街中から山に追い詰めて行く感じがいい。ボギーは悪役に限ると思わずにはいられない一本。アイダルピノも不幸な感じが彼女らしくていい感じ。
「カサブランカ」のダンディなイメージが先行しがちなハンフリーボガードだけど、この作品の彼みたいなギラギラして短期で本能の赴くままみたいな悪役に彼の真骨頂がある。彼のあっけない死と残った2人のラストの大>>続きを読む
60年代のアメリカ、ベトナム戦争、公民権運動、ヒッピームーブメントを巧みにミックスした法廷劇。判事があまりに反動的で作り過ぎかと思いきや実在の人物。まあ、トランプが実在の大統領なんだから驚く事でもない>>続きを読む
60年代風俗映画で面白い部分もあるけど、感情移入できないので、何やってんのか、こいつらは?という感じでした。
高層マンションに入り込む微かな外の音、食べ物を咀嚼する音など音が素晴らしい。見る側の興味を惹きつける事件を重層的に手際良く展開させながら生きることと死ぬことという根源的な問いかけに、単純なテーマに収斂>>続きを読む
胡散臭い不愉快な人しか出て来ない感じはいいし、記憶が持続しない主人公の時間を巡る混乱ぶりも悪くないのだけど、なんか面白くない。テネットもそうだったんだけど、人物が変化せず、同じようなことを何度も見せら>>続きを読む
ロメールに期待するものが全て詰まっている映画。人物は直情的で皮肉が効いていて思い込みとすれ違いと繊細さと無神経さが交錯し、窓の外の風景はひたすら美しい。エンディングのワンカットが映画を見終えた後の幸福>>続きを読む
ルールが不明確なのでハラハラもドキドキもできない。人物の感情も関係も変化せず劇的な面白さもなく、映像と音響で無理矢理観客を引っ張って行こうとする痛ましい映画。
70年代的な破滅、遊び、音楽、映像の雰囲気が心地よい。主人公を追いかけ回すジプシーの4人の神出鬼没ぶりは殆どコメディ。他にも意味不明の劇場脱出とか地下駐車場の壁壊しとか、兄を殺された妹とのロマンスとか>>続きを読む
映像のインパクトはオーソンウェルズならでは。ホロコーストやコムュニズム赤狩りや資本主義のイメージ、それらに共通する暴力、不条理、弾圧、裏切り、無機質感がイメージ豊かに映像として視覚化される。でも、随所>>続きを読む
パリの街角で手持ちカメラで人々が振り返るのもお構いなく撮るというヌーベルバーグが満喫できる一本。
ロメールの作品としては物足りない一本。ひねりというか皮肉というか追い込み方というか、こっちの感情を引っ張って行くものが欲しい。
ロメールの映画の面白さ素晴らしさをどういう言葉で表現すればいいのか戸惑ってしまう。劇的な事件が起こるわけでも斬新な映像な音響処理があるわけでも大きなメッセージがあるわけでもない。そこに描かれるのはちょ>>続きを読む
川沿いに富裕層と貧困層が混在して住んでいる設定とその街の造形が素晴らしい。脚本も役者もいい。
30年振りに見たけど面白いと思った場面、ショットは覚えていて、それ以外の忘れていた場面や展開は大して面白くない。ノスフェラトゥの造形のインパクトが全て、といった感じの映画。
ハワードホークス的で面白いのだが、3人の男女の気持ちをもう少し丁寧に描いて欲しかったかな、と。「最高の1時間だった」というラストの台詞はかっこいい。
色々人物が出て来るが一つ一つのエピソードの描き方が下手で話が盛り上がらない。役者も魅力的じゃないし映像と音で強引に見るだけの映画。
キワモノ的人間たちが集まって映画を撮る、その集団の魅力。特にベラルゴシの哀感に満ちた存在感がいい。しかしエドウッドが最初から最後まで何にも気にしてない感じで、彼の内面をもう少し掘り下げらればもっといい>>続きを読む
