抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

モンキー・キング(2023年製作の映画)

3.5

『フェイフェイと月の冒険』を作った中国のパールスタジオの新作。監督は『ボックストロール』の人なので、フェイフェイ同様にアメリカで活躍してきた人を呼んでくる感じなのだろう。

話としては中国が誇るスーパ
>>続きを読む

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(2023年製作の映画)

3.6

これまで同様に平面的なキャラクターを奥行きを持って感じられるアニメーションやUFOキャッチャーアームなどのギミックが面白い。
テーマとしてはバッチリSDGsなのだが、その導入が刑務作業にも等しい労働で
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

文句なしの仕事をした白組、そして期待値以上の作品を作ってきた山崎貴を褒め称えたい。圧倒的な官制の災害対策としてのゴジラだったシンゴジから逆に振り、戦争PTSDとしてのゴジラは個人対ゴジラであり続けた。>>続きを読む

デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING(2023年製作の映画)

3.1

だいたいBEGININGとかつけると怪しくなる印象があるんですが、うーんそこから逃げ出せなかった。
ボレロ、テーマ曲のエモはあるけどそれは2回目だしさあ、肝心の進化の主な使い道が移動なのは流石に擁護で
>>続きを読む

火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

3.0

勉強不足なもので、手塚治虫ですらそんなに、というか『アドルフに告ぐ』しかし読んでないもので火の鳥という巨大な名前しか知らなかった。
なんか凄い観念的なものを見せられるんだろうな、と思っていたら爆速惑星
>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.3

低予算オリジナルSFの気概は買いたいが。
架空の架空歴史の映像でこの世界に説得力が増すかと思うが、殆ど意味のない状況を設定し、雑なアジア、日本史観の残るニューアジアを舞台に渡辺謙は常に説明をし、常に虚
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

徹頭徹尾クズというよりどうしようもないヘタレな男をレオナルド・ディカプリオが、良かれと思って街を支配しオセージ族を搾取するデニーロ。何か間違えていることを分かっているのに見て見ぬふりをして婚姻関係を続>>続きを読む

サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)

3.8

前情報なしで見てしまったら、少女と母の権力関係の勾配に驚く。それもそのはず、これはヤングケアラーを題材にした少女の苦闘の物語を青春映画に綺麗に馴染ませた作品なのだ。
中井友望はもちろんのこと、山中崇が
>>続きを読む

地獄の警備員(1992年製作の映画)

4.0

松重豊が演じた新入りの警備員がやべーやつの話。まだ松重豊が知られる前だから、彼のことを形容して大きいが連呼され、彼のキャラクターは元力士、というところに隔世の感。
とにかく1人また1人とやられていく中
>>続きを読む

深海レストラン(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

濃度が凄い。
豪華客船の旅に乗っている少女、だけど大好きな母が家を去り、父は再婚。新たに弟も生まれ露骨に前妻との子であることで立場が揺らいでいる。そんな彼女が海に呑まれた結果たどり着いたのが深海レスト
>>続きを読む

アートカレッジ 1994(2023年製作の映画)

3.1

中国の美術大学の学生たちの暮らしを描く。
中国3DCGアニメのレベルがエグいことになっているのは最早口が慣れた感はあるが、フランスとかで作ってそうなアートアニメの文脈も中国に芽生えていることには驚きを
>>続きを読む

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

インファナルアフェアです。ちがうけど。
相反すると思われる立場の男2人の物語となると韓国映画お手のものという印象ですが、これも違わず良かった。
刑務所に収監された野心溢れる男と、刑務所に潜入捜査に入っ
>>続きを読む

永遠の831(2022年製作の映画)

1.0

いやはや、これは酷い。本当なら0.5点でも上げすぎなレベルに感じた。
任意でないが時間を止められる男の子が止まった時間の中に同じく動ける女子高生を見つけて…と普通にやれば面白そうな気がするんだがまるで
>>続きを読む

豚と軍艦(1961年製作の映画)

3.5

ここんとこ見ている日活映画、面白いけどヘンテコなのは鈴木清順のせいだと思ってた。幕末太陽傳は普通に傑作だし。でも今回の今村昌平も変だった。なんじゃこりゃ。
米国基地の横で女は娼婦、男は(というかヤクザ
>>続きを読む

仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)

3.5

これまでの4本と比べるとどうしても一段落ちた印象を感じる。
広能が刑務所にまだいるうちから話が始まり、そして随分と出てくるまで時間がかかる。それ故に盛り上がりもそんなに無かったか。

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

3.0

不動産業と麻薬。
1人の死んだ女性の捜査を始めるベニチオ・デル・トロが眼鏡をかけて老眼を気にしてそうなのは可愛いが、辛気臭い感じでそのまま終わってしまった。謎解きに時間をかけずに結局盛り上がりを見せる
>>続きを読む

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.2

品川の相模屋に投宿するフランキー堺。いろんな客やいろんな遊女がいる中で、いやこの男口八丁で無一文なのに投宿し続ける。中盤でそれがバレてからはそこで働いて返すことになるのだが、いやいやここでも彼の弁の立>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.6

非常に良質なアニメーション。豊かな動きと表情が70分で多くの動物を接客するお仕事モノとして面白い。それなのに、百貨店という存在と絶滅動物を客にするという設定を見事に融合させたテーマが皆に分かるように説>>続きを読む

アンノウン: 殺人ロボットはどこに向かうのか(2023年製作の映画)

3.0

AIの発達に伴う自律型の無人兵器の実用化。ロボットが機械の思考のまま殺す人間を選別する未来がそこまできているのではなかろうか?というドキュメンタリー。多分来てるし来る。
生まれてしまった技術を無かった
>>続きを読む

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

3.6

代理戦争がとんでもなくいいところで終わってまじかよ!!となったのですかさず次へ。
だが、ヤクザものは終わりゆく商売。去り行くものたちの物語のテンションがたまらなく高まるということは即座の破滅がすぐに迫
>>続きを読む

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.3

広島のヤクザ争いから抜け出して呉で自分の暮らしを守っていたはずの広能がどんどん呉の争いに巻き込まれる。
その広島における対立が明石組の参入を招き、気づけば西日本を揺るがす抗争に近づいていきテンションが
>>続きを読む

疑惑とダンス(2018年製作の映画)

3.6

結婚前パーティで新婦をかつて抱いたと言い出した男を発端に6人がやった、やらない、言った、言わないの大騒動に。
やったかどうか、それが不貞かどうかなんかはどうでもよくて、そのどうでもいいことに拘泥し続け
>>続きを読む

ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

4.4

これは面白かった!素晴らしい。
第3話であんこうチーム脱落、までをやっていたと記憶しているんですが、継続高校戦、果たしてどうやって勝つのか、というところにこれまでカチューシャさんとかでチラ見せしてきた
>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

点数なしです。
何故ならば。せっかく映画館で楽しく見ていたんですが、街の小悪党に立ち去れ!からの直ぐにぶっ潰す悪即斬を見せた辺りで腹痛が襲ってきてしまいまして。トイレに篭ってマッコールさんもびっくりの
>>続きを読む

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.0

ルーマニア、トランシルヴァニアの村に出稼ぎ先から戻ってきた男。そこのパン工場に雇い入れられるスリランカ人。田舎の村を世界に見立てて、ヨーロッパ新世紀とかそんな輝かしいもんじゃございませんよ、という人々>>続きを読む

13号待避線より その護送車を狙え(1960年製作の映画)

3.5

護送車が襲われたことで休職となった刑務官が襲撃の謎を追っていく。追っていくうちに人身売買組織がなんかこう出てきて大変だ!ってなる。なんでそんなに大変なのか、なんでそんなに大したあれじゃない犯罪者の乗っ>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.7

内面で肥大化した承認欲求が形になって現れる。見事なまでのミュンヒハウゼン症候群的な振る舞いがSNS時代の個への着目への風刺を感じさせるが、それはもう業が表現者・芸術家の特権ではなくなったことを意味する>>続きを読む

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.0

仁義なき戦いの続編かと思いきや番外編と聞いていたけど菅原文太は結構出てくる。
主人公は北大路欣也で、彼が広島市を舞台にした抗争に巻き込まれる、という点で結構巻き込まれ方主人公、そして大きな流れに抗う悲
>>続きを読む

スーパーマン ディレクターズ・カット版(1978年製作の映画)

3.0

DCEUによるマンオブスティールにうんちゃか文句を言っていたのが懐かしい。
あの時も始まって随分とどうでもいい話が続くと思っていたが、本作はその比ではなかった。カル=エルのクリプトン脱出だけでなく、必
>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

3.9

ついにワシも仁義の世界に足を踏み入れたけえ、生きて帰れるとは思うちゃりゃせんよ。

広島弁を雰囲気だけで書いたのでもう続けられません。
戦後のどさくさでヤクザが力を増していく中で、血で血を洗う抗争の中
>>続きを読む

殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.8

なんなんじゃこりゃ、不思議。
殺し屋組織のNo.3の男がNo.2とNo.4に襲われた話かと思ったら、そいつが襲われたのは置いておいて殺しの仕事をしているうちに仕損じる。依頼してきた女との愛憎になるかと
>>続きを読む

理由なき反抗(1955年製作の映画)

3.4

1週間ぐらい前にBSで見たのにマークし忘れていた。
ジェームズ・ディーン主演映画を全て答えよ「ジャイアンツ」「エデンの東」「理由なき反抗」、これがクイズのベタ問題になるという世界を私たちは生きてきます
>>続きを読む

野獣の青春(1963年製作の映画)

3.3

本筋を理解するのに必死になる。説明が全然無いのにすっごい編集が変だったり、話の説明が無いので置いてけぼりになっていく。
後半になるにつれ、服役した元刑事が殺された先輩刑事の復讐をする物語であること、そ
>>続きを読む

モンスターズ・リーグ(2021年製作の映画)

3.2

モンスターたちがプロレスをしてるのを人間が見ている世界の映画。看板レスラーが大手に移籍するにあたって、自分たちの街のスタジアムが取り壊されてしまう!ということで、前看板レスラーのコーチの娘が新たに前看>>続きを読む

まなみ100%(2023年製作の映画)

3.7

なかなかに酷い男ボクがまなみちゃんへ片想いというか求婚というかをし続けた10年の歴史。監督自身の経験を…え、監督こんなひどいことしたんすか!『死刑にいたる病』の宮崎優や『裸足で鳴らしてみせろ』の諏訪珠>>続きを読む

(2021年製作の映画)

3.6

オオカミの家よりこっちの方が好き。こちらもファウンドフッテージ的な形式を取ってはいるが、その嘘がうまく紛れ込んでいる上に、ジョルジュ・メリエスの施した映像への魔法に近い感覚が手法とマッチングしているよ>>続きを読む