ろくちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

ろくちゃん

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

都内では渋谷か下北沢でしか観られないので、なかなか行く気がしなかったのだが、なんとか気合いを入れて観に行った。

前半は「これでもか」というほど、ゆったりとした画面構成。しかし、音楽は緊張感を高めるよ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一組の男女の24年間の関係を描いた物語。

とても美しい映像と、テンポのよい編集でうっとりと魅入ってしまう。
ココナダを彷彿させるようなセンスの良い画面の構図。
幻想的な描写は「アフターサン」を思い出
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

九段下のイタリア文化会館での試写会で鑑賞。

19世紀のイタリアでユダヤ人一家の少年がローマ教皇の命令で合法的に誘拐された事実も基にした作品。
原題の「rapito」は誘拐を意味する。

誘拐されたエ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

オッペンハイマーの半生を描いた作品。
作品を楽しむためにある程度主要な登場人物について予習をしてから観に行った。
これは幾らか作品を理解する手助けにはなったが、予習なしでも結果的には良かったかなぁとい
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

本当は池袋のIMAXレーザーGTで観たかったけど、中々予定が合わないので近所で観ました。

とはいえ、観たことのないような映像と圧倒的な音圧に酔いしれることができる至福の時間でした。

これでもか、と
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ユーロスペースでの試写会で鑑賞。

60年代のアメリカを舞台に法的に禁止されていた人工中絶を密かに行い、12000人の女性を支援した団体(ジェーン)の実話をもとにした作品。

主人公のジョイ自身がやむ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

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トイレの清掃員として働く中年男性の日常を役所広司主演、ヴィム・ベンダース監督で映画にした作品。

主人公の日常をたんたんと描きつつも非常に見応えのある作品だし、その日常のちょっとした変化に目を凝らした
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

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公開から3週目のフランス映画が平日に満席なのは驚き!
最近、中規模の作品はとてもお客さんが入っている印象。

予告編でも夫の死をめぐる話だという事はわかっているが、様々な情報の断片から裁判ではどのよう
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

こんなに感想を言語化する作品も珍しい。

公開から3週間たっても劇場は満席だった。
最近、コアな観客が集う作品とライトな客層が好む作品の二極化が激しい印象。

失踪した俳優を巡って、彼を撮っていた映画
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

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「放蕩息子の帰還」モノは数あれど、こんなヘンテコな帰還映画は初めて観た。

あまり芳しくない前評判に3時間の上映時間とハードルが高い。しかし、公開から2週間たっても劇場はほぼ満席。
A24ブランドのす
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

私はソニー版スパイダーマンシリーズは結構期待しているのだけど、本作はちょっと残念だったなぁという印象。

まず冒頭の銃撃シーンから手ぶれカメラで役者を追いかけてズームするという、古臭いと言わざるを得な
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまり期待していなかったけど、とっても良い作品でした。

スピルバーグのカラーパープルは黒人女性の人生の暗く辛い面が主張されていましたが、こちらは音楽とダンスで映画的に観やすいものにアップグレードされ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

16ミリフィルムで写し出される淡く優しい光のように、うまく生きられない人々の人間模様を描いた作品。

上白石さんはPMSに悩み、松村さんはパニック障害に苦しんでいる。
しかし、だからといって自己憐憫に
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

フィルマークスのリバイバル上映はセレクトがとても良い。ミニポスターをもらえるのも嬉しい。

本作は何度も自宅で観た作品だが、劇場で観るのは初めてだった。

偶然、列車内で知り合った男女のたった1日のデ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

何かすごく深い内容っぽいなぁと感じつつも、そんなこともないヨルゴス・ランティモス作品。笑
とは言え、こんなにワケのわからないストーリーを全く飽きずにグイグイ引き込まれる作品力は素晴らしい。

エマ・ス
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

4.0

ウディ・アレンの熱心なファンではない(多分10本くらいしか観ていない)私はとても楽しめる作品でした。

主人公の小説家はジーンズにデニムシャツ、ミリタリージャケットを羽織っていつもの「僕」そのもの。
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.0

エンドゲーム以降のMCU作品よりもアベレージが高いと感じているDCEU作品。
あまりユニバースを意識させない方が、逆に気楽に観られて楽しい。
本作もアクアマンの単体作品として、期待以上に楽しめた作品で
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.0

2024年初の映画館での鑑賞。
年末から体調を崩したり、忙しかったりでカナリ映画から遠ざかってました。
今年も沢山良い作品と出会いたい。

で、本作なのですが、観る前から色々と情報が入ってきたので、期
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランス革命、マリー・アントワネットの処刑から物語は始まる。
これから血で血を洗う戦いが始まるようだ。

