映画館を後にする時はきっと清々しい気分になれる人生讃歌。
とても良い作品であらゆる人におすすめできるが、ここは敢えて、トイレ掃除人の主人公、平山がルーティーンをこなしながら嗜むのはルー・リードやキン>>続きを読む
ポップでビートの効いたBGMをバックにテンポよく物語が展開する。町の様子はオープンワールドのギャングものゲームのように荒れた印象だが、ゲームに馴染みのある人ならすんなり楽しめると思う。不遇な環境で育っ>>続きを読む
ダークでシュールなアートアニメーション。シュヴァンクマイエル等が好きな人にはとてもおすすめ。画面上の全ての要素が手作り、手描きで、一コマごとにその形状が変化する、その労力を想像するだけでも、遠い目にな>>続きを読む
いつものカウリスマキ・・だが、今回は主人公への当たりが少しやわらめ。初めての人でも楽しめて、温かい気持ちになれる。それでもカウリスマキの映画ばかり観ていると、フィンランドで生きていくのはこんなにに大変>>続きを読む
クズ男を媒体に描く女性映画。成瀬巳喜男の浮雲や、魚喃キリコの漫画を思い出した。男は女性を描くためのキャンバス、徹底的に空疎で虚無な存在としての役割が求められるが、ジャン・ピエール・レオは見事にクズの中>>続きを読む
第一印象は異世界転生・ジブリ博物館。既出のモチーフが大量に盛り込まれ、今までジブリ作品を観た人ならにやりとしてしまう瞬間が満載である。
「仮想現実を捨て現実へ帰る」というモチーフは初期マトリックスや>>続きを読む
「万引き家族」以来の是枝作品鑑賞。複数の視点から同じ事象を描く羅生門スタイル。時間が進むにつれて謎が明かされていき、それなりの面白さはあるものの、謎の種をたくさん蒔いて、順番に伏線回収という構成なので>>続きを読む
全てのカットが透視図法的なアングルになっていて、まるで絵画の中をアンナが動き回っているかのよう。そしてその画がロードムービーで展開していく。行く先々で様々な人と出会うが、皆少しずつアンヌの生気を奪って>>続きを読む
前作「サマーフィーリング」では、喪失感を抱えつつも日常を積み重ねていく様が丁寧に描写されていてとても好印象だった。
今作ではそうした日常の緻密な描写にさらに磨きがかかっており、外からやって来るヒロイ>>続きを読む
想定外?の超大作。
異世界、タイムリープ、セカイ系になろう系も全部入り。時代劇もSFも飲み込みつつ、近年のマンガやアニメ、ラノベの成果がふんだんに盛り込まれており、よく実写で撮れたなと感心。
主演>>続きを読む
登場人物が地位や富の有無に関わらず全員利己的、打算的で、彼らのみの閉鎖空間でどんな生態系が生まれるのか。つまり欲にまみれた動物の観察日記と言える作品。人間を人間たらしめるものは何なのかという疑問を娯楽>>続きを読む
映画としては住む世界が違う2人のメロドラマの体裁をとっている。しかしヒロインのタン・ウェイによる愛であらゆる倫理的な規範や社会的枠組を超越するさまが衝撃的で、パク・ヘイル扮する刑事と一緒に自分の脳みそ>>続きを読む
「伝説的な映画」なのに日本初公開ということで去年の5月に映画館へ駆け込んだ。年末に発表された英国映画協会のオールタイムベストで、前回の36位から突然1位へジャンプアップしているため、業界人でも未見の人>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
(2023/04/13一部加筆訂正)
正月に久々に再鑑賞。以前は難解だと思っていたが、今回は社会(=権威)の内と外という視点で観ると、とてもシンプルに読み解くことができた。映像も音も最高にクールだが、>>続きを読む
記憶喪失の夫(らしき人)に二人の過去の記憶の回復を試みる妻。妻はすざまじい熱量をもって夫らしき人に過去を呼び戻そうとする。10数年の失われた時間と募った思いがそうさせているのだが、夫には全くちんぷんか>>続きを読む
前半取り止めのないエピソードが続くあたり、「ディアハンター」を彷彿とさせるな、などと思いながら鑑賞していたが、後半謎が解明されていくにつれ、ストーリーに引き込まれていった。ベトナム戦争のトラウマが題材>>続きを読む
登場人物達の心の奥底にある妖艶さを中砂という男が増幅し、迫り来る感じだった。大正時代という、近代と前近代、西洋と東洋が交錯する時代設定が、異世界感を醸し出していて、妖しさをより際立たせていた。和服、洋>>続きを読む
ある男が映画監督になりすまし、映画業界に憧れる家族から歓待を受け続け、詐欺未遂で逮捕される経緯を描いた(半)ドキュメンタリー。実際に加害者と被害者がシーンを再現するために出演していたり、公判中から実際>>続きを読む
ヒップホップやゲーム業界など各方面でリスペクトされているこの映画は、マイアミのアール・デコの街並み(’30sのリメイクなのでオマージュか?)、G・モロダーのディスコサウンド、当時のレトロ感も含めて時代>>続きを読む
大切な人を失った男女2人が、少しずつ立ち直っていく過程をとても丁寧に描いている。ストーリーは淡々としていて、ドラマティックな展開も見当たらない。それ故に脚本と演技の素晴らしさとても際立っている。小津安>>続きを読む
スウィンギング・ロンドン満載の映画。内容的には特に印象的なところはなかった。資料として見る感じか。
「人間味」が凝縮、満載されている映画だと思った。登場人物それぞれの人格がこれまでになく生き生きと、はっきりと自分に感じられることに驚いた。
前作の設定をひっくり返し過ぎていて、興ざめした。別の作品であれば悪くはないのだが、続編としては連続性がなさすぎて、期待ハズレであった。
自分としては初めてのホン・サンス作品。基本的に1対1の会話で話が進んでいくが、会話のリズムが心地よく飽きさせない。色々な形容がされているが、オチのつき方など含め自分はウディ・アレンを思い出した。
実際の上映時間と映画の中での時間経過を一致させることによる臨場感、2時間という尺の中に人生における悲しみ・喜び・期待・落胆・焦りなどあらゆる要素が濃縮されていて、体験したことの無いような密度感があった>>続きを読む