チケットもぎりの男と会計の女の切り返しのあとに入ってくるショットに驚かされる。
手癖でこれくらい撮れますという余裕が滲み出ている。カラオケ男が隣の席の女性に声をかけられた時に食いつき横にスライドするアクションの性急さには驚かされる。
屋内で画面の奥行きを目一杯利用しているショットが面白い。ジョン・ガーフィールドの実家におけるガラス越しに見える奥の部屋、八百長など友に裏切られたジョセフ・ペヴェニーがパーティー会場に姿を現すショット、>>続きを読む
冒頭のカンザスで竜巻によって飛ばされるまでの話運びの素晴らしさ。愛犬が殺されそうになることを恐れてから家出に至るまでのスピードが現代では考えられないくらい速い。
細部を重要視している構成など確かに練られていて楽しめるけれど、根本的に「表現」にしか興味がありませんって感じで映画が進んでいくから辛い。A24にもいくつかは「表現」を抑制している作品はあったと記憶して>>続きを読む
ここまでクロスカッティングを多用する意図がわからないというか、単に話す内容がまとまってないのに見切り発車で話し始めて収集付かなくなりオチに下品な内容を盛り込んでインパクトを残そうとしているようにしか思>>続きを読む
三池崇史なので『サイコ』以降のミステリーだろうが安定した語り口で一定以上撮ってしまっている。
白人のギャングのボスは真正面から映されず徹底的に画面からその存在を排除されている。ラストの銃撃戦もさることながら、母親が撃たれる場面のあまりの呆気なさには心を打たれる。
とことん読ませようとする魂胆がいけ好かないけれど、ところどころ妙な図々しさがあるから長くても何とか観ることはできた。
斧を振り上げるアクションが異様に禍々しく捕らえられている。
ヒッチコック的な巻き込まれ型を個人ではなく全ての登場人物まで強いる感覚に頭が混乱する。
確かに銃撃に合い人が死ぬ場面も存在するのだけれど、誰一人として死体の詳細な描写がないことが、省略とはまた違った奇妙な感覚をこの映画に与えている。マイク・マザースキー登場時の光の明滅、海辺の別荘に浮かび>>続きを読む
スクーターで暴走するシークエンスなど大人しすぎるし、ラストに繰り返される切り返しもセンチメンタルすぎるとは思いつつも、ふとした街のショットなど良いところもあるし、このような普通の映画を普通に撮っていた>>続きを読む
イタリアでのゲイリー・クーパーが殺しを行うシークエンスで、町の人々が歌を歌っているという対位法が用いられるけど、黒澤明的な鈍臭い演出に終始せずに、階段を落ちていくボールを追いかける子供をフォローする長>>続きを読む
ラストに抵抗するロバート・ライアンと繰り広げられる銃撃戦での、崖の高低差・青空と川の奥行きある空間演出からして瞠目するけれど、更に冒頭で強調される拍車を利用してジェームズ・スチュワートが垂直に崖を登り>>続きを読む
キレの良い扉の開閉が炸裂し、ラストも扉で終わると思いきやズボンの裾を捲し上げる珍妙なショットで終わることに驚く。
『汚名』同様に鍵をめぐる映画。ティッピー・ヘドレンがモノとして描かれる感覚や精神分析のイメージが出てくるところなど、ヒッチコック映画の集大成のような趣きすら感じられる。
『グッド・ウィル・ハンティング』ではせいぜいロビン・ウィリアムズの研究室までの階段で高低差が示されるだけであったけど、本作ではショーン・コネリー宅がある上階へ足繁く通う様子が映されている。それにしても>>続きを読む
折角なのでインタビューの人選と配分にはもう少し拘って欲しかった。
ベン・アフレックはこの作品の持っている性質とは真逆の映画を昨今撮っているように思うけれど、以降にベン・アフレックがどういう経緯で所謂アメリカ映画を会得していったのかが気になる。