チャップリンが酒屋で一人佇むショットや、ジョージア・ヘイルとのやり取りなど悉く良い。序盤で強風を使ったギャグなど馬鹿馬鹿しくて笑えるけどメロドラマとしての良さに満ちている。
冒頭の登場の仕方からキャグニーのほのぼのとしたコメディを想像してると(それ自体居心地が悪い組み合わせだが)、所々彼の気色の悪さが全開になる演説による民衆への先導だったりが挟まり異様な感覚にさせられる。
この尺で主演の二人の魅力を全開にして、物語的には上手く収斂させながら、所々に荒唐無稽さが炸裂しているのが凄い。ジョーン・ベネットが屋外で拳銃をぶっ放すくだりに、ケイリー・グラントがホテルの窓枠に隠れて>>続きを読む
スパイを扱った微妙にミステリー要素も孕む作劇だけど、説明描写をとことん排除してアクションアクションで繋いでいく感覚が堪らない。
暴力というかアクションの速度が物凄い。火事現場での消火活動そっちのけの殴り合いや、橋から飛び降りる賭けのシークエンスなど倫理観の欠如したバカバカしさが素晴らしい。ウォルシュは時々ソヴィエト派みたいなモ>>続きを読む
いくつか脚本上のイメージはあるので読ませる作品にはなってるけど、基本スタティックな会話で雰囲気が悪くなり一方が外へ捌けていくだけなのでこれは映画なんだからという気分にさせられる。
さすがユニバーサルだからか他のBに比べると照明が格段にしっかりしていたりはするけれど、ホームズの推理が長いから机の上に置かれている拳銃を使ったサスペンスが全く機能していない。
白人とインディアンの対立が冒頭に描かれるものの、インディアンは終盤まで鳴りを潜め辛気臭いメロドラマが展開される。最終的にインディアンとの銃撃戦が繰り広げられキャロル・マシューズが撃たれるところから、敵>>続きを読む
冒頭の劇中劇からサスペンスフルな画面が連続して面白い。リュプチャンスキーとシャンプティエの撮影と照明は流石。
駅で始まり駅で終わる古典的なアメリカ映画然としたルックに、省略を多用したコメディ演出など最後まで楽しめる。ただし土曜日の課外活動を抜け出し敵校のマーチングを偵察に行く所と、本番まで何も映さずに省略する>>続きを読む
メーベル・ノーマンドだろうが誰だろうが気に食わないやつは引っ叩く悪漢をチャップリンが演じているが本筋のドタバタはそこそこ。マック・セネットの映画に頻出する物を投げ合う場面で、ニ者間の切り返しで進行する>>続きを読む
シームレスに夢と現実が行き来しサスペンスが巻き起こる。夜中に磔にされてるキリスト像の釘を抜くとキリストが動き出しその場から去っていく肉感的なショットが素晴らしい。エドガルドが粗相をするシークエンスでの>>続きを読む
2つの団地を挟む道路、ラジオのリクエストを募る黄色いポスト、ベランダに干された洗濯物、音楽を楽しむ人々の顔などことごとくショットが良い。部屋での会話の場面でもうっすら画面外で別の会話がされている様子が>>続きを読む
ボクシングへ至るまでの町の喧嘩の時点で相当暴れているけれど、アーバックルが試合相手に拳銃をぶっ放してからの展開の野蛮さが常軌を逸している。警官が署内ですら拳銃をぶっ放す無茶苦茶っぷり。アーバックルが着>>続きを読む
コング側(地底)とゴジラ側(地上)の暴れっぷりが平行して描かれるが所々ぶつ切りで一体何がなんだかわからず、急にゴジラが寝返る場面も設定上セリフが無いから切り返しが入ろうが意味がわからない。勢いでどうこ>>続きを読む
開幕早々空を撮り、丹念に長めのカットで運動を積み重ねていく感覚は流石だし、序盤に主要人物たちが家に集まり会話をする場面の「らしさ」も堂に入ってて面白いけれど、どうも素晴らしいショット群が意味に回収され>>続きを読む
ラストの証拠品を燃やす燃やさないのくだりのあっさりとしたサスペンスなどはそこそこだけど、最後の最後にキャグニーが敵と取っ組み合いの喧嘩をする場面での殴り合いが演技の範疇を越えてるのではないかと心配にな>>続きを読む
元々編集を使って「映画」を意識させてくる作り手なので始めのシークエンスから切り返しなどを入れて楽しませてくれるけれど、今作はバンに乗り込む被写体がカメラを招き入れ、被写体が夜道や団地でカメラを意識して>>続きを読む
過去にああしてたら今はどうなってただろうかだとか、未来はどうなっているかとかをウジウジ考えてて、実際に今現在起こっていることは廣木隆一とかがやりがちな雰囲気長回しで「切り取る」ことだけってのは流石に退>>続きを読む
サーカスを抜け出した猿がボリス・カーロフの実験室に窓をぶち破って入ってくる場面はそこそこ恐ろしくて一見の価値あり。
誰もが原作を読んでいるからという点とベラ・ルゴシを出演させるという点がそうさせているのだろうけれど、映画には既に起こった事柄を掘り起こす推理要素など決して必要ないという作り手たちの潔さが感じられて感動>>続きを読む
この映画もB級然とした性急な発砲が見られるけどウルマーの諸作と比べると驚きがないのが何故なのかが気になる。
語られる物語は蓋を開けてみたら青山真治とかのVシネ的軽さがあるものなので、そもそもヒッチコック的な巻き込まれ型となぜ主人公が追われるかというミステリーが合わさる時点で噛み合せが悪いのに、その狙った重厚>>続きを読む
話が複雑なのに最早何でもありの怪盗キッドも出てきて意味不明。
教壇に立ち学生たちに講義をしたり、聴聞会で取り調べをされたりという場面では単純に内側にカメラを置いて切り返せば何とかなるが、屋内に複数人がいる会話になった途端にボロが出る。トリニティ実験での時間と音の>>続きを読む
あらゆるホラーのエッセンスを取り入れつつ、脚本家役のジョン・キャラダインが脚本を書き主演にベラ・ルゴシが最適だと行ってのけたり、誘拐現場をベラ・ルゴシが遠隔地から映像として見ていたり(現像したフィルム>>続きを読む
ポリー・アン・ヤングが隔離されている離れの扉を開けて外に出てくるショットと暖炉の近くで本を読んでいるベラ・ルゴシがあたかも同じ場所にいるかのように切り返され彼の中の殺意が現れる演出が素晴らしい。ある程>>続きを読む
デイヴ・オブライエンがベラ・ルゴシへ開発した化粧水をかける場面でのベラ・ルゴシの反応が面白い。
ひょんなことからスリの身分を偽って三人組が牧師となりアレコレする古典的なコメディ。恵まれない浮浪者たちと賛美歌を歌う場面で一人ずつ聖書を配っていくのだけれど、配る側のディック・ヘイムズが座っている人数>>続きを読む
伊礼姫奈が演じるちーちゃんのキャラクター造形が一家に関するドラマを心理的に動かすアイテムとしか思えずそこまで好みではないけれど、ダンスの衣装を作ってあげた近所の女の子が部屋を訪ねてくる場面でのちーちゃ>>続きを読む