kaneさんの映画レビュー・感想・評価

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空白(2021年製作の映画)

4.5

外に出れば腹立たしいことばかりで嫌になる。

信号待ちひとつ取っても…。

遠すぎる押しボタン。自分が押したかのようなママチャリ。やけに長い赤信号。車が来ないことを確認して渡るサラリーマン。それに続く
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華氏451(1966年製作の映画)

3.0

そこがたとえディストピアでもディストピアであることに気付かなければディストピアとは呼べない。
ディストピアでない場所との相対的な視点があって初めてディストピアが生まれる。
この世に一つのディストピアし
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

2.7

めちゃくちゃ格好良くて、その分とてつもなくダサい。

ワンカットに見せる撮影方法はそれだけでも十分に楽しめ、ストーリー云々の前にまず魅せられる。内容に関しては、特に興味を惹かれることもなく…。というか
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

2.8

フィンチャー監督のどんでん返し系の映画はどうしてかピンとこない。種明かしまで物語の終着点が隠されているため、感情移入する隙もなく、傍観するしかない。この手の映画がとても苦手ということもあって、音楽や映>>続きを読む

エレファント・マン(1980年製作の映画)

2.0

小さな怒りが残る。
あの程度で全てが収集し、あたかも幸福が訪れたかのような結末に違和感を感じる。問題は何にも解決していないんじゃないか。普通には生きられないジョンが普通に認められるのではなく、極少数の
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アメリ(2001年製作の映画)

1.7

賛否両論がはっきり分かれる映画と聞いて、自分はどちらに分類されるのだろう、そんなことを考えてる時点でたぶんもう決まってるんだろうなぁ、何てことを思いながら観たら、案の定、否の方で…。

薄気味悪い絵本
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.6

見始めてすぐに、あぁ、こいつのこと好きになれない、と確信した。
冒頭から自分勝手なグイドにイライラ。彼の勝手な行動によって不幸に見舞われた人も少なくないはずなのだが、全くそのことには触れずになかったこ
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.9

物語が二転三転するわけでもなく、どんでん返しが待っているわけでもないけれど、でも惹きつけられる。言わずもがな、「ハンニバル」という狂人の力だろう。
ダークナイトのジョーカーしかり、セブンのジョン・ドゥ
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.0

宇宙はロマンの象徴で描かれることが多いが、この作品は恐怖の象徴として描かれている。
前者は未知のものに対する好奇心なので共感しやすいが、後者は想像の域を出ない心当たりのない感覚なため、共有しづらいが本
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.7

「正常」と「異常」の境界線はどこにあるのだろう。もし、あったとしてその線は誰が引いたものなのだろうか。そして、それに従う義務は…。
そんな疑問の1つの解答がこの映画にはあった。そこにあるのは願望なのか
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

アンディが自由を勝ち取り、新たな人生を歩み始める姿に感動を覚えないことはないのだけれど、それ以上に、自由に絶望させられてしまうレッドが生きることを選び取ったという行為に好感が持てる。

希望に満ち溢れ
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苦役列車(2012年製作の映画)

3.8

断っておくと森山未來の演技が個人的なツボであるので、かなり贔屓目に見ている感は否めない。本作でも空虚なろくでなしに見事に人間臭さを付与した森山未來の功績は大きいと思う。

エロと酒に塗れた自堕落な生活
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

4.0

冒頭で御丁寧に注釈が入る。
「この物語は恋物語ではない」
恋愛をモチーフとして物語が進んでいくが、確かにもっと大きなモノを描こうとしている。あえて言えば、誰も気付けないほど小さな小さな奇跡の積み重ねに
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.3

包容力(抱擁力)溢れる人生賛歌。
とても繊細で触れれば崩れてしまいそうなくらいに脆く、取り扱いに厳重に注意しなければいけないような作品でありながら、少し身を引いて観るとカラッとした空気を纏い、どこか陽
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ダーティハリー(1971年製作の映画)

2.7

ダーティハリーは現実にいやしない。だからこそ観客は彼に憧れ、勧善懲悪的なその行動を痛快に感じる。

悪役は清々しいほどの中身空っぽのクズ野郎。クズ度が高すぎてちょっと面白みに欠けるが、ダーティハリーが
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ゲーム(1997年製作の映画)

2.0

こういうどんでん返しの映画があってもいいと思う。決して思いつかないようなオチではないが、ある意味反則なため安易に手を出しづらいのだろう。
面白いかどうかは置いといて、それをあえて試みたのが本作だ。
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サイコ(1960年製作の映画)

3.6

今ではあまりにもありきたりになってしまっている主題を据えているため、特別面白みは感じないが、逆に言うと、みんなこれに憧憬してサスペンスを作っているという事がありありと伝わってくる。

序盤の展開はサイ
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メメント(2000年製作の映画)

4.2

こんな面倒なことよくもまあやってのけたことに感嘆する。
語られているメッセージと映像表現が見事にシンクロしている。これ以上に最適な演出方法は恐らく存在しないだろう。
真実をゴールとして謎を解き明かしな
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.8

なるほど、観てみてこの作品の賛否が分かれる理由がわかった。
ストーリーに綺麗な起承転結があるわけでもなく、人物の描写も比較的控えめだ。それだけだと退屈な映画のように思われるが、そうしないのがフィンチャ
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シックス・センス(1999年製作の映画)

1.6

このレビューはネタバレを含みます

映画を観てわざわざ酷評などしたくはないが、この作品ばっかりは高評価な理由がさっぱり解らないということもあり、以下罵詈雑言の嵐になる。

まず間違えちゃいけないのは、あくまでジャンルはホラー映画であって
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

3.2

この作品を絶賛できる人に酷く嫉妬してしまう。心底羨ましい。

こういう言い方は本意ではないが、正直な感想を申しますとこの映画は雰囲気映画だと思う。ちゃんと断っておかなければいけないが、決して貶している
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

2.9

なんだろう…。
絶妙に面白くない。際どいラインの退屈さというか、中身の無さ。
しかも監督は多分狙ってやってる。

ギャングに憧れた少年が組織の中で成り上がって行くかと思いきや、全くそんなことない。なん
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.3

ちょっとダサいタイトルからしばらく敬遠していた。身体の不自由な富豪と介護をする貧困層の黒人青年の間に芽生えた絆のお話だが、もう最後にはただの「最強のふたり」にしか見えなくなっていた。邦題にケチをつけて>>続きを読む

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.3

まさにご都合主義的映画。主人公は運命に味方され、最終的に億万長者になる。主人公のためにある世界と言っても過言ではない。そこがこの映画の退屈なところでもあるし、面白いところでもある。

ザ・ハッピーエン
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プレステージ(2006年製作の映画)

4.1

お互いのプライドのために蹴落とし合い騙し合うライバル対決、という化けの皮を被った恐ろしい作品。単純に観てもそれなりに楽しいけれど、それだとちょっと物足りない。

そもそもこの作品の中心となるマジックと
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

3.0

クリントイーストウッド監督の多くを語らない流儀が滲み出ている作品。
フィクションではあるものの、映画の中で生きている人を描くと言うよりも、生きている人のある瞬間を映画に収めたような生々しさを感じる。ク
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.8

ズルい。スタイリッシュな映像にクールな音楽。こんなのカッコよくないわけがない。ケチをつけるだけ無粋ってものだ。いやぁ、ズルい!!
劇中の選曲も意味ありげで、洋楽の知識が乏しい自分を恨む。

本作のスト
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

2.5

この作品は何と言ってもシナリオの巧さが際立っている。絢爛な演出も加わり、クライマックスで全ての結び目が綺麗に解けていく感覚は素晴らしい。ここで注意しておかなければいけないのは、シナリオの巧さと映画の面>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

3.0

淡々と進んでいく物語、特異な主題ゆえ、観ていても全くと言って良いほど、カタルシスを感じさせてはくれない。
だからと言って、それによって評価が下がるというわけではなく、その地に足がつかない心情の浮遊感こ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

1.0

てっきりコメディかと思って観てたらどうやら違うらしい。

もちろんそれには理由がある。何の訳もなくそう思ってたとしたらとんだ頓知気やろうだ。
以下に列挙していこう。
・BR法の設定があまりにも雑
この
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

観ている最中は、掴み所のない展開とテンポにウトウトしてしまった。
白状すると観終わった後もよくわからなかった。この作品はガイドが良くも悪くも不親切で、手中に収めておくべき重要なポイントをサラッと流す。
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ピンポン(2002年製作の映画)

3.8

映画版ピンポンを観て改めて思うことは、純粋に楽しんでるヤツが結局強いということだ。そしてそうであって欲しいとも思う。

劇中に出てくる登場人物で、卓球自体を目的として楽しんでるのはペコだけだ。それ以外
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シャイニング(1980年製作の映画)

2.5

理解した上で好きな映画嫌いな映画がある。また理解できなかったがいつか理解できるだろうと思える映画がある。キューブリックの映画はどちらでもなく、一生理解することができない気がしてしまう。特にこの「シャイ>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

2.8

この映画を鑑賞するのには高度な技術を求められる。複雑な設定、多重構造になっている物語ゆえにうっかりボーッとしていると理解できなくなってしまう。そのため、積極的に頭を働かせて観る必要がある。
それだけな
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.4

厄介な映画を観てしまった。
どうやって書けばいいやら…。

人間はどこまで進化出来るのだろうか。
はるか遠い昔、人類の先祖は知能を得た。それは奇跡的なこと出会ったのか、反対に何者かによって必然的に起こ
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.3

最高。こんなに後味が良い、というかもはや味を残さない映画は稀有じゃないか?

実話を基にした話でこんな良い題材よくぞ見つけてきたと感心してしまう。
この作品は天才の天才っぷりやそこに付きまとってくる天
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