ナポレオンがいかにして頂点に登り詰めたのか、わかりやすくスペクタクルたっぷりに描かれる。
一方
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

女の子は(男の子も)バスに乗って町を出るのだ。
「さよなら、退屈なレオニー」もそうだったな。

高校の卒業式が終わるな否や、学校に向かって中指を立てるイーニドとレベッカ。
卒業したら楽しい人生になると
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市子(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

試写で鑑賞。
杉咲花が演じる主人公は再婚禁止期間に生まれて戸籍がない人間「市子」。物語は市子が同棲している恋人の長谷川(若葉竜也)にプロポーズされた翌日に失踪するところから始まる。
長谷川は市子の行方
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(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

北野武監督の首。
織田信長や豊臣秀吉の「天下人争い」を北野監督なりに解釈した物語。
普通であれば「偉人」とされる大名を「変人」として描いてる点が北野監督らしいところだ。
本作を見ることで、余計に登場人
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

私は一応リアルタイムではないけど、ドラマシリーズもほぼ全て追いかけている程度のMCU好きではある。しかし、やはり少々MCU疲れになっている。
その原因は、言うまでもなく「マルチバースによる複雑化」「作
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

リバイバル上映で公開時以来となる鑑賞。
よく昔の作品は自分の中で想い出補正されており、改めて観るとそうでもなかったということもあるが、本作は全くその類の作品ではなかった。

刑務所から出所したビリーが
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

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シン・ゴジラが政府を中心としたトップダウンの作戦だとすれば、こちらはボトムアップの作戦だ。

主人公は神風特攻隊から逃げ出した日本兵で、戦後もその後悔の念を持ち続けて生きている。
そこで、「自分の戦争
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

試写会で鑑賞。

パリ?から東京行きの旅客機は悪天候による事故でフィリピンにある島に不時着する。
ジェラルド・バトラー演じる機長と乗り合わせていたマイク・コルター演じる移送中の殺人犯は救助を呼びに行く
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

すでに1日1回上映になっている池袋IMAXレーザーGTで鑑賞。スケール感、シナリオ、演技、音楽、全てにおいて上質な満腹作品でした。

序盤からオセージ族に関するすごい情報量。リンで巨万の富を得たナウル
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ローグ・ワン」のギャレス・エドワーズ監督作。
私は「ローグ・ワン」が大好きなので、非常に楽しみにしていました。

AIによる核爆弾の使用を機に、西側諸国はAIを利用することを禁止して、さらにAI撲滅
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて鑑賞。

ヒッチコックの「見知らぬ乗客」やトッド・ヘインズの「キャロル」の原作を書いたパトリシア・ハイスミスの生涯を振り返る作品。
作品の土台となるのはハイスミスが残した生前の日記であり、ハ
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キリエのうた(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

岩井俊二監督作品は好きなので、楽しみにしていました。
特に90年代〜00年代の作品は幻想的な映像と細部まで練り込まれたストーリーが素晴らしい。
また、主役から端役まで独特な人選で、フックアップ力もあり
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

今泉力哉監督と言えば、テンポが良くて少しコミカルな会話劇の印象がありますが、本作はこれまでとは一味違う感じでした。

冒頭から重厚な音楽と少し不穏な空気感。
真木よう子演じるかなえは銭湯の湯船の淵に腰
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

フィンランドの荒野を舞台にナチスと金塊を奪い合うデスレース!
全体的に西部劇っぽい雰囲気をまとった作品でした。

戦場で殺し合うため、当然のように血や肉片が飛び散る描写があるので、そこは少し注意が必要
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムのコンビでみせる007の様なスパイアクション!
世界を股にかけて、自由に飛び回る様は往年のスパイムービーへの郷愁を感じる。

しかし、むやみやたらに女性にモテると
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.5

社会の表と裏。
友情(愛情)と裏切り。
謎のサイコパス。
要素は原田眞人監督の近作と似たものではあるが、中でも出色の出来だと思った。

特に本作は詐欺グループの社会の作り込みが丁寧で良かった。
あと、
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アナログ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

非常に丁寧に描かれたストレートな恋愛映画でした。

二宮さん演じる水島は建築会社の社員であり、職場での様子や家での生活なども抜かりなく描かれておりチープさは全く感じなかった。
ストーリーは比較的「よく
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

5.0

イコライザーシリーズ3作目。
正直あまり期待していなかったが、最高でした!!

冒頭から目にも止まらぬアクションでキツめの描写が続くのかなぁと思いきや、人と人との優しい繋がりも描かれる。
アクションシ
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