ブライアンイーノの音楽がなければ最も好きなドキュメンタリー映画にはならなかった。
Minnie RipertonのLes Fleursの使われ方ががなかなか狂気じみててよい選曲。
ジャックレモンとシャーリーマクレーンというと「アパートの鍵貸します」に軍配だけど、60年代のパリの空気、風俗がよく表現されているという意味では、こちらも素晴らしい。
小津の緻密な構図や神経質なまでの細部へのこだわりも凄いけど、原節子と笠智衆のかけあいの素晴らしさたるや。
パリでこの映画のロケ地巡りしたなぁ、ものすごくお洒落な映画。篠原ともえの「メトロの娘」という曲はこの映画がモチーフに違いない。
最後の14区に尽きる。自分がパリへ一人旅した時に思ってたこととシンクロして、見るたびに涙腺が緩んでしまう。Feistの音楽も素晴らしい。
個人的には戦争映画ではないし、まして反戦映画でもないと思う。辛いエピソードに涙がでるのではない、すずさんの生き様に涙が出る。生涯3本の指に入る傑作。