面としての実写
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.7

ど王道の朝ドラのベースで描くPAワークスのお仕事ものは、失われたウイスキーの復活を目指す物語。90分の尺、それも序盤にフラストレーションを溜める展開があることを踏まえると、後半に向けて盛り上がっていく>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.8

キャプテンマーベル2というより、ミズマーベル2として楽しんだ。カマラが目の前で公式が供給し続けるのを溺れるように楽しむオタクでありながら、しかし推しを偶像化することなく受け止める最高のオタクムーブをし>>続きを読む