TOMさんの映画レビュー・感想・評価

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セブン(1995年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

定年を間近に控えた老刑事モーガン・フリーマンと新任刑事のブラピが七つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件を追うサイコ・スリラー。

雨は降り続き、街は雑然とし騒々しい。銀残しで現像されたフィルムに写
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劇場版 のんのんびより ばけーしょん(2018年製作の映画)

3.7

TVシリーズからお馴染みのメンバーが夏休みに沖縄旅行に行く話。田舎の人が田舎に旅行するというギャグにもなっている。

止め絵で生み出す独特の間合いは劇場版にも健在で、それがメリハリになりテンポを刻み、
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アドレナリン(2006年製作の映画)

3.2

ジェイソン・ステイサム演じるシェブ・チェリオスはフリーの殺し屋。ある晩、組織の命令で中国系マフィアのドン・キムを殺害するも、自宅で敵対組織のマフィアであるヴェローナに襲われ、ペキン・カクテルという1時>>続きを読む

ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ(1993年製作の映画)

3.2

パロディ映画の名匠メル・ブルックス監督による1993年のコメディ映画。ロビン・フッドの伝説を下敷きにしている。

十字軍遠征に参加していたロビン・フッドはエルサレムで捕虜になるが囚人たちと共に脱出。泳
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.9

SF映画史に残る傑作「ラ・ジュテ」を原案としたテリー・ギリアム監督、1995年のヒット作。時間旅行をモチーフにしたSF作品。主人公が手違いで飛ばされる第一次世界大戦の描写がモンティ・パイソンの「人生狂>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

クリス・マルケル監督による1962年の短編SF映画。ひとりの男の記憶とタイムトラベルを、ナレーションとモノクロームの静止画で構成する。モノクロームのパリをSF映画の舞台とするのは、ジャン=リュック・ゴ>>続きを読む

トラック野郎 天下御免(1976年製作の映画)

3.2

「トラック野郎」シリーズ第4弾。小ネタが冴えていた印象。

アバンタイトルでは金子信雄が田中角栄を意識した代議士を演じ橋の開通式をしている。テープカット直前で突入する桃次郎とジョナサン。景気の良いオー
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

2.8

売れないバンドマンのスコット・ピルグリムは、キュートな中国系女子高生ナイブスと付き合っていたが、パンクな美女ラモーナと出会い恋に落ちてしまう。だが彼女には邪悪な元カレが7人いて付き合うためには全員との>>続きを読む

フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

3.7

リュック・ベッソンの創造したユートピア的世界観を舞台にスペースオペラが描かれる。

1914年エジプトの遺跡発掘現場。異星から来訪したモンドシャワン人たちは隠し部屋から4つのエレメント=火風土水を司る
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女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

3.3

タランティーノが敬愛する梶芽衣子主演のエロ・グロ・カルト。

梶芽衣子演じるナミは恋人の麻薬捜査官である杉見に裏切られ、ヤクザにレイプされた挙句、女性刑務所へと入れられる。看守達のパワハラとセクハラ、
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.7

ジャンル映画の評価基準とは、「定型」に如何に新たな要素を加えるか、あるいはどう裏切るかという事にあると思う。純粋なアクション映画(=アクションを見せることを主とした映画)もジャンル映画であるなら、同様>>続きを読む

トラック野郎 望郷一番星(1976年製作の映画)

3.4

「トラック野郎」シリーズ第3弾。

ご多分に漏れず、菅原文太と愛川欽也が北海道を舞台に破茶滅茶やる。いくつかの出来事が100分ほどで描かれるが、一本筋があるわけでなく、オムニバスのような感じだ。

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トラック野郎 爆走一番星(1975年製作の映画)

3.4

「トラック野郎」シリーズ第2弾。

マドンナはあべ静江。ライバルは田中邦衛のボルサリーノ2。プロットは第1作「御意見無用」と同じで、菅原文太演じる桃次郎の一目惚れと失恋。そこにジョナサンの勘違いによる
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオ主演。精神を病んだ犯罪者だけを収容する孤島を舞台にしたサイコ・サスペンス。

レイチェル・ソランドーという女性患者が失踪したらしい。FBI捜査官であ
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

3.8

ジャック・ターナー監督によるフィルムノワールの傑作。

田舎町でガソリンスタンドを営むジェフの元にかつての知人ジョーが尋ねてくる。雇い主のウィットが会いたいらしい。訳あり気だ。ジェフを演じるのはロバー
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.8

王が、走る!跳ぶ!飛ぶ!
ボリウッド版「300」と言うべきか。外連味とアイデア勝負のアクションに凄すぎて笑う。上映時間の大半は回想シーンなのに、アクション!アクション!アクション!の連続で常に映画は動
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.6

ジョセフ・キャンベルを想起させる神話的英雄譚にボリウッドらしい演出の数々ーー歌と踊りと笑いとアクションーー外連味たっぷりに物語は走り続ける。画面から溢れるパワーがケタ違い。圧倒的!

パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.2

巨大ロボ対怪獣の構図から、巨大ロボ対巨大ロボへ。
イェーガー戦の斬新さはあるけど、対怪獣戦については前作よりやや淡白な印象に。ギレルモ・デル・トロが抜けたことにより、怪獣のぬめり感や得体の知れない気持
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

3.6

巨大ロボットが怪獣と闘うという少年の夢をハリウッドで映画化。ギレルモ・デル・トロらしく、巨大ロボの繰り出す技(ロケットパンチ!?)からパイロットスーツまでギミックに趣向が凝らされ観ていて楽しい。
いが
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.6

「ダンケルク」や「英国王のスピーチ」と繋がる一作。そう思ってみるとまた新しい楽しみがある。
朝からアルコールを飲み、常に葉巻を加えるチャーチルには、アウトロー的なカリスマ性があり、発する言葉一つ一つに
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クソ野郎と美しき世界(2018年製作の映画)

3.1

香取慎吾ひとり勝ちと言っても過言ではないほど、「慎吾ちゃんの歌喰いの巻」→「新しい詩」の2作は出色。「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」は、かつての曲を歌えなくなってしまった元アイドルのセルフドキュメンタリーで>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.6

「ブッ飛んだ『スター・ウォーズ』」という評価がぴったりの爽快スペースオペラ。原作は、1977年の「スター・ウォーズ」よりも古参で、むしろバンドシネ「ヴァレリアン」がルーカスに影響を与えたとも言われるが>>続きを読む

ダウンサイズ(2017年製作の映画)

3.4

ダウンサイズされたマット・デイモンなのに、獣や虫に襲われるアクションもなく、カルチャーギャップコメディにもならない(ウィットに富んだ笑いはある)。淡々と世界の終末とミドルエイジ・クライシスを描き出す。>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

3.7

集合住宅、巨大墓地、夢精して汚れたパンツ、全てが詩情に溢れてる。ビューティフル。それは子どもの目で見た瑞々しい光景の美しさであり、雑多なものがありのままにある香港のオリエンタルな美しさにも繋がる。荒削>>続きを読む

トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.4

家族を人質に取られた危機的状況で、通勤電車の中から見知らぬ乗客を探し出さねばならない!密室サスペンス!なのに、安心して観てられる!リーアム・ニーソンだから!
エクスペンダブルズ・シリーズに続編があれば
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.4

青春部活モノのクライマックスにふさわしい、卒業と継承が描かれる。つまり、青春の終わり。ここでの継承は、青春の一瞬の輝きを永遠にすることと、一瞬の感情の機微を1000年続く永遠にした和歌とをアナロジーに>>続きを読む

空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

3.1

夢枕獏の原作小説を「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコーが映画化。主演に染谷将太で日本語吹替版の白楽天役には高橋一生、楊貴妃役に吉田羊。脇を固める声優陣にも山寺宏一を始め、沢城みゆき、花澤香菜>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.9

ニクソン=トランプに置き換えたときの語りの鋭さ。そして、報道の自由を勝ち取る国民の映画であると同時に、女性の社会進出がまだまだ認められていない時代に全国紙のトップになったひとりの女性の成長物語にもなっ>>続きを読む

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.2

上の句が瑞沢高校カルタ部内の物語で、狭い世界でうじうじやって完結していたのに対し、下の句では松岡茉優というライバルの登場によって、友情に努力と勝利の要素が加わり、スポコン映画として形になった。松岡茉優>>続きを読む

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

2.8

序盤からダルマにカルタが突き刺さる漫画的演出や出演者の過剰なハイテンション、決めカットでのハイスピード撮影のインフレにげんなりしつつも、広瀬すずの誰が見ても認めざるをえないこの映画での輝きや机くんこと>>続きを読む

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.4

岡田麿里の過去作だと「凪のあすから」を想起させる。ファンタジー世界を舞台に少年少女のリアルな感情の機微を描くフェアリーテイル。おとぎ話の世界観にちょっぴりダークな展開と感情を織り込むのが岡田麿里テイス>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.7

つべこべ言ってないで早く観ろ!おもしろいから!系映画。

アフリカの原風景と超文明国ワカンダのテクノロジーとの調和。その映像だけで心躍るものがある。民族音楽とヒップホップのMIXも気が利いてる。「シビ
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一瞬の夢(1997年製作の映画)

3.5

主人公がスリを生業として生きているということでブレッソンの「スリ」をどうしても連想してしまう。手へのクロースアップなどそれらしいカットも少々。(ファッションはウディ・アレンだが)。ジャ・ジャンクーのユ>>続きを読む

青の稲妻(2002年製作の映画)

3.4

初期ゴダール作品を観ているような、瑞々しさというよりは生々しさ、背伸びした青春の痛々しさ、そして襲う眠気。

素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.3

昭和のラリー・フリントと言ったら言い過ぎ感はある。が、昭和のエッジの効いたエロカルチャーを背景にひとりの男が成り上がり転落する数十年を追った感じ。
母のダイナマイト心中は、物語と直接結びつくわけではな
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犬猿(2017年製作の映画)

3.6

兄弟姉妹の愛憎。愛憎劇とはまさにこのことかと。
肉親の、いるとウザいんだけどいなくなると寂しい。彼ら彼女らはもはや自分の一部であり、分身。いなくなるというのは自分の一部が消えてしまうということであると
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