田舎の男が都会の女に誑かされて純情な妻を殺しかけて改心して妻と都会に行って帰りに大嵐に会って妻が死んだと思って都会の女をら殺しかけたら妻が救出されてハッピーエンド。と、あらすじ書いてもサッパリわからな>>続きを読む
ホテルで制服を着て門番をやっていた男が年老いてトイレのタオル係りになる。ストーリーは単純で途中だれる感もあるけど映像と演出でグイグイ引っ張る。惨めな死を遂げた後、「この男の奇跡のエピローグを届ける」み>>続きを読む
まあ、映画音響に関するドキュメンタリーということで、それ以上でもそれ以下でもなく。
禁酒法の時代、酒の密造での仕上がるジェームスギャグニー、かつての戦友で敵役となるハンフリーボガード、ギャグニーが想いを寄せる純粋な歌手、落ちぶれたギャグニーに寄り添う酒場の女の子、歌手と結婚する若く正>>続きを読む
一歩間違えると単なるエログロゴシップ映画になるところをしっかりとした娯楽歴史心理ドラマとして創り上げているリチャードフライシャーの職人技。ショットの的確さとこちらの予想の一歩先を行く展開に引き込まれる>>続きを読む
東南アジア版「蟹工船」に乗り込んだ少年の過酷な日々を描く。描かれるドラマは即物的である意味単純。それが映画としてプラスになっているか微妙で最後の解説テロップも含めNHKのドキュメンタリーを見ているみた>>続きを読む
ストーリー的には今一つだけど映像と音でぐいぐい引っ張って行くのはキューブリックならでは。フィルムノワールに独特の構図を持ち込んでいるのは鈴木清順を彷彿とさせる。
最初、朝の連続ドラマのようなペラペラの映像に気持ちが萎えたが、最後の30分で持って行く。韓国映画らしいコテコテの人物造形、コテコテの音楽、コテコテのストーリーだけど最後まで見せきって涙を誘う力技はやっ>>続きを読む
凄まじいものを観てしまった。ドラマ的な物語要素は排除され、戦争によって人格が破壊されて行く主人公をカメラは追い、沼地のドロドロ感とか虫のまとわりつく感じとか動物の死骸感とか、観ていて顔が歪みっ放しにな>>続きを読む
コメディのお手本のような作品。権力をおちょくり、繰り返しのギャグで爆笑を誘う。「跳べ!」と言われた瞬間に飛行機から飛び降りるドイツ郡の若手兵士2人組みが死ぬほど可笑しい。流石ルビッチ。
1人の休暇は嫌だと落ち込みながら心開けない菜食主義の女性の物語。大きなドラマがあるわけでもないのにラストの緑の光線までぐいぐい見せる。傷つきやすい主人公と旅先で出会い奔放なスウェーデン女性や友人たちと>>続きを読む
夏休みの海辺の男女のもつれを会話で描くだけの映画なんだけどこれが滅法面白い。気を衒ったところも無いけどネストールアルメンドロスの映像は美しく的確で、フランス人の奔放とも思える振る舞いと感情のうねりに引>>続きを読む
お堅い学者が田舎の純朴娘と恋に落ちる。そのきっかけが牛飼いが増え吹いたら突風が吹きまくりその風を浴びた人がムラムラしてしまう、というフレッシュゴードン張りのいい加減さでお見事。
南北戦争で父問もうと生き別れになつた男の半世紀を描く人情ドラマ。韓国らしいコテコテ緩慢の大衆ドラマだけど妹との再会の瞬間はやっぱりホロリとする。老けメイクしないで別の役者にした方がいい。
以前見た時はデートリッヒの変装にビックリでその印象が強かったが今回見るとチャールズロートン演じる太った弁護士のドラマが圧倒的に面白い。ビリーワイルダーの底力を改めて感じた。
怪し気な人たちがてんこ盛りで出てくるけど誰が誰で結局どういう話しだったかわからない。ジャズバンドの異常ハイテンション演奏とか人を痛めつけることに快楽を覚える以上性格チンピラ(トビーフーパーの「悪魔の沼>>続きを読む