天馬トビオさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

天馬トビオ

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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

スクール・カースト問題が叫ばれる2013年。でも、この映画に出てくる、クラスでも最下層に位置する神木クンたち映研のメンバーは誰もそんなこと気にしていないんじゃないだろうか? いや、気にしていることを自>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.5

西部開拓時代――それは先住民を駆逐し、土地を奪い取ることに血まなこの時代。それは牛泥棒が跋扈し、酒場では日常的に銃の撃ち合いがあり、手を挙げた者が誰でも保安官になって権力をふるえた時代。

自分と家族
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.0

悪いインディアン、正義の味方の騎兵隊――この単純な図式がまかりとおっていた時代だからこそ、この名作は誕生したのだろう。

偶然に乗り合わせた性別も職業も異なる男女を乗せて荒野を疾走する駅馬車。限られた
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鉄道員(1956年製作の映画)

4.5

初めてこの映画を見たのは、テレビ「日曜洋画劇場」だったと記憶している。解説者の淀川長治さんが、「冒頭の線路、長くどこまでも続き、分岐していく線路は、映画の登場人物やわたくしたちそれぞれの変転する人生を>>続きを読む

われに撃つ用意あり READY TO SHOOT(1990年製作の映画)

4.0

佐々木譲の原作を思いきり変えてしまった若松孝二版「全共闘世代その後譚」。

「青春の尻尾」を切り落とすことなく生きている原田芳雄と桃井かおり。「まっとうな」人生にシフトしていながら、「青春の尻尾」の残
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天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)

3.0

人気のない深夜の新宿地下通路。蛍光灯の青白い照明。白い壁と床。

ショートブーツのヒールの音をたてて逃げる女。音をたてることもなくスニーカーで追う男。その二人を後ろから迫り追い抜き、あるいは正面からす
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座頭市血煙り街道(1967年製作の映画)

3.0

ラスト、雪の降る中での対決。打ち合わせなし、アドリブで行われたという伝説の殺陣に感動した。

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

3.0

ついに見ましたよ、伝説のカルト映画。エロ・グロ満載、フリークスたちが跋扈する映像は、今ではもう作ることはできないね。近藤正臣が封印したという黒歴史、由利徹と大泉滉の坊主ギャグ。映画は一瞬を記録して永遠>>続きを読む

制覇(1982年製作の映画)

3.0

その筋の役をやらせたら天下一品、みたいな役者を集めてきて作ったオールスター映画は大好き。戦争映画、ヤクザ映画、政界映画にそうした種類の名作は多い。家族や家庭を大事にする組織のトップを演じた三船敏郎には>>続きを読む

斬る(1968年製作の映画)

3.0

職人岡本喜八の面目躍如。適材適所の配役、緩急をつけメリハリの効いた演出、さすがである。主役の仲代達矢も、後年鼻につくようになる大見得を切った芝居ではなく、彼本来のひょうひょうとした感じが心地よい。

血を吸う薔薇(1974年製作の映画)

3.0

長い日本の歴史の中で、不思議なことに「吸血鬼伝説」は存在していない。妖怪や幽霊など、民俗学的にも豊富な素材を有し、世界にもまれな怪奇現象の歴史を持つ日本人だが、とうとう最後まで吸血という行為には馴染め>>続きを読む

白昼の襲撃(1970年製作の映画)

3.0

すんげぇ、格好良い映画。

冒頭からラストまで、全編を貫く乾いたジャズの旋律。まだうらぶれた田舎町の雰囲気を漂わせる港町ヨコハマ。刹那を生きる若者たちの暴力とセックスと見果てぬ夢。

40年余が過ぎ、
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座頭市と用心棒(1970年製作の映画)

4.0

子供の頃、リアルタイムで観て以来、ずっと観たかった作品。

岡本組の常連俳優に支えられ、勝座頭市も三船用心棒も自分本来の演技をしている。ただそれが時として、監督の意向や演出を越えた自分勝手な演技になっ
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愛の嵐(1973年製作の映画)

4.5

究極の愛の姿を見る。――飢えに苛まれジャムの瓶を取り合い、指を突っ込んで舐め続けるシャーロット・ランプリングを観て、いつもそう思う。

背徳と倒錯の愛の姿を見る。――乳房を露わにした上半身にサスペンダ
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海街diary(2015年製作の映画)

3.0

有名女優さん4人の誰に焦点を当てるのか? 原作から考えれば四女役の広瀬すずが主人公なのだろうが、大河ドラマの主人公を張った綾瀬はるかを無視できないだろうし、長澤ますみだって次の大河ドラマに重要な役で出>>続きを読む