ハヤシさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

前作の硬派な作風から一新したが、前作のほうが断然好きだな。

アクション、爆破、その他各演出が派手になり、同時に味方サイドは敵を確実に殺すが相手の弾には当たらないことを始めとした主人公補正や脚本におけ
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.1

ジョージアに旅行し4都市(トビリシ、クタイシ、カズベキ、ムツヘタ)を訪問した経験があるので手に取った。初ジョージア作品。良作だった。

たとえ登場人物の人数と舞台の広さを絞り、多額の予算を掛けていなく
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.5

アメリカ・メキシコの国際関係を描写する。特に好きだったり思い入れがあるわけではないのだが、完成度が高い。続編ながらクオリティは落ちてない。

ただ、前作のほうが映画作品として題材の新規性やドキュメンタ
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

3.7

フランス映画的な抑揚のなさと起承転結の曖昧さ。監督はベトナム系フランス人。自らの祖国を描いているから、オリエンタリズムを描写しているようで、少し違う。

家屋の空間性を意識したカメラワーク、第二次大戦
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.1

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スウェーデンの被差別マイノリティ(サーミ人)が自らのコミュニティから抜け出し、差別と偏見を浴びながらも将来を模索する物語。サーミ人の存在やスウェーデン国内に存在する民族差別については、従来全く知らず、>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

物語が意外と複雑で、アクションシーンは思ったより地味。だが、それが良い。

女性キャストが全員美人。また、ジャン・レノと共闘+対決という展開があり、なかなか熱い。

本作以降は銃と爆発とアクションが全
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スローイング・ダウン ファストファッション(2016年製作の映画)

4.0

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ファッションがまぁまぁ好きなので、本編で語られる半分ほどの内容は既に知っていた。イギリスのウール製品を推奨・称賛するプロパガンダ作品であり、天然素材である綿を批判し麻については言及していないという懸念>>続きを読む

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)

3.5

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フードサプライチェーンは搾取にまみれている。特にコーヒーとカカオは産地が限定されているだけに独特な気がする。

作品中でグローバル食品ブランドの名前が列挙されていたが、おそらく日本の商社も同じことをや
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まともな男(2015年製作の映画)

3.0

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初スイス映画。なんでこんなに賞を獲得したかが分からない。

主題は良いが、それを厳密に問うにはディテールが甘すぎるんじゃないかな。現実味のある設定でもあるが、映画作品としてはいまいち。少なくとも「スイ
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.2

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エンタメとしてかなり面白い。メリル・ストリープが想像以上に悪魔だった。アメリカのキャリアウーマンやワーカホリックの描写が秀逸。オン(仕事)とオフ(恋愛・友情)の両立というテーマについてもディテールにリ>>続きを読む

トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

3.5

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南北朝鮮の分断って結局イデオロギーの違いでしかなくて、同じ民族が殺し合い血を流す不条理は、外国人の自分からしても何となく想像がつく。

韓国にとっての北朝鮮とは、同胞である一方で当然ながら仇敵でもある
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

予想外に面白くなくて残念だった。エンタメとしてもヒューマンとしても中途半端。端的に、結末が陳腐すぎる。

タイムリープものながら、特に世界や他人を救わないという「小さな物語」である点は好き。でもそれな
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.0

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正直に言うと、キラキラ女子の好きな映画、という先入観があり敬遠していた(笑)予想より面白かった。2時間のあいだ、一切退屈しなかった。

『ショーシャンクの空に』を筆頭に、主人公の振る舞いによって周囲の
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ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.0

一人では見るに耐えない内容。人と見たからヘラヘラ笑いながら鑑賞できたが(笑)

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.1

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まず、発想の勝利。

カフカ『変身』を始めとする不条理小説や不条理劇が世の中に存在する中で、このような設定の映画作品は(知る限りで)作られていなかった。主人公の身に降りかかる理不尽な仕打ちを除けば、物
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.0

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共産主義から民主主義への変化に対する、世代毎の反応の違い。急速な民主化や資本主義経済がもたらした功罪。『善き人のためのソナタ』をこれより前に観ていたため、ドイツ民主共和国の状況については理解した状態で>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.0

戦後東京の描写を通じ、旧時代の喪失、家族や同胞の喪失という雰囲気をほのかに感じさせる。血の繋がった親子関係と、義理の親子関係の対比。時代的背景も含め、こうした固定化された個々人の役割を基調とした上で、>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.3

初ウディ・アレン作品。良さがよく分からなかった。

アメリカ人から見たフランス。彼らがヨーロッパに憧れ、その文化を好む背景は理解できた。時代ごとの人物の服装などのモードをよく再現しているなと思ったくら
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炎628(1985年製作の映画)

4.0

ソ連制作の映画を見るのは初めてだった。

ソ連(ベラルーシ)のパルチザンから見たナチス・ドイツのアインザッツグルッペンによる侵略と虐殺。民間人殺傷がドイツ兵士たちの娯楽のように位置づけられている気味の
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.8

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展開もオチも読めるのだが、やはりループものやパラレルワールドものは面白い。
終盤に思い出の品として登場する書籍がヴォネガット『猫のゆりかご』なのは、主人公のSF的経験に対するオマージュとしてかな。
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セントアンナの奇跡(2008年製作の映画)

2.8

展開や脚本に難あり。長い上にオチも読める。その上で、細かな要素を詰め込みすぎ。単に情報を摂取するだけなら書籍でいい。160分の映画である必要がない。その点で駄目。本当に退屈だった。

米黒人兵と独兵と
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.3

掴みどころがなかった。期待していたのと違ったな…。

主人公にもヒロインにもクセがある。人間は元々どこかしら面倒臭かったりマトモではないんだけど、恋愛することでそれを相手に押し付けてしまったり、その悪
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踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年製作の映画)

3.3

本広克行は『PSYCHO-PASS』にも継承される、キャリア・ノンキャリアの相克みたいなものを『踊る〜』シリーズで作り上げたという認識でいるので、そこは良いと思う。あと深津絵里かわいい。

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.3

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国連の演説シーンで泣いた。サクセスストーリーで結末も予想できるのだが、そこに至るまでの展開が興味深い。

本編の3分の2ほどの尺を使って、主人公の行動に対するインド農村社会の無理解と批判が描写される。
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

『ジョーカー』の元ネタということで視聴。アメリカ国民の分断を主題にした点と、現実・虚構が交差する語り、重要な展開が妄想という仕掛け、あとは銃の使われ方などにその痕跡を感じた。

以降の他作品に影響を与
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

泣いた。原題のドイツ語はThe Lives of Othersに相当するもので、邦題よりストーリーを直接示している。他人の人生、他人の生活。文脈的には、「今の自分と違う人生」みたいな含みもあるかな。主>>続きを読む

愛を読むひと(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

暗い。救いがない。

ケイト・ウィンスレット演じる中年女性の雰囲気がリアルだった。すごく美人だけど、主人公と圧倒的な年齢差を感じさせるような(あるいは10代20代にはないガサツさや優しさのある)振る舞
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

93年の作品ながら、この時点で既にループものとして完成されている。以前まで『バタフライ・エフェクト』が大好きだったけど、完全にこっちのほうが上だわ…。『バタフライ…』と『ハッピーデスデイ』は同ジャンル>>続きを読む