翼さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

翼

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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.0

墨っぽい線描の流動感がアニメーション映画軽視論者を黙らせ、技やポーズが全国の中高生の厨二心を容赦なく襲う!
碇シンジの内面性×飛影の火力と機動力=現代のハイブリッド厨二モンスター爆誕や!乙骨憂太は罪深
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.4

リチャードジュエルはしょうもない嘘も吐くし聖人君子ではないが、正義感が強く誇り高い。その二面性は誰もが持つわけでとても人間らしいが、悪いFBIにまんまと利用されるのがなんとも歯痒く彼らしい。そして世話>>続きを読む

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年製作の映画)

2.7

新たなユニバースの始まりとして唸るほどのキャストに莫大な予算をかけて見事にコケた残念な作品。トムクルーズ×古代エジプト文明の謎×ミイラパニック!と要素だけ見れば面白いはずなのに、評判違わず絶妙な残念さ>>続きを読む

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ(2018年製作の映画)

3.3

クソエモかった。
懐古とか時代錯誤とかじゃなくこれは80年代アニメの様式美だわ。ドローンの追いかけっことかTVSPでやれとは思うが、最後のGET WILDイントロ→止め引き画の締めがあるだけで全部許せ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

長回しのアイスランドの荒涼とした冷えた空気感と白夜。
畜産の放牧と飼育を繰り返す毎日と娘を喪った口数の少ない夫婦。ただでさえ頭おかしくなりかねない閉ざされた状況に舞い込んだ奇異を「幸せ」として受け入れ
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.9

前作が悪党集団という割にウィルスミスが率いる陳腐なヤンチャ系ヒーロー集団だったので、キッパリ決別してウィルスミスはおろかジョーカーさえ出ない後腐れ無さが何より良い。毒にも薬にもならない余韻なんて下手に>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.1

二つの十字架の鍵に護られた黄金の秘宝…とか文字並べるだけでアドベンチャー好きにはたまらない!

大人たちがテンプレだの既視感だのと揚げ足を取ろうと思えばいくらでもできるけれど、現代のキッズ達にこそ感じ
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.5

1984年を1910年代から見た輝かしい未来として捉え、色鮮やかな彼の時代を懐かしむだけでなく一つの洗練された時代として解釈し直すのは新しい切り口だった。これをDCEU系列でやるって心構えだけで本作の>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

3.9

似たシチュエーションではチリの『33人』があるけど、あちらは救助される側の心理描写で史実を捉えているのに対し、本作はまさかのダイバーズミッション映画だった。
残された家族、国、メディアの期待が、「発見
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

あの日止まった時間が再び動き出した。
これ以上の喜びの表現が他にあるかよ。



観た翌朝、まだ胸がじんとしている。
懐かしい親友と再会した翌日、ふとした瞬間に「昨日は楽しかったな」なんてニヤつきな
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.6

健康美/機能美/造形美、とにかくダイアナを美しく撮ることに終始徹底し、清々しく完遂している!一方でダイアナ譚に全振りした反動か、いろいろな見どころはあれど大筋のドラマや敵の魅力はショボさが否めないので>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.3

「私にはね、あの船が日本そのもののように見えるんだよ」
この言葉の真意を知る時、まったく違ったエンディングを思い知ることになる。
「巨大戦艦を建造すれば、過信から日本は戦争を始める」と謳う山本五十六の
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.0

ショーだけ観れば面白い。ただ本作の期待値はもっと高く、肩透かしを喰らった。
前作は大志を抱くプロデューサーと呼応する演者の熱い物語で大人をも感動させただけに、本作にも当然ながらそれを期待する。だがその
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

面白い。きちんとまとまった良質なサスペンス。言葉少なくとも画力だけでスルスルと理解できる筋書きと、敢えて全て説明しきらず想像に委ねる塩梅が見事。人生を蹂躙した胸糞ヤローには制裁を!のエンディングもスカ>>続きを読む

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

3.8

ゴッドファーザーとしてのし上がる過程でファミリーとの結束が描かれる、光の中にあるかのような若かりしヴィト・コルレオーネと、粛清と決別の螺旋に堕ちていく闇のマイケル・コルレオーネの対比。シチリア音楽が見>>続きを読む

モービウス(2022年製作の映画)

3.3

湯気のようにシルエットから立ち昇る残像エフェクトはナイトクローラー宜しく美しくて怪しくてモービウスのモーションにピッタリだし、マトリックス風味のストップ&ゴーは2020年代VFXの賜物として存分に楽し>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.6

マフィアは雇われて人は殺さないが、お前がファミリーなら話は別だ。一銭もいらない。

この台詞で幕が開ける重厚さ。激しさと物悲しさの烟るマフィアの世界に翻弄されながら染まり、ドンに成っていくマイケル・コ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

My home
My rules
My coffee
と書かれたカップで、私のルールで勝ち取った(形となった)私の家でコーヒーを飲む様は痛快の一言!複雑に張り巡らされた伏線はもはや最期のゲロぶちかまし
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

幼き頃に見ていたウルトラマンの、無茶苦茶ツッコミ所あるのに変な説得力のある舞台装置とか、科学に裏付けされてる風の設定とか、「これはこういうものだから!」と変に納得させられる感覚の再現というのだろうか、>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.6

私は両側から「雲」を眺めてみる
太陽の光を遮り、雨と雪を与える
それは私の雲の幻想
本当の姿はわからない

Joni Mitchellの「Both sides now」を最高の解釈で挿入してくるセンス
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.8

しんどかった…
メメント然り、後から観ることで景色が変わる系の映画は大大大好物なんだけど、弊害もあり…。私の脳の処理能力が単線しかないのか、一巡目でタネがわかってから「あの時のアレはあーゆーことだった
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(1963年製作の映画)

4.0

獣害は自然災害でそこに理由もクソもないんだけど、映画脳の私たちは何かしらの理屈を求めてしまう。そんな考察も虚しく、ただただ被害に遭い、なすすべなく逃げるだけの映画。
ほんとにそれだけなのである種のモキ
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天気の子(2019年製作の映画)

4.1

ボーイミーツガールにはどうしようもなく心掴まれてしまう。エウレカ好きにはたまんねー

二人にとっては二人が世界の中心で、二人の想いは世界さえ変えてしまう。大人になって今思えば恥ずかしい妄想なんだけど、
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

4.3

ニワトリが先か、卵が先か。
自分の尾を食べる蛇。
私は私のおじいちゃん。

散りばめられた数々の情報を小刻みに拾いながら真相に近づく様が小気味良い。
伏線映画にありがちな「ここテストに出ますよ〜」感が
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.7

レスラーを夢見るダウン症の青年とお尋ね者のロードムービー。施設から逃げ出し、外の自由と危険とを謳歌しながら成長していくザックと、初めは彼を怪訝に扱うも、次第に彼の人間性を尊重し友情を育んでいくタイラー>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

言葉と行動の奥に流れる意図や真意を汲む。苦手な分野。。。
しかもチェーホフの現代舞台の演出家という更に難解な役どころ。。。
特に興味のない旧車。。。
それで3時間か。。。
と、不安要素しかなかったわけ
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.9

あの時ああしていれば…とは誰しもが一度は考えること。一個人ならまだしも、最愛の人や子供のことを考えれば人一倍。
「貧乏だって幸せならいいじゃない!」という常套句のメッセージであることは序盤から分かり切
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.8

モンハンの映画観に行こうよって人が求めてるのって、バカバカしくて爽快な世界を映画で体験したいって人なんじゃないかなぁ。少なくとも私はそうなんだけど。
「あのモンスターだー」とか「あの武器だー」とかさ。
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.1

流れるエンニオ・モリコーネの音楽が美しく、マフィア達がまとう薄暗く物悲しい世界観にピタリと合う。約4時間に及ぶ大作の旅だが情報が多いという感想はなく、とにかくデニーロの人生とマフィアの世界を美しく撮る>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

人は縋るものが無くなった時、かくあるべきか。
それは秩序や法律、ルールであったり、宗教であったり、究極のシチュエーションでは武器・武力だったりもする。『心を支えるつっかえ棒がふと無くなった時、人はどう
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ー 俺たちの過去も映画と同じ
映画は同じなのに、観る自分が変わって違う映画に思える。違う自分に気がつく。 ー

難解だけどそれ故に考察の余地が広く、それがカルト的な人気に繋がってる。エヴァみたいな楽し
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ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

3.8

復讐と、
旨い料理は
後を引く。

「料理に命をかける熱きシェフ達の闘い!」みたいなのを勝手に期待してたら想像以上に料理を蔑ろにするので笑えた。シェフも料理の前に一人の人間だぞ、自己都合優先ってね。賭
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ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年製作の映画)

3.8

今までなんだったの!?と感じるくらい魅力度たっぷりのウルヴァリン。キティちゃんみたいな髪型を辞めた影響も大きい。詰め込み方は少々荒っぽいが、X-MEN作品として一話完結の起承転結をちゃんとやりきったこ>>続きを読む

X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ミュータントとは病気なのか?
X-MENシリーズの根底を揺さぶる問題提起はゾクゾク来るし、能力を個性やアイデンティティとして誇るブラザーフッドや、隠れながらキュア投与の列に並ぶローグなど、敵味方で括れ
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.3

フォードの美談仕様ではなく、クソ会社ですよ〜ってプロパガンダってことはよく伝わった!
本作に限らずレース映画は本当にどれも完成度が高い。製作者の愛と情熱がそうさせているのだろうか。

シェルビーがフォ
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X-MEN2(2003年製作の映画)

2.6

三部作中作として、X-MENチームの掘り下げの弱さが致命傷。ボールがあるところに集まる幼児のサッカーみたいにみんなで行ったり来たり。監督である教授もまんまと騙され、ヒーローものに期待される「強大な敵に>>続きを